皆さま、こんにちは。和歌山ではみかんの収穫がはじまりました。早生みかんはところどころまだ青いですが、置いておくと橙色になります。早生みかんは若干酸味がありますが、体を動かして汗をかいた後、水分がわりに食べています。さっぱりして美味しいです。

野上神社 秋祭り
10月半ば、近所の野上八幡宮秋祭り(例大祭)に行ってきました。
「例大祭」は、1年の無事や五穀豊穣などを神様に感謝する、神社にとって重要な日に毎年行なわれる祭りです。
当日は、午前中に本殿祭が行なわれ、午後から獅子舞、稚児わたり、子供みこし、みこし渡御と、本殿から街中の御旅所(おたびしょ)へ神輿が渡りました。

稚児渡りは神輿の付き添いです。七五三など年齢は関係ないそうです。
御旅所(おたびしょ)とは、神社の祭礼において神(一般には身体をのせた神輿)が、巡行の途中で休憩または宿泊する場所です。
神輿渡りの際、お先祓いとして、梅のずわいの枝・御幣・金幣・やり・なぎなた・弓・矢・榊・大矛・小矛・水・餅・酒・魚・鳥が通ります。

御旅所では祈願・獅子舞があり、鳥と魚は御旅所で放され、神輿一行は本殿に戻りました。
獅子舞
獅子舞は神輿の通る道をお祓いする役目を担っています。昔は獅子舞の他に、相撲や馬掛け競争などが行なわれたという話も聞いたことがあります。
昔から我が家では獅子に頭を噛まれると頭痛が治ると言われ、今年も獅子に頭を噛んで貰いました。
獅子が頭を噛むことで、その人についた邪気を食べることで邪気を払い、健康に過ごすことができると言われています。神輿の下をくぐるところもあるそうです。
語呂合わせで、「獅子が噛みつくと神が付く」という縁起かつぎの意味もあるそうです

獅子と一緒にいるのは天狗。昔は赤鬼・青鬼でした。天狗が獅子を抑えているように見えます。獅子は道をお祓いしたり邪気を食べたりしているのに変ですね。

中華街では催事のあるたびに音で爆竹が鳴って中国獅子舞が行なわれていますが、そこでも同じように獅子が頭を噛む、というパフォーマンスがあります。
獅子に頭を噛んでもらうと、獅子が悪いものを食べて厄を祓った、頭を咬まれたけど無事だった、ということから開運厄除・無病息災・健康長寿のご利益があると言われているようです。
普通に考えると、獅子に頭を噛まれると頭が痛くなると思いますが(笑)それがどうして頭痛が治る、と逆になるのか。不思議ですね。
獅子舞の起源
日本に入ってきた獅子舞は、インドが起源とされています。インドで仏教と強く結びついた獅子が、シルクロードを経て中国に伝わり、舞に取り入れられたそうです。
インドから中国に伝わった獅子舞が、日本の奈良に伝わったとされています。6世紀半ば、大陸から仏教伝来したのとほぼ同じ時期のようです。
その後、東大寺大仏の開眼供養の行事で獅子舞が披露。
室町時代には、今の獅子舞の原型となる芸能が生まれました。お伊勢参りを広める神楽師が、日本各地でお札を配る際、厄払いの獅子舞や曲芸の神事芸能を披露したそうです。
お伊勢参りと言えば、テレビの時代劇で、江戸の庶民にお伊勢参りツアーを募って添乗員として一緒に旅し、途中の宿場町で庶民からお金を巻き上げて雲隠れする悪者の話を何度か見たことがあります。
江戸時代にはお伊勢参りに参拝する人が増え、年間400万以上が参拝した記録も残っているそうですから、旅人の路銀を狙った犯罪やトラブルも多かったのかもしれませんね。
どこへでも自由に旅ができる現在と違った江戸時代、寺社への参詣や湯治の場合は、通行手形の制限か緩和されたことから、人々はこぞって伊勢や京都・奈良へ旅をしたようです。
狛犬と獅子
神社の狛犬さん、と言っていましたが、正確には獅子と狛犬でした。
向かって右側の口を開けているのは獅子(阿形 あぎょう)、左に配置される口を閉じた狛犬(吽形 うんぎょう)、と対になっています。角があるのが狛犬です。
この組合わせは平安時代のはじめからで、奈良時代までは獅子2頭だったとされています。
野上神社の狛犬と獅子は本殿脇にいましたが、珍しい水玉柄でした。
また、御旅所エリアにも石の狛犬と獅子がいました。

秋祭りとなれ寿司
さて、秋祭りと言えば「なれ寿司」。なれ寿司とは、鯖などの魚を保存するために米飯の発酵作用を利用した保存食で、和歌山の郷土料理です。

塩鯖と手ごねの塩ごはんをアセの葉で包んで桶にびっしりと詰め、自然発酵したものです。アセの葉で包むことからアセ寿司とも言います。アセとは、暖竹というイネ科の植物の葉です。
和歌山市や紀美野町あたりではサバを使いますが、紀南の方ではサンマや鮎を使います。包む葉も、芭蕉の葉、竹の皮を使うこともあるようで、地域によって味付けや発酵期間も様々ななれ寿司があります。
なれ寿司の起源は、奈良時代に東南アジアから日本に伝わったとされています。鮎や鮒等の川魚を保存するために、魚を塩漬けしてからご飯に漬けるという、米飯の発酵作用を利用した方法です。
桶の中で魚を塩とご飯が熟成・発酵し、酸味と旨味が生まれます。
当時、ご飯は魚を漬けるぬか床の扱いでしたが、その後、魚と一緒に寿司として食べるようになったとのことです。これが押し寿司や箱寿司の原型とされています。
酢を使った寿司が作られるようになったのは、江戸時代になってからです。
早なれ寿司と本なれ寿司
以前も本ブログでご紹介したことがありますが、ここでもご紹介しますね。
和歌山のなれ寿司には「早なれ寿司」と「本なれ寿司」があります。一般に「なれ寿司」と言うと、「本なれ寿司」のことです。
「なれ寿司」は発酵による独特の臭いがあり、大人向けです。
酢を使わず塩鯖とご飯を自然発酵させた「本なれ寿司」に対し、お酢を使って発酵期間を短くして早く作れるのが「早なれ寿司」(早すし、ささ寿司)です。

我が家では、「早なれ寿司」のことを「アセ寿司」と言い、時々買っては食べています。アセの葉は3枚使用されています。横に1枚、縦に2枚です。
今はスーパーで買えますが、昔はお祭りの頃になると、なれ寿司(本なれ寿司)を作る家庭もありました。
和歌山ではおにぎり等ごはんを握ったものを「にんにこ」を言います。私は外ではおにぎりと言いますが、家で母と話をする時には「にんにこ」と言います。
和歌山はラーメンも有名ですが、ラーメン屋さんには「早なれ寿司」が置いてあります。
一般にはラーメン&ライスのところ、和歌山ではラーメン&早なれ寿司の場合が多いです。

なぜラーメン屋さんに寿司が置いてあるのか、東京の友人にもきかれたことがあります。
こってり味のラーメンには、さっぱりしたお寿司があうから?と思っていました。
調べたところ、はっきりしたことはわからず・・・。戦後、うどんやさんが昆布や鰹節の不足から中華そば屋に鞍替えしたが、戦前から店に仕入れていた早なれ寿司だけは変わらず置き続けたから、という掲示板のコメントを見ました。
関西の発酵寿司と江戸前寿司
さて、江戸前寿司とは、東京湾(江戸湾)で獲れた魚で作ったにぎり寿司のこと。冷蔵庫もない時代、保存のために、酢や塩で締めたり、煮たり、タレに漬るなど工夫していました。
漬けマグロ、酢でしめた鯖やコハダ、甘辛く味付けした煮穴子などです。
以前ブログに書きましたが、江戸時代、脂が多く、傷みやすいマグロは下のランクの魚として扱われ、魚好きの猫もまたいで通るとまで言われていました。
それが変化したのは、和歌山出身の吉宗公の倹約令。ちょうどその頃、和歌山発祥の醬油製造の技術が進み、江戸の寿司職人がマグロの漬けを考案。

醬油によってマグロを保存し、旨味も熟成され、江戸の人々は下魚として嫌煙されていた鮪を食べるようになったそうです。

一方、関西の寿司は「なれ寿司」などの発酵寿司です。平安時代から寿司の原型となる調理法があったそうです。保存上シャリは砂糖が多く、甘みが強いです。
鯖、アジ、サンマ、アナゴ、エビ、干ししいたけ、卵などを使い、木型に魚と寿司飯を入れて作る「押し寿司」・「箱寿司」・「棒寿司」などがあります。
和歌山の寿司
めはり寿司
和歌山県南部の熊野地方の郷土料理で、塩漬けした高菜で包んだ大きなおにぎりです。
平地の少ない県南部地方の山間部では、日当たりが悪くても栽培できるとして高菜がさかんに栽培され、めはり寿司は昔から林業や漁業の弁当として親しまれてきました。
中身は白いご飯を使いますが、すし飯を使うこともあるようです。
小鯛雀寿司

和歌山市加太(かだ)の小鯛(チャリコ)で酢飯を包んだお寿司です。尾が雀の尻尾に見えるというのが名前の由来です。明治に鉄道の食堂や車内販売から広まり、120年以上も地元和歌山で親しまれている駅弁です。
柿の葉寿司

「柿の葉すし」は、寿飯に鯖や鮭などの具材をのせて柿の葉で包み、重石をして一晩おいた押し寿司です。江戸時代に生まれたといわれています。
寿司の保存性を高めるために、抗菌・抗酸化作用を持つ柿の葉が使われました。和歌山の紀の川流域は柿の産地です。
現は柿の葉すしを扱うお店がたくさんありますが、昔はいつでも自宅で寿司が作れるように、柿の葉を塩漬けにして保存したそうです。
具材は鯖、サンマ、エビの甘辛煮、しいたけ、かまぼこ、油揚げ、卵などを使います。最近ではサケや鯛や熊野牛など、様々な柿の葉寿司が生まれています。
食品加工の現場を応援します
さて、伝統の発酵寿司「本なれずし」を作るには、鯖などの新鮮な魚をおろし、1ヶ月以上塩漬けにしてねかせ、塩漬けした魚を米飯と合わせ、アセの葉などで包んで寝かせて発酵・・・。
これら一通りの作業は、汚れと臭いとの闘いになることが想像できます。
ホームページには掲載していませんが、当社は水産など食品加工用のエプロンも受注生産しています。マヨネーズで有名な食品メーカーさんの加工用エプロンも造らせて頂きました。
生地は水産合羽の生地(素材・色)と同じで、丈夫で耐寒・耐油仕様です。
また、食品加工現場では、胸付きズボンや長靴付き合羽もご利用頂いています。お気軽にご相談下さい。

シーピープル 胸付きズボン(ライムイエロー) S3MZ-LY

ピアオーシャン 胸付きズボン(ブルーオリヤン) S5MZ-BO

エミック 胸付ズボン(長靴付き)S2MZ-OL
(参考)
柿の葉寿司 和歌山県 うちの郷土料理
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kakinoha_zushi_wakayama.html
狛犬 京都国立博物館
https://www.kyohaku.go.jp/jp/learn/home/dictio/choukoku/komainu/
獅子舞 和楽 https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/108185/
中国獅子舞 横浜中華街 https://www.chinatown.or.jp/feature/shishimai/
ふるさとの味「なれずし」 湯浅さんぽ https://www.yuasa-kankokyokai.com/article/4906/
ロカル和歌山 https://rokaru.jp/news/22048/
東京すしアカデミー https://www.sushiacademy.co.jp/archives/c351

































和歌山のフルーツで作ったジャムを使ったコッペパン「和歌山コッペ」(あおうめ・きんかん・みかん・桃)もあります。










調べたところ、車の名前はバスケット。2009年の東京モーターショーで公開。農業用や配送用以外の一般ユーザー向けのカジュアルなスタイルの車=軽トラとして、16年前から発売されていました。




















西日本では「いりこ」、関東では「煮干し」、と呼び名が違います。煮干しは小魚を煮て干したもので、一般に煮干しというと「イワシの煮干し」のこと。



