皆さま、こんにちは。猛暑といえば35度前後でしたが、最近では36~40度になっています。高熱で体温が38度を超えるととてもしんどいですが、40度を超えると意識がもうろうとするそうです。
それと同じ気温の中で日常生活を送っているとは、何と過酷でしょうか。
それなのに、夏バテもせず食欲も落ちず、頂いたうどんやそうめんを食べて、おかげさまで毎日元気です。
日本三大うどん
うどんと言えば、皆さんは日本の三大うどんをご存知でしょうか。日本全国にご当地うどんがあり、いろんな説がありますが、一般に知られているのが「讃岐うどん(香川県)」、「稲庭うどん(秋田)」、「水沢うどん」(群馬)」と言われています。
讃岐うどん以外は知らない、という方もいらっしゃると思います。私も水沢うどんは知らなかったです。うどんと言えば、名古屋の味噌煮込みうどんや伊勢うどん、山梨のほうとう等の方が有名だと思っていました。
群馬県内には「水沢うどん(渋川市伊香保)」の他、「ひもかわうどん(桐生うどん)(桐生市)」、「館林うどん(館林市)」があり、群馬三大うどんと言われています。
群馬のうどん文化
東京へは時々出張しますが、群馬へは行ったことがありません。関東はほぼそば文化だと思っていました。
調べたところ、群馬のうどん文化は、群馬独特の気候風土によってもたらされたと言っていいと思います。
関東の北西部に位置する群馬県は内陸性気候。年間を通して晴れの日が多く、日照時間が長い地域です。全国有数の暑い所として知られ、この夏も40℃を越えた地点の3都市が群馬県でした。伊勢崎市・桐生市・前橋市です。
冬には大陸から日本列島へ北西の季節風が吹き込みます。それが群馬・新潟県境の山にぶつかると、湿った空気が上昇気流となり、日本海側に大雪を降らせます。
東京から上越新幹線に乗って新潟へ出張していた友人の話によると、群馬側の高崎駅では雪も降っていないのに、高崎駅を出発して30分。トンネルを通って新潟の越後湯沢駅に着くと、いきなり大雪の景色なのが不思議だと言っていました。
群馬・新潟県境の谷川連峰は2千メートル程。それほど高い山でもないのに、日本有数の豪雪地帯として知られているのはそのようなことからです。

群馬名物「からっ風」
日本海側に大雪を降らせ、群馬や関東方面には乾いた冷たい強風が吹き下ろしてきます。特に、赤城山から南東部にかけての地域を中心に、冷たい強風「からっ風」が吹きます。
「からっ風」の吹く乾燥した気候、水はけのよい土壌は小麦作りに向いており、群馬では昔から小麦が作られていました。
小麦の産地である県内には、館林市に日清製粉創業の地として日清製粉ミュージーアム、前橋市には「サッポロ一番」で有名なサンヨー食品さんの本社工場、伊勢崎市には「ペヤング」で有名なまるか食品さんの本社工場などがあります。
水利の確保が難しかったこと、火山灰の土壌だったことから、米作りが難しい土地柄のようです。
江戸時代に用水路を作り、米づくりができるようになったそうです。現在は、秋に収穫された米の後に小麦を栽培する二毛作が行なわれています。
東京近郊に住む友人はスーパーで群馬のお米を見たことがないと言っていましたが、調べたところ米は二毛作に適した米を栽培しており、主に外食産業向けのようです。
現在、群馬県は都道府県別小麦の生産量は全国7位。
群馬三大うどん

さて、群馬の三大うどんについてご紹介します。
水沢うどん(渋川市伊香保)
水沢うどんは約1300年前に大陸から来て水沢寺を建てた僧によって伝えられたと言われています。水沢寺は温泉で有名な伊香保にあり、水沢寺の僧侶が、榛名山から湧き出る水でうどんを作り、湯治客や参拝客にふるまったのが始まりだそうです。
水沢寺の門前には10数件のうどん店が建ち並び、水沢うどん街道と言われています。
ひもかわうどん(桐生市)
「西の西陣、東の桐生」と言われる、1300年の歴史を持つ絹織物の産地。桐生うどん(ひもかわうどん)は織物産業とともに育まれました。昔からこの地域で食されている郷土料理です。麺が幅広のうどんです。
忙しい労働者に手軽で腹持ちのよい桐生うどん(ひもかわうどん)は重宝されたそうです。
館林うどん(館林市)
県南東部にある館林地域は良質の小麦の産地。日清製粉グループ創業の地として知られ、製粉ミュージーアムもあります。全国から富岡製糸場に織物の買い付けに来ていた商人への手土産として用いられたそうです。
機織りに携わる地元の人達は、昼にうどんを打って食べていたそうです。昔からこの地域で食されている郷土料理です。
群馬三大うどんを食べに行ってきました
スタッフが夏休みに群馬三大うどんの「水沢うどん」・「ひもかわうどん」・「館林うどん」のお店に行ってきました。群馬県内のうどん屋さんは営業時間が短く、ほとんどの店が昼前から14時か15時頃まで。
それぞれ場所が少し離れているので、「館林うどん」の食堂は間に合わなかったそうです。
スタッフのリポートを紹介します。
ひもかわうどん(桐生市) 清水屋さん
懐かしい昭和の小さな食堂のようなうどん屋さん。
幅が3.5㎝程度、厚みが5mm程度のうどん。冷やし「ひもかわもり」(600円)と、温かいうどん「ひもかわ」、両方注文しました。
冷やしうどん(ひもかわもり)は、くっついて食べにくい?!と思ったらそうでもなかったです。出汁(たぶん鰹)がよく効いてとても美味しかったです。
冷やしと幅広で厚味のあるうどんは、出汁にあまり絡まないのかと思いきや、そんなことはなく、弾力のある麺がしっかり絡んで食べ応えがありました。
温かいうどんは、ほうとうに近かったですが、これほど幅広の麺を食べるのははじめて。ひもかわうどんの温かいうどんには通常きつねが入るとのこと。きつねが入ってかなり甘めの出汁。私は冷やしうどんの出汁の方が好みでした。


水沢うどん(渋川伊香保) 水香苑さん

伊香保温泉に近い水沢うどん街道沿いの店。混んでいて駐車場で1時間近く待ちました。
コシのある麺が特徴の水沢うどんは、ごまだれと醬油だれで食べるざるうどんが主流だそうです。
「ざるうどん 二色だれ(しょうゆ+ごまくるみだれ)」と「かけうどん」を注文しました。
器にこだわっており、どれも個性的なデザインでした。メニューを見たところ、青森の津軽金山焼きや栃木の益子焼を使っているとのこと。
細すぎず太すぎず四角いうどんで、歯ごたえがあります。製麺過程に三段階の熟成を加えることで、コシのある麺になるそうです。
麺1本がかなり長かったです。そばちょこに入れるのが難しかったです。
醬油だれは甘すぎず濃すぎず。ごまくるみだれは甘くて濃い味で好みが分かれそうです。
かけうどん(温)のうどんはしっかりと噛み応えのある麺で、出汁は甘めでした。

水香苑さん ざるうどん 二色だれ(しょうゆ+ごまくるみだれ) 990円

水香苑さん かけうどん 790円
さて、渋川市の伊香保温泉から館林市へ向かいます。車で1時間半の移動。赤城山の裾野が広がっています。

館林うどん(館林市) 館林うどんさん

うどんを製造・販売創業75年の館林うどんさんへ向かいましたが、残念ながら食堂の営業時間に間に合いませんでした。売店でうどんを買って帰ろうと商品を見ていたところ、おかみさんに話を伺うことができました。

「昔は館林市あたりでは小麦畑がたくさんありました。米作りに適さない土地柄で、昔から小麦を栽培していました。昔は皆機織りをしていて、お昼にうどんを打って食べていました」
館林うどんさんは、もとは粉屋さんだったそうです。
うどんは主に乾麺。館林はからっ風が強く、昔は冬場、うどんを自然の風で乾かしていたとのことです。上質な小麦を使った館林うどんさんのうどんは、高級うどんです。
陛下や元総理もご公務でお出かけの際に立ち寄って、うどんをお求めになったそうです。
うどん製造・販売のみだったところ、うどんを買いに来たお客様から、食べる所はないの?という声があり、食堂を作ったそうです。
夏は細めのうどん(ひやむぎそうめん)を。冬は煮込みや釜揚げ用に太めのうどんをおすすめしているとのことでした。
館林うどんのおかみさん、スタッフの皆さん、閉店間際に駆け込んでお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。
「おっきりこみ」と何が違うの?
さて、群馬には「おっきりこみ」といううどんがあります。「おっきりこみ」は群馬県の山側、北部地方の郷土料理で、幅広のうどんと野菜等の具と一緒に煮込んで食べる煮込みうどんです。

農林水産省 うちの郷土料理 群馬県 おっきりこみ
味付けや具材は各家庭によって違いますが、山間部では味噌、平野部では醬油の傾向があるようです。
雪の降る寒い冬、とろみのついた熱々の「おっきりこみ」を食べると、さぞ体が温まったことと思います。
館林うどんのおかみさんの話によると、群馬の郷土料理「おっきりこみ」を広めようと、県が地元のうどん屋さんに呼びかけて皆で取り組み、幅広の麺が注目されるようになったそうです。
幅広の麺といっても、家庭でうどんを作って麺を切ると、あまり細く切れず幅広になった、ということのようです。
ところで、同じ幅広のうどん「ひもかわうどん」と何が違うのか?
調べたところ「おっきりこみ」は、「ひもかわ」・「おきりこみ」・「きりこみ」・「ほうとう」・「煮ぼうとう」・「煮込みうどん」等、地域によって呼び名が違うようです。
幅広のうどん麺を茹で、水で洗って冷やしうどん等調理すると「ひもかわうどん」。
幅広のうどん麺をゆでずに直に出汁に入れ、野菜等の具と一緒に煮込んで味噌や醬油等で味漬けして食べるのが「おっきりこみ」。
とされているようです。
「ひもかわ」を茹でずに直に出汁に入れ、具と一緒に煮込んだ場合、料理名は「おっきりこみ」になると思います。
麺を茹でずに直に出汁に入れるのは、ほうとうと同じですね。
新米
さて、今年も新米が出回りはじめたにも関わらず、5kg5千円程度と、価格が下がっていません。
群馬は昔から米作りに恵まれた土地ではなかったことから、小麦が栽培され、家庭では皆うどんを作って主食にしていたことがわかりました。
そして、からっ風で乾かして乾麺を作りました。
水団(すいとん)、炭酸まんじゅう、焼き餅など、小麦粉を使ったおやつを作りました。焼き餅という名前がついていますが、小麦粉で練ったおやきのようなものです。
米が貴重でも、やりくりして暮らしてきた群馬の人々を見習って、うどんでも作ってみます。
(参考)
・観光ぐんま 水沢うどん
https://gunma-kanko.jp/features/255
・うちの郷土料理 粉食文化
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/area_stories/gunma.html
・麦の国ぐんま
https://www.pref.gunma.jp/uploaded/attachment/136415.pdf
・群馬の粉食文化・オキリコミ
https://gunma-boe.gsn.ed.jp/wysiwyg/file/download/510/15
・リゾバ 日本三大うどんは?
https://www.rizoba.com/magazine/themes/play/trip/0047/
・Plenus文化研究所 群馬県の気候風土と文化
https://www.plenus.co.jp/kome-academy/kome_library/culture/
・全国乾麺協同組合連合会 一般社団法人乾めん・手延べ経営技術センター
https://www.kanmen.com/topic/04_chigai.html
・100年フード 群馬県
https://www.bunka.go.jp/seisaku/shokubunka/foodculture/hyakunenfood/jirei/list_gunma.html
・おっきりこみ 群馬県製麺協同組合
http://www.jyosyu-udon.jp/okirikomi/index.htm
