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東京湾に入る船の目印 鋸山(のこぎりやま)

皆さま、こんにちは。ようやく秋らしくなってきました。この夏は日本全国、まるで灼熱地獄のような暑さ、地震、南海トラフ地震臨時情報、台風、米騒動などいろいろありました。

我が家はストックのお米がありましたが、都会では何週間もスーパーにお米がない状況が続き、お米を求めてスーパーを何軒も回った人も多かったようです。

1年で最もお米の在庫が少ない時期に、地震があり、南海トラフ地震臨時情報が出され、台風があったことで、備えのために多くの方がお米を買ったことも影響したと思います。

新米が出回り、都会のスーパーにはいつ行ってもお米が並び、ようやく令和の米騒動も落ち着きを取り戻したようです。

まだ高値は続いており、5キロ3,500円~5,000円。例年より千円~三千円くらい高いようです。

さて、灼熱地獄と言えば先月スタッフが、千葉県の内房(房総半島の東京湾側)にある鋸山ロープウェイに乗って、有名な「地獄のぞき」に行ってきました。

スタッフから聞いた話と、私なりに調べたことを書いてみたいと思います。

鋸山と浦賀水道

東京湾は、貨物船やタンカーなど1日500隻もの船舶が通る、世界有数の「海上交通過密海域」として知られています。鋸山は昔から東京湾に入る船の目印となった所として有名です。

標高は約329mと高くないですが、鋸の歯のようにギザギザと切り立った崖が目印になり、名前の由来にもなったそうです。

その東京湾の入り口が浦賀水道。三浦半島(神奈川県)と房総半島(千葉県)の間の狭い海域です。

調べたところ、最少幅は約6.5㎞。6.5kmのうち、大型船舶が通航できる航路幅は1.4km。潮流も速いことから航海の難所と言われています。

船の難所 浦賀水道航路を横切る強者 東京湾フェリー

1日500隻の船が通る難所、浦賀水道航路を横切って運航しているのが、東京湾フェリー。三浦半島の久里浜と鋸山のふもと金谷の間を約40分で航行しています。

フェリーに乗ると、航行しているタンカー・コンテナ船等を間近に見ることができるそうです。東京湾に入る全ての船が通る浦賀水道では、時には大型客船や軍艦(空母や潜水艦)も見ることもできるそうです。

スタッフが展望台から撮った写真にフェリーが入っていました。以前神奈川から車で千葉に行く時に、東京湾フェリーのルートを検討したことがあります。結局その時はアクアラインを通りましたが、こんな写真を見ると乗ってみたいですね。

写真を見ても船が次から次へと東京湾に向かっています。信号機もない難所の海で、どうやってうまく横切っているのかと思います。

ところで、浦賀水道の浦賀と言えばペリーの黒船来航。嘉永6年(1853年)、ペリーが4隻の艦船でやってきて、江戸湾入り口の浦賀沖に停泊して、幕府に開国を迫りました。

なぜ浦賀沖に停泊したのかと思って調べたところ、浦賀までしか海図がなかったからだそうです。

ペリー側は停泊中に測量艇をだして、江戸湾内を細かく測量したとされています。

日本近代化の土台を作った房州石

さて、鋸山のギザギザの崖は自然にできたものだと思っていましたが、これは石材(房州石)の採石跡とのことです。

調べたところ、房州石は江戸時代後期(安政年間)に採掘が始まり、堅くて加工しやすく、耐火性に優れていることから、建築用石材やかまどや七輪などにも利用されたそうです。

石切りは男性が行い、車力(しゃりき)と呼ばれる女性が石を麓まで運んだそうです。石材は木製の台車で切り出した石を運ぶ方法(車力道)と、斜面を滑らせるように石材を運ぶ方法(桶道)があったとのことです。

そして明治時代には、東京や横浜での需要が増え、横浜港開発の際には、護岸用石材として、東京湾岸の土木建築工事に使用され、日本の近代化を土台から支えました。

現在は採掘されていませんが、皇居、靖国神社塀下、早稲田大学の石塀、横須賀軍港、港の見える丘公園の石垣など、著名な場所に使用されています。

刷毛でさっと掃いたような細かい筋模様が特徴とのことです。

鋸山ロープウェー

さて、いよいよ鋸山ロープウェーに登ります。鋸山ロープウェーは、山麓駅から海抜329mの鋸山山頂駅を結ぶ、全長680mのロープウェーです。

台風一過の青空で35度以上の酷暑。外に立っているだけで全身が焦げるような日射しに、風はあっても熱風で息苦しい程の暑さ。まさに灼熱地獄だったそうです。

山麓駅の自動販売機で切符を購入。往復1,200円(大人)。昔懐かしい厚みのある切符を見てスタッフは感激したそうです。

昔は切符と言えばこんな厚紙でした。今でも使っているところがあったとは。私も感激です。

調べたところ、厚みのある切符は「硬券」と言うそうです。鉄道会社の乗車券のスタンダードとして明治の鉄道創業期より使用され、材質はボール紙、厚みは0.7ミリ程だそうです。薄い切符は「軟券」。

改札で駅員さんに切符を切って貰って入場。駅で駅員さんに切符を切って貰うのは何十年ぶりで、スタッフはまた感激したそうです。

駅の改札で切符を切って貰ったことのない方もいらっしゃるでしょう。

以前は駅の改札を通る時に、駅員さんに切符を切って貰っていました。新幹線の中でも車掌さんが回って、切符を切って貰っていたのです。

調べたところ、千葉県では小湊鉄道さんも硬券を扱っています。養老渓谷駅など一部の有人駅で硬券を買うことができるようです。有人駅の牛久駅、里見駅で、頼むと鋏を入れてもらうことができるようです。

鉄道ファンに限らず、スタッフや私のように、硬券に懐かしさを感じる方もいらっしゃると思います。

ロープウェーで山頂へ

さて、スタッフはゴンドラに乗車。小さなゴンドラは満員。
4分の空中散歩で山頂駅に到着。階段を上って改札を出て、また階段を2階分上がると展望台です。

展望台からは東京湾が一望。正面に浦賀水道、頂上は雲に隠れて稜線だけ見えた富士山、房総の山並み、浦賀水道の向こうに横浜ランドマークタワーや東京都心が見えて、感動したそうです。

本当に素晴らしい眺めですね。私も行ってみたいです。

地獄のぞき 日本寺へ

地獄のぞきへは、山頂駅から徒歩20分程度と聞いていたそうですが、足元はデコボコした岩の坂段。一段一段注意して降りたそうですが、段差もランダムで、歩くというよりは山登り。

10分程で日本寺の入り口に到着。スタッフは疲れてぐったり。拝観料(750円)を払って日本寺の門をくぐりました。

日本寺(乾坤山日本寺 けんこんざんにほんじ)は、関東最古の勅願所。勅願所とは、天皇の命令で国家鎮護・皇室繁栄などを祈願して建てられた寺で、奈良の東大寺・薬師寺も勅願所だそうです。

10万坪余りの広大な境内には、日本最大の磨崖仏(まがいぶつ:岩壁に彫刻された仏像)の薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)、房州石を切り出したあとの崖に6年の歳月をかけて彫られた百尺観音像、江戸時代後期に27人が21年という歳月をかけて彫った東海千五百羅漢像など、数多くの見どころがあります。

中でも有名な見どころが「地獄のぞき」です。

日本寺の門をくぐると今度は石段の上り坂。段差はそれほどでもないですが、階段の奥行きが長い登り坂が続いたそうです。

山の中、陽射しはなかったものの、暑さと疲労の登り坂でスタッフはバテて、何度も休みながら歩き、ようやく地獄のぞきの入り口にたどり着きました。

地獄のぞきは、空中に岩場がせり出したような小さな展望台。スタッフは両手で柵をつかんで最も足場の悪い岩を登り、地獄をのぞいてきました。

足のすくむような所ですが、スタッフは不思議と怖くなかったそうです。

スタッフは全身汗びっしょりになり、木陰で涼みました。そしてまた長い石段を下り、日本寺を出ました。

スポーツドリンクで水分補給。ロープウェイ山頂駅に向かって、また岩の坂道を登りました。かなりキツかったそうです。ロープウェー山頂駅に戻ってきた時は、スタッフは暑さと疲労でぐったり。

ロープウェイに乗って山を降り、山麓駅にたどり着くと、スタッフは熱中症のような症状に。すぐにコンビニで塩タブレットとスポーツドリンクを買って塩分補給したそうです。

台風一過の青空で灼熱地獄のような暑さの中、スタッフは今回地獄のぞき以外の場所を見て回れませんでしたが、また過ごしやすい季節に行ってみたい、とのことでした。

ところで前日は台風でした

前日の千葉県は台風通過中。傘をさせない程の暴風雨だったそうです。車のドアを少し開けただけで、車内には横なぐりの雨が。

そこで、スタッフは車内でドノソラを着て外に出ました。

フード部分は手で押さえ、キャリーカートと他荷物を抱えて急ぎ移動しました。建物の入り口でドノソラを脱いで雨を振り払い、ほっと一息ついたそうです。

いわゆる短時間集中豪雨のようなゲリラ豪雨+強風の台風でしたが、ドノソラがあってよかった~と、しみじみ話してくれました。

怖いと感じる程の雨風の時には外へ出ないことですが、やむを得ない時は十分注意して下さいね。

昨年、千葉県の大山千枚田で撮ったドノソラの動画ですが、ご参考まで。弊社の全天候型レインウェアドノソラレインパーカがお役にたてると幸いです。

(参考資料)
・まっぷるトラベルガイド https://www.mapple.net/articles/bk/3642/
・鋸山復興プロジェクト https://nokogiriyama.jp/viewpoint/boshu-rock/
・Exciteニュース おもしろ コネタ 自動改札が主流の今でも、駅員さんに切符を切ってもらえる場所は?
https://www.excite.co.jp/news/article/E1473657430323/
・関東交通印刷株式会社 硬券とは?https://ticket-print.co.jp/about/
・千葉観光ナビ https://maruchiba.jp/spot/detail_10364.html
・平塚市博物館 https://www.hirahaku.jp/web_yomimono/geomado/sekiz19.html
・日本食文化の醬油を知る 黒船来航と開国
http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/reference-18.html
・富津市役所 登山道(2) 車力道(しゃりきみち)
https://www.city.futtsu.lg.jp/m/page/0000000317.html
・江戸湾測量 横須賀市
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2120/culture_info/french/documents/perry_yks.pdf
・鋸山 日本寺 https://www.nihonji.jp/
・鋸山ロープウェー https://www.mt-nokogiri.co.jp/pc/p010000.php