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雨衣ひとすじ久保製作所

ブログ

今日も水産用レインウェア(水産合羽)作ってます!

皆さまこんにちは。日中はまだまだ暑いですが朝晩涼しい風が吹いて、夜になるとこおろぎの鳴き声が聞こえるようになりましたがいかがお過ごしでしょうか。お店には梨やぶどうが並びそろそろ秋ですね。

さて、今回は主力の水産用レインウェア(水産合羽)の製造工程についてご紹介したいと思います。

水産用レインウェア(水産合羽)パーツ一覧

洋服と同じ形ですが、防水仕様にするために主材料の生地を含め30以上ものパーツから成り立っています。

パーツは主材料の生地のように弊社がメーカーにオーダーした特注品を含め、それぞれメーカーから取り寄せています。これらのパーツを工程順に職人が一つ一つ丁寧に手作業で溶着・縫製する等して取り付け、ウェアを仕上げていきます。

主材料生地
副材料ミシン糸、ウエストゴム、袖口ゴム、脇ゴム、タフタ、水止めテープ、接着テープ、ファスナー、面ファスナー、肩つりバンド、ワンタッチバックル、3本線バックル、背カン、アイレット、ハトメ(フードひも通し)、カシメ、プラホック、フードひも、サイズネーム、製品名マーク、転写マーク、ワッペン、長靴
付属品 黒平ゴム、赤平ゴム、補修布
補助材料包装袋、化粧箱、製品チラシ

品質管理基準

弊社では製品の防水性・耐久性・機能性・美しさを保つために独自の品質管理基準を設定しています。例えば主材料である生地は弊社が生地メーカーにオーダーしていますが、使用する生地の基準は次のとおりです。

【主材料】生地                                          
・当社指定の規格(糸打ち込み本数1㌅角に縦42本横42本)であること。
・生地厚が当社指定の厚さであること。
・汚れ、キズ、へこみ、色ムラ、異物の混入、糸吊り、構造不良等、欠陥のないもの。

生地裏を拡大鏡で確認し、1㌅角内に糸打ち込み本数が縦42本、横42本であれば生地としては合格にしています。納品される生地は弊社がオーダーした特注品のため、生地両面の状態が全て均一とはいかないこともあります。延反時に目視で確認していますが、非常に繊細でわかりにくいため縫製段階で発見することもあります。

色について

生地色も生地メーカーにオーダーしています。オーダーする際はDIC・パントーン色見本を使用しています。現在取り扱っている色は30種類(2色を含めると45種類)。人気のカラーはコバルトブルー、ライムイエロー、ピーコックブルー、白、等です。

水産用レインウェア(水産合羽)製造工程

それではいよいよウェアの製造工程についてご紹介いたします。

① 製造指示書作成
ご注文に基づき製造する型(サイズ・色・数量)を決定します。

② 配置図作成(型データ)
製造指示書に基づき専用ソフトウェア上に型を最適に配置します。

③ 裁断プラン設定(カットデータ)
配置図(型データ)を裁断用ソフトウェアで読み込み最適な裁断の順序と方向を設定します。

④ 型紙作成
②の配置図をロールペーパーに出力します。

⑤ 生地準備
ロール生地を裁断機上にセットします。



⑥ 延反(裁断用生地作成)  
延反機を使ってロール生地を延ばしながら指定の間隔でカットし、裁断用生地を作ります。ロール紙からA4サイズの紙を30枚作るようなイメージです。生地の種類と厚みによって異なりますが例えば1ロールで上衣は20枚、胸付ズボンなら30枚分裁断用の生地を作ることができます。

⑦ 裁断用生地上に型紙配置
延反台上の生地に④の型紙を配置します。

⑧ 裁断
延反台上の生地を型紙ごと裁断機へ移動し裁断機にセットします。いよいよ裁断です。
④で作成した型紙ごと生地を裁断します。

⑨ 縫製・仕上げ
ここからは製品によって異なります。

 

袖付け

ワンタッチバックル取付け

ファスナー取付け

オーダーメイド製品について

以上が通常の水産用レインウェア(水産合羽)製造工程です。この他に弊社ではお客様のお好みにあわせてカスタマイズするオーダーメイド製品も製造しています。大きなサイズやお子様用の製品、組織団体様用に指定ロゴ・ネーム入れ製品等もお作りしていますので宜しければご相談下さい。

溶着の精度を高めるために最善を尽くす

今回製造工程をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
先代の頃から水産合羽は裏から見ると技術力がわかると言われていました。弊社は来年で60周年を迎えます。先代が築いてきたものづくりの技術力と信頼を守るためになくてはならないのが高精度の溶着です。

生地と生地を溶着する際、部位によっては金型の長さもあり左右のバランスが非常に難しい場合があります。均一な溶着ができてないとウェアに力がかかった時に生地に負担がかかり過溶着部分が破れる原因になます。逆に溶着が不十分なところは剥がれやすくなります。前後左右のバランスに気をつけながら金型を高周波ウェルダーに設置し、均一な溶着になるよう注意深く作業しています。

溶着の精度を高めることが防水に繋がります。雨や海と共に生きていくお客様が“水”から身を守り(防水)精一杯それぞれの活動ができるよう、社員一同技術力アップを目指して日々努力していきたいと思います。

 

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