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雨衣ひとすじ久保製作所

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夏のレジャー、スマホにも“完全防水“対策が必要だ!

皆さまこんにちは!数年ぶりに全国的に花火大会が開催されるなど、待ちに待ったニッポンの夏休み本番ですね。海や川、プールでのレジャーを楽しみにしている方もいらっしゃるでしょう。写真や動画をたくさん撮りたいですよね。

さて、気になるのがスマホの水没。最近は防水性能を備えているスマホもありますが、実際はどうなんでしょうか。スマホの防水性能について調べてみました。ご存知の方もこの機会におさらいしてみませんか。

スマホにもあった!防水規格

調べたところ、スマホの防水性能は「IPコード」と呼ばれ、「IP〇〇」で表わされていました。「IP〇〇」は国際電気標準会議(IEC)によって定められた、スマホをはじめとする電気製品の防水性能・防塵性能を表す規格です。ソフトバンクニュースにわかりやすい説明がありましたのでご紹介しますね。

「IP〇〇」とは、IP(International Protection)コードと呼ばれるもの。2003年に国際電気標準会議(IEC)によって定められた、電気製品の防水・防塵性能を表す規格です。「電気製品の」と述べたように、IPコードは身のまわりの電子機器に幅広く使われています。(ソフトバンクニュース)

少しややこしいのですが、この「IPコード」は、①防水・防塵性能の両方を表記する場合と、②どちらか一方の性能のみを表記する場合の、2通りのパターンがありました。下の図をご覧下さい。(インターネット検索により調査しまとめました。内容は最新でない場合があります。2023年7月末現在)

防水等級のみ表わす場合はIPの後にXと表記され、続いて0から8までの全9等級が表記されます。現在最も優れた防水等級は「8」になりますが、その場合は「IPX8」と表記されます。IPの後に続く一つ目の部分に数字が表記されていたら、それは防塵等級を表わし、防塵・防水等級両方を表記するパターンということになります。何だかややこしいですね。

防水保護等級は全9等級

続いて、実際の防水保護の内容・程度について、キャリア各社の防水保護等級と保護の内容を調べてみました。ソフトバンクとauは等級一覧がありましたが、ドコモは一部の等級のみ。ソフトバンクのテスト方法は見当たらず、ドコモは一部の等級のみ。記載がない箇所は私が探せなかっただけで、ないとは限りません。

各社の保護内容とテスト方法を調べ、一覧表にまとめてみました。下の図表をご覧下さい。(インターネット検索により調査しまとめました。内容は最新でない場合があります。2023年7月末現在)

同じIEC規格に基づいていても、キャリアにより保護内容の表現が異なっていました。保護内容・程度とテスト方法を見る限り、水没に耐えられそうなスマホは防水等級7か8、正確には「IPX7」か「IPX8」等級の機種ということになります。

私個人の感覚ですが、水没しても「IPX7」は少しの間なら持つ、「IPX8」は暫く持つ、というところでしょうか。

ソフトバンクのテスト方法は見当たりませんでしたので、例えば、「具体的に一時的に一定の圧力(水深)で水没しても内部に浸水しない」とはどの程度なのかわかりません。

そこでソフトバンクに問い合わせたところ、ソフトバンクから伝えられるのはIEC規格に準拠していることだけ。どの程度水に耐えられるのか等は各メーカーにお尋ね下さいとのこと。スマホのメーカーも機種もたくさんあるので、代表してAppleとGoogleの最新機種を調べてみました。

2大メーカーの防水保護内容は?

調べて見ると、最新のiPhone 14の防水性能は「IP68等級」。最高等級の「8」でした。防水性能の注意書きを読むと以下のとおり。

“iPhone 14とiPhone 14 Plusは防沫性能、耐水性能、防塵性能を備えており、実験室の管理された条件下でのテストにより、IEC規格60529にもとづくIP68等級に適合しています(最大水深6メートルで最大30分間)。防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があります。iPhoneが濡れている場合は充電しないでください。クリーニングと乾燥の方法についてはユーザガイドをご覧ください。液体による損傷は保証の対象になりません。”

続いて、最新のGoogle Pixel Foldの防水性能も同じく「IP68等級」。最高等級の「8」でした。防水性能の注意書きを読むと以下のとおり。

※注1)IPX8:常温で、水道水、かつ静水の水深1.5mの水槽に電話機本体を静かに沈め、約30分間水底に放置しても、本体内部に浸水せず、電話機としての機能を保ちます。

二大メーカーの最新機種はどちらも防水保護性能は最高等級の「8等級」。iphone14は最大水深6メートルで最大30分を、Google Pixel Foldは1.5mの水深で30分をクリアしていました。同じ規格でもメーカーによって試験方法が異なることがわかりました。

実際のところは・・・?

調べて見ると、保護等級の高いスマホでも、実際はスマホの通常の使用で耐性が低下し、防水が十分効かずダメになることもあるようです。確かに毎日使っていれば落としたりぶつけたりすることもあり、日々劣化していきます。工場出荷時と同じ条件とはいきませんよね。

しかもテストでは水道水で行なわれています。海水は問題外ということになりますでしょうか(冷汗)。トイレやお風呂で落とす方も結構いるようですが、40℃程度のお風呂も問題外ということになりますでしょうか。

水没した時こそ落ち着いて作業を

万が一水没しても、適切に対処すれば大事に至らずに済むこともあるようです。

iPhoneの場合、本体に液体が浸入したかどうかわかるように「液体浸入インジケータ (LCI)」というものが内蔵されていました。LCIは外側から視認できるとのことです。場所はSIMスロットの内側。通常の使用状態では白またはシルバーで、水または水を含む液体に触れると全体が赤くなるとのことです。

手持ちのiPhone8を調べて見るとこれがなかなか見えません!サポートページによると「ライト付きの拡大鏡を使ってLCI に光が当たって見えやすい位置にライトまたはデバイスを傾けるように」との記載がありましたので、懐中電灯を当てて奥を覗いてみました。

するとやっと「シルバー」を目で確認できました!明るさが足りず残念ながらどうしても写真にはLCIが写りませんでしたが、

サポートページには「iPhone が濡れてしまったら、どうすればよいですか?」はありましたが、水の中に落ちた時の対処方法は見当たりませんでした。

●iPhone 7 以降の防沫・耐水・防塵性能について(appleさんサポートページ)

複数のiphone修理屋さんの応急処置について調べてみると、ほとんどがまずは電源を切って乾かすこと、そして早めに修理に出すのがよい、とされていました。カメラのキタムラさんがiPhoneの水没時の対処方法についてわかりやすくまとめていましたのでご紹介しますね。

●iPhoneが水没したときはどうする?応急処置の方法を徹底解説(カメラのキタムラさん)

Google Pixelの場合はヘルプセンターに水没時の対応が掲載されていました。

スマートフォンが水の中に落ちた場合
1. Pixel を水から引き上げます。
2. 電源をオフにします。
3. 柔らかい布で水分を取り除きます。
4. 平らな場所に置いて、室温で完全に乾かします。

●Google Pixel の水濡れを防ぐ/スマートフォンが水の中に落ちた場合

iPhoneもGoogle Pixelも、電源を切って乾かす、というのは同じ処置方法でした。

まとめ

というわけで、IPコードはあくまで未使用の状態でどれだけ水に耐えられるかのグレード。高い等級の方がよいでしょうが、だからといってあまりあてにし過ぎない方がよさそうです。今のところスマホに「完全防水」製品はありません。

ちなみに、弊社製品には「完全防水製品」と「防水製品」があります。「完全防水製品」はご存知水産用レインウェア(水産合羽)。「水を通さない素材」で製造しています。

●完全防水製品 水産用レインウェア(水産合羽) 「シーエース」

一方、「防水製品」は全天候型レインウェアや災害用SP等、「防水性に優れている機能性素材」で製造しています。かなりの防水性がありますが、完全防水ではありません。使用目的が異なります。

●防水製品 全天候型レインウェア 「災害用SP」

お出かけ前にやっておくこと

まずはいざという時に備えて、ご自分のスマホの防水グレードを知っておくこと。そして水没時にどうすればよいのか、修理はどこに依頼すればよいのか等、前持って調べておくとよいと思います。

調べた限りでは水没は保証の範囲外のようです。修理可能な状態であれば幸いですが、お金もかかるようです。ただ、機種や故障の程度によっても違ってくるのではないかと・・・。期待したいところです。

そして大事なことは、水没の恐れのあるシーン、海や川やプールでは、基本的には本体が水に濡れないよう何らかの「完全防水」対策が必要です。

今はスマホの防水ケースにもいろんなタイプがあるようです。調べると防水ケースにもIPコードが表記されていました。

プールや川遊びシーン用にストラップ付き首かけタイプ、サーフィン等体を動かすスポーツには腕につけることができるアームタイプ、水上アクティビティーシーンには浮き輪(フロート機能)がついているタイプ、ダイビング時の水中撮影用にストラップ付き潜水用タイプ等、目的の活動によって様々なタイプのスマホ防水ケースがありました。

そして、海や川、プールへお出かけの前には、念のためデータのバックアップをとっておくと安心ですね。

私自身もこの機会にIPコードの読み方をマスターしました。自分のスマホのLCIの存在などを知ることができました。皆さまにも参考になれば幸いです。

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