私たち久保製作所のルーツ
和歌山県北部の丘陵地帯にある紀美野町。
清流貴志川が流れる自然豊かなこの町は、高野山に続く街道沿いの町として発展してきました。
久保製作所は雨衣製造メーカーとして、昭和38年にこの地に創業しました(旧野上地区) 。
棕櫚(しゅろ)産業がもたらしてくれた“ものづくりの精神”
紀美野町周辺はたわしやほうきの材料である全国一の棕櫚(しゅろ:ヤシ科の常緑樹)の産地でした。その関係で昔からたわし・ほうき・ロープ・合羽等の棕櫚(しゅろ)を使った生活雑貨製造が盛んで、昭和の最盛期には棕櫚(しゅろ)専門店が軒を連ねる等この地の一大産業でした。
その後、棕櫚(しゅろ)栽培の衰退に伴い、紀美野町周辺の棕櫚(しゅろ)産業も衰退し、棕櫚(しゅろ)を使った生活雑貨は伝統工芸となりましたが、ものづくりの精神はこの地に受け継がれました。
たわしはスポンジへ、合羽は素材を化学繊維へ、時代に寄り添い姿を変え、当社の雨衣製造をはじめ、暮らしをサポートする生活雑貨が今も作り続けられています。
棕櫚(しゅろ)産業がこの地にもたらしてくれた“ものづくりの精神”こそ当社のルーツであり、創業から50年以上たった今もその精神は変わりません。
“時代遅れ”と言われても、誇れるものを作りたい
私たち久保製作所は創業以来、創意工夫・研究を重ね、機能性・安全性を考慮し、安心して長くお使い頂ける最高品質の雨衣の製造・販売を信条としています。コンピューターによるパターン作成・超音波自動裁断機を取り入れ、職人の手仕事による当社独自の溶着技術(ウェルダー加工)を駆使したものづくりを行っています。そして、全国のプロの漁師の皆さまから頂いた様々なご要望を技術化しています。
いかに雨や水の浸入を防ぐか。そのための努力は惜しみません。効率化が優先される世の中、“時代遅れ”と言われるかもしれませんが、妥協せず、自らが誇れる品質を追求する!これが当社のこだわりの“ものづくり”です。おかげさまで、北は北海道から南は沖縄まで、日々厳しい自然と闘っているプロの漁師の皆さまに評価を頂きご愛用頂いております。
最近では水産合羽の溶着技術を活かし、ご利用頂けるシーンを拡げるべく、全天候型レインウェア・災害用レインウェア等の開発に力を入れています。当社のものづくりで、皆さまの活動がより便利に・スマートに・安全に・快適に行えるような新たな価値を持つ防水製品を、これからもお届けしていきたいと思っております。
これからも私たちはずっと雨や海と共に生きていく
暮らしを雨衣で支えたい
降水量が世界平均の約2倍もある雨の国ニッポン。周囲をぐるりと海に囲まれた島国ニッポン。恵みの雨もそうでない時も、私たちはこれからもずっと雨や海と共に生きていかなければなりません。だからこそ「このレインウェアさえあれば、突然大雨が来ても嵐が来て波しぶきを受けても乗り切れる!」そんな存在でありたいです。
当社はあと数年で創業60周年を迎えます。これからも先代が築き上げてきた信頼を守るため、真心こめて誠実で丁寧なものづくりを行い、最高品質の雨衣をお届けしていきたいと思っております。格別のお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。
ロゴには雨衣で人を雨や水から守りたいという当社の願いを込めています。
雨衣ひとすじ50年余
株式会社久保製作所
代表取締役社長
久保真由巳