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「天ぷら」と「さつま揚げ」

皆さま、こんにちは。先日、お客様から岩手の大船渡漁港に揚ったサンマを頂きました。我が家はサンマは初物でした。今年は大きなサンマで、脂がのってとても美味しかったです。

ここ数年サンマが不漁で、獲れても身が小さく、値段も高くなっていましたが、今年は近年まれにみる豊漁です。

9月に入って、北海道では1日千トンもの水揚げがあり、発泡スチロールや氷が不足、輸送などの処理が追いつかないとのニュースを見ました。

9月上旬、サンマ漁のさかんな漁港では、処理が追いつかないことや、漁獲目標を大きく上回っていることから、全国さんま棒受網漁協協同組合は48時間休漁措置をとりました。

銚子港では2022年ゼロ、2024年55トン・・・と、この4年間で計84トンしか獲れなかった所、たった1日で112トンのさんまが獲れ、4年間の合計量を上回ったとのことです。同じようにここ数年不漁だったイワシも豊漁です。

どうしてそんなことになるのか、不思議ですね。

メディア各社の情報によると、今年のサンマは大きなサイズのようです。先日スーパーで、「特大」シールが貼ってあるサンマが一匹500円台でした。

いくら特大サイズといっても、豊漁なのに随分高いと思いました。以前は普通サイズが2匹入って500円ぐらいだったと思いますが。

豊漁は何よりですが、サンマやイワシは足が早いのが特長。
有名なサンマ祭りなどでは、刺身で食べることのできる程新鮮な魚を扱っているそうですが、新鮮さを保つにはスピードとそれなりの扱いが必要になります。

スーパーでサンマやイワシのお刺身は滅多に扱ってないように思います。安くて美味しい魚は大体足が早いですね。

それでサンマは焼き魚か干物に。イワシは目刺しか、酢漬けや油漬けの缶詰や練り物になるのかと思います。

練り物

ご存知のとおり「練り物」とは、魚のすり身に塩や具材を加えて練り、加熱して固めた加工品の総称で、かまぼこ、揚げかまぼこ、ちくわ、つみれ、さつま揚げなどのこと。子供から大人まで幅広い年齢層に親しまれている食べ物のひとつです。

水産加工品の総称「練り物」は、加工方法と地域によっていろんな呼び方があり、この点が煩わしいところです。

例えば、西日本では、エビや野菜等の素材に衣つけて油で揚げる「天ぷら」の他に、練り物のことを「天ぷら」と言います。主に揚げかまぼこのことです。

東日本では「さつま揚げ」と言い、愛知・岐阜・北陸では「さつま揚げ」のことを「はんぺん」と言うそうです。

西日本出身で関東に長年住んでいる友人は、上京したての頃、おでんの練り物「天ぷら」のことを周りに話すたびに、「天ぷら?」と不思議そうな顔をされ、スムーズにいかなかったそうです。

同じ単語で漢字が同じで意味が違うとなると、日本人同士でも話が通じないこともある、と言っていました。日本語は難しいですね。

練り物 呼び方いろいろ

西日本では「天ぷら」、北海道以外の東日本では「さつま揚げ」、と言われる練り物(主に揚げかまぼこ)ですが、他の呼び方もあります。

さつま揚げ

天ぷら(西日本・北海道)

飛竜頭(ひりょうず) 豆腐と魚のすり身をベースに野菜等を混ぜて揚げたもの

はんぺん(愛知・岐阜・北陸) さつま揚げのこと

あげはん(広島)

つけ揚げ(鹿児島)

チキアギ(沖縄)

天ぷらの種類

さて、〇〇天と名の付く天ぷらはいくつかあります。和歌山のスーパーには「さつま揚げ」という名前では売ってないです。「平天」か「ほね天」です。

東京の友人に話したところ、びっくりして、近所のスーパーで買ったという「さつま揚げ」の写真を送ってくれました。

平天 魚のすり身をベースに平らに近い形の天ぷら。大体3枚入りの袋で売っています。

丸天 平らで丸い形の天ぷら。博多のうどんには丸天がのっています。

長天 長細い形の天ぷら。讃岐うどんには長天が入っています。

ほね天 タチウオを丸ごと使った天ぷら。和歌山県有田市の特産品。

ごぼう天 棒状にしたごぼうを芯にして魚のすり身で巻いた天ぷらで「ごぼ天」とも言う。

ささ天  ささがきごぼうを使った天ぷら。

じゃこ天 いろんな種類の魚(雑魚)を丸ごと使った天ぷら。愛媛県八幡浜市や宇和島市の特産品。

薩摩では「さつま揚げ」とは言わない

さつま揚げの本場、鹿児島では「つけ揚げ」と言います。

江戸時代、中国から伝わったとされる琉球の揚げかまぼこ「チキアーギ」が薩摩に伝わって独自の料理になり、「チキアーギ」がなまって「つけ揚げ」になったと言われています。

沖縄では現在も「チキアーギ」・「チキアギ」と言うようです。

なぜ薩摩の「つけ揚げ」が、江戸では「さつま揚げ」と言うようになったのか。

調べたところ、江戸では「薩摩のつけ揚げ」として広まり、それが省略され「さつま揚げ」と言われるようになったとのことです。

「つけ揚げ」は、多めの砂糖と、灰地酒(あくもちざけ)という薩摩の甘い地酒を使い、甘口なのが特長。保存用に考えられたそうです。

飛竜頭(ひりょうず)=がんもどき 

さて、練り物と同じおでんの具にがんもどきがあります。飛竜頭(ひりょうず)とがんもどきは同じもの、とされています。「がんもどき」のことを西日本では「飛竜頭(ひりょうず)」、地域によって「ひろうす」「ひりゅうず」と言われているようです。

「がんもどき」は精進料理発祥のおかずとして知られています。基本、魚のすり身が入っておらず、豆腐と野菜等の具材を揚げたものです。

スーパーでは練り物コーナーではなく、豆腐コーナーに置いてあります。

がんもどきの材料である豆腐、こんにゃく、湯葉なども精進料理として重宝され、江戸時代の末頃には、こんにゃくを油で炒めたものを「がんもどき」と呼んだそうです。

元は豆腐ではなく、凍みこんにゃくで作られ、弾力があって雁の肉に似ているとの記述があるそうです。凍みこんにゃくとは、乾燥こんにゃくのこと。

いつ、凍みこんにゃくが豆腐に変わったかはわからないようです。がんもどきの材料のひとつだったようですから、保存できる凍みこんにゃくの方が手に入りやすかったのではないでしょうか。

「飛竜頭(ひりゅうず)」は「がんもどき」と同じ精進料理発祥でしたが、現在は、地域によって、主体の豆腐に魚のすり身、山芋、卵、野菜等の具を混ぜて丸めて揚げたものもあることから、練り物として扱われているようです。

和歌山のご当地練り物

さて、練り物は原料となる獲れる魚によって、日本各地に様々な種類があります。和歌山には、地元の新鮮な魚を使った特産品の練り物があります。

ほねく・ほね天 (和歌山県有田市)

和歌山県有田市の箕島漁港が面する紀伊水道は、大阪湾からの海水と黒潮がぶつかる好漁場で、太刀魚(タチウオ)が獲れます。

タチウオは白身の魚で、脂がのっています。刺身は鯛と同じぐらい美味しいですが、足が早い魚で、天ぷら・塩焼き・煮付け・ムニエルなどで頂くことが多いです。和洋中、どの料理にも合います。

小骨が多いタチウオですが、骨ごとすりつぶしたすり身で作った練り物が「ほねく」です。「ほね天」の名前でも親しまれています。

時々スーパーで見かけて買っては、トースターで焼いて、醬油をつけて食べます。

中身はこんな感じです。昔は薄くて丸が大きかったですが、最近はひとまわり小さくなり少し厚味がでたように思います。

なんば焼き (和歌山県田辺市)

なんば焼きは、エソやグチという白身の魚が原料の焼き抜きかまぼこです。江戸時代の頃より城下町田辺で作られています。

たな梅さん なんば焼き(小) 842円(税込み)

みかん船、和歌山の風景が描かれた箱に入っています。見た目ははんぺんのようですが、身はしっかりして弾力と粘りがあります。食感は板蒲鉾に近いですが、すり身は板につけず、鍋で焼いたものです。

そのまま食べても、醬油をつけても美味しいです。練り物にしては日持ちがします。

昔は紀南の方にしか売っていなかったため、白浜へ行った方からお土産に頂きました。最近は近所のスーパーでも見るようになりました。

牛蒡(ごぼう)巻き (和歌山県田辺市)

牛蒡(ごぼう)巻きは、エソやグチという白身の魚が原料の焼きかまぼこです。柔らかく茹でたごぼうに魚のすり身をつけて棒状にし、魚の皮を巻いて焼き、タレに漬け込んだものです。

1㎝ぐらいの幅に切って食べます。甘辛い味付けです。どちらかと言えばお酒のおつまみにあうような大人の味です。

たな梅さん ごぼう巻き 1058円(税込み)

なんば焼きは江戸時代、藩主が江戸への土産として、日持ちのする魚の加工品を、との要望で、作られたそうです。

殿様からのオーダーでは、さぞご苦労があったことと思います。

当時の努力の甲斐あって、現在、なんば焼きは日持ちのする練り物として知られています。

一度にたくさん魚が獲れても、保存が難しいのは今も昔も同じですね。

(参考)
・日本かまぼこ協会
https://www.nikkama.jp/info/%E3%80%8C%E6%8F%9A%E3%81%92%E3%81%8B%E3%81%BE%E3%81%BC%E3%81%93%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%91%BC%E3%81%B3%E5%90%8D%E3%81%A7%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A/#:~:text=%E6%97%A9%E9%80%9F%E3%80%81%E8%AA%BF%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%8B%E3%81%A8,%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%AE%E5%91%BC%E3%81%B3%E5%90%8D%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
・東京おでんだね https://odendane.com/oden-naming/
・たな梅 https://www.tanaume.jp/
・上野屋蒲鉾店 https://e-sutokama.com/kamaboko-type
・うちの郷土料理 じゃこ天
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/jakoten_ehime.html#:~:text=%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%83%BB%E7%94%B1%E6%9D%A5%E3%83%BB%E9%96%A2%E9%80%A3%E8%A1%8C%E4%BA%8B,%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82
・うちの郷土料理 鹿児島 つけ揚げ 
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tsukeage_kagoshima.html
・うちの郷土料理 茨城 凍みこんにゃく
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shimikonnyaku_ibaraki.html
・和食スタイル 豆腐百珍 https://washoku-style.jp/archives/8393
・にっぽん伝統食図鑑
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/bunrui/nerimono.html・
・紀文 練り物図鑑 
https://www.kibun.co.jp/knowledge/neri/basics/zukan/tsumire/index.html
・毎日新聞 毎日ことば 
https://salon.mainichi-kotoba.jp/archives/184459#:~:text=%E3%80%8A%E3%80%8C%E5%B9%B3%E3%82%89%E3%80%8D%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AF%E3%80%8C%E5%B9%B3%E3%82%89,%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B6%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
・日本豆腐協会 
http://www.tofu-as.com/tofu/history/06.html
・ニッポン放送
https://news.1242.com/article/153470

サンマとみかんの皮

皆さま、こんにちは。長かった暑さも過ぎて日の入りが早くなり、過ごしやすい季節になりました。秋の味覚を味わえる時期ですね。みかん、りんご、柿、いちじく、さつまいも、栗、そして秋刀魚。書いているだけでお腹が空いてきます。

食欲の秋に水を差しているのが近頃の物の値上り。和歌山に暮らしているとみかんの値上りはそれ程感じませんが、りんごは1個200円以上。これまでの2倍以上です。

東京近郊の友人に聞いてみたところ同様で、10月下旬時点でりんごは1個200円程度。サンマも1匹200円程度だそうです。ちなみに梨が1個480円で驚いた!と言っていました。

確かに1匹100円以内で手に入っていた頃もありましたが、200円なら手に届くお値段ですよね。

10月下旬時点で、福島県に近い三陸沖に4年ぶりにサンマが多く集まる漁場が形成されたとか。気仙沼港では近海で操業する小型船が2年ぶりに水揚げした等、嬉しいニュースも入ってきています。

全国のサンマ漁の漁師の皆さん、どうぞお気をつけて頑張って下さいね!

幸いお客様から初物のサンマを頂きました。新鮮でピーンとしたサンマで、大きさは小ぶりでもなく普通。脂がのっていてとても美味しかったです。

今のように少し肌寒くなる頃の夕暮れ時、家々に灯りがともり、ご近所からサンマを焼くいい匂いがしてくると、私は幸せを感じます。日本人でよかった!と思います。

皆さんが幸せを感じるのはどんな時でしょうか。

サンマと和歌山

実はサンマは和歌山に馴染のあるお魚です。以前ブログでご紹介しましたが、日本のサンマ漁は約300年前の江戸時代中頃、紀伊半島の東に広がる熊野灘が発祥とされています。

現在サンマの獲れる主要な産地としては北海道と三陸が有名ですが、戦前は熊野灘が全国一の生産量をあげていた頃もあったそうです。サンマは三陸沖から寒流に乗って熊野灘に南下していたのです。

熊野灘にくるまでの間、潮にもまれて身が引き締まり、脂も適度に落ちてたサンマは熊野灘側では丸干しや寿司に使われるようになりました。紀伊水道側の雑賀崎地域では干物にして和歌山城の徳川家に献上し、また、塩漬けにして江戸に送っていたことが記録として残っているとのことです。

和歌山県内のサンマ郷土料理

・サンマのなれずし

和歌山の郷土料理「なれずし」は大体サバで作られますが、県南部・熊野地方ではサンマで作られます。なれずしはお酢を使わずに発酵させたもので、サンマ寿司と呼ばれるお寿司とは別のものです。

私はサバの早なれずし(あせずしとも言います)はたまに食べますが、サンマのなれずしはまだ頂いたことがありません。

・サンマ寿司

サンマ寿司は、開いて塩漬けしたサンマを柑橘系のお酢でしめて酢飯に載せた熊野地方の郷土料理です。潮岬を境に、西牟婁郡(にしむろぐん)では腹開き、東牟婁郡(ひがしむろぐん)では背開き、と捌き方が違うそうです。

サンマ寿司は随分前に頂いたことがあります。焼いたサンマ寿司もあるそうです。

出典:農林水産省Webサイト うちの郷土料理 さんまずし(背開き) 和歌山県

 

出典:農林水産省Webサイト うちの郷土料理 さんまずし(腹開き) 和歌山県

・サンマの丸干し

サンマを塩もみし一日置いてから海岸に2~3日干したものです。サンマ寿司と一緒に熊野地方で食べられています。

・灰干しサンマ

こちらも以前ブログでご紹介しましたが、和歌山の特産に雑賀崎に灰干しサンマがあります。

干して乾燥させるのではなく、灰干しサンマはサンマを開いて塩漬けし、水分を通すセロファンで包み、高い吸湿性をもつ火山灰の中に数時間入れて余分な水分を抜き、お魚を乾燥させる特殊な製法で作られています。

材料は現在北海道産が使われているようです。臭みがなくしっとりとして旨味が凝縮されているのが特長です。ちなみに灰干しサンマ寿司もあります。

灰干しサンマ photo by Rinko Nakamura  ©Kuboseisakusyo

サンマを焼くと後片付けが・・・

サンマの話を書いているとサンマが食べたくなってきました。ところで、皆さんはお魚をどのようにして焼いていますか?

ガスコンロのグリル、魚焼き網、魚焼きグリルロースター、フライパン、オーブン等。今はいろんな焼き方がありますね。我が家は魚焼きグリルロースター使っています。

どのように焼いてもお魚を焼くとグリルや網の後片付けがやっかいです。洗剤を使っても手強い汚れの時もありますし、汚れは落ちてもお魚の臭いはなかなか取れません。

photo by Rinko Nakamura  ©Kuboseisakusyo

みかんの皮は優れもの

先日みかんを送った友人が、お魚を焼いた後の汚れや臭いはみかんの皮でグリルや網を掃除すれば取れる、と教えてくれました。みかんのある季節はみかんの皮を使い、春夏はオレンジの皮を使っているそうです。

みかんの皮

汚れた天板に水を張って網を入れ、その中にみかんの皮1個分をいくつかに千切って入れ、一緒につけおきします。

暫くつけ置きした後、皮の表側(オレンジ色)を網や汚れたところに当ててこすり洗いします。軽い汚れの時は汚れも臭いも大体落ちますが、その後洗剤をつけて普通に洗えばいいそうです。

臭いだけ気になる時は、みかんの皮をお湯でよく洗い、まず皮の表側(オレンジ)を臭みのあるところに当てて拭き、次に裏側(白)で拭いて自然に乾かせばいいとのこと。皮のカスや油分のベタつきが気になる時は、お湯に浸して固く絞った布巾で拭くとよいそうです。

確かに台所洗剤やお風呂の洗剤にはよくオレンジの成分が入っていますよね。調べてみると、柑橘類の皮にはクエン酸・リモネン・ペクチン等の成分が含まれ、お掃除によい効果がありました。複数の情報を参考にまとめてみました。

クエン酸柑橘類や酢に含まれる酸性成分で自然由来
水垢などアルカリ性に効果的
リモネン天然の油成分。油になじみやすく、油の溶解に効果があり、
界面活性剤と同じように汚れを落とすはたらきがある
ペクチン皮の白い部分や筋に多く含まれる成分で食物繊維
コーティング効果やツヤ出し効果があり、
掃除した後の状態をきれいに保つ効果がある

みかんの皮の表側(オレンジ色)の油成分リモネンが、油汚れの部分に溶け出して汚れを落とすしくみなんですね。リモネンという成分はエッセンシャルオイルでよく見かけます。成分ひとつとってみても、いろんな効果があるのですね。

次の情報が参考になりました。みかんの皮を茹でてお掃除用のみかんスプレーを作ってみようかと思いました。

いかがでしたでしょうか。皆さんのお役にたてれば幸いです。

季節の美味しいものを頂いて、毎日元気に頑張っていきましょう。そして、サンマを焼いた後のお片付けにはぜひみかんの皮を使ってみてくださいね。

 

(参考資料)
・「本場の本物」紀州雑賀崎(さいかざき)の灰干しさんま(一般社団法人 本場の本物ブランド推進機構)
https://honbamon.com/product/29-kaikazaki-hoshisanma/index.html
・紀伊のサンマ漁 (和歌山県)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071001/d00207202_d/fil/33.pdf
・さんま漁業(全国さんま棒受網漁業協同組合)
http://www.samma.jp/fishery.html
・うちの郷土料理 さんまずし(背開き・腹開き) 和歌山県(農林水産省Webサイト)
情報提供元 : 郷土料理と日本型食生活(和歌山県生活協同組合連合会)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sanma_zushi_wakayama.html
・さんまの丸干し(くまどこ)
http://www.kumadoco.net/dictionary/report.php?no=1
・みかんの皮を使った掃除の裏技6選! 油汚れ、イヤな臭いを取る方法 マイナビ子育て
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/5678
・みかんの皮を捨てる前に!ササッとできる簡単掃除のテクニック5つ
https://mrs.living.jp/k_life/article/4041607

 

寒風の恵み

寒い毎日、皆さんいかがお過ごしでしょうか。このところの寒波で北日本や日本海側を中心に大雪に見舞われ、場所によっては平年の2倍以上のだそうで、2m以上の積雪があった所もあったようですね。雪かきに追われる方々のご苦労ははかりしれません。お疲れの方も多いことでしょう。皆さんどうぞお気をつけて作業なさって下さいね。

南国と言われる和歌山ですが、高野山にはよく雪が降り積もりますし、ここ紀美野町はこのところ強風に雪の舞う厳しい寒さが続いています。
それでも近所に水仙の花がたくさん咲いているのを見かけると、よい香りに癒やされ、春の訪れが遠くないことを感じ心が温かくなります。

厳寒期の空っ風“寒風”が美味しい干物をつくる「寒風干し」

さて、外で強風にブルブル凍えている時、友人から電話で厳寒期の空っ風にお魚を干して作る干物「寒風干し」のことを聞かれました。寒風干しというと北の方ではタラやサンマが有名ですね。厳寒期に海から来る空っ風にお魚を手作業で一つ一つ干して作る干物づくりは本当に大変なお仕事だと思います。

私は食べたことがないのですが、確か炙ってお茶漬けにして頂くと美味しいとテレビで見たことがあります。友人もサンマの寒風干しを紹介しているテレビ番組を見て食べてみたくなり、ネットでリサーチ中とのこと。きっと毎年この時期を心待ちにしている根強いファンがいることでしょう。
友人の話を聞いて私もサンマの寒風干しを食べたくなってしまいました。

干物は縄文時代から食べられていた!

さて、聞いたところによると干物は縄文時代から食べられていたそうです。縄文時代の貝塚から魚や貝を干した形跡があるとか。海に囲まれた日本では、大昔からお魚を干して保存性を高めていたのですね。どんな形跡が残っているのか、一度見てみたいです。

所変われば干物も変わる?!

ところでこの干物。お住まいの地域によって身近なお魚が異なるため、普段から頂く干物もやや異なるようです。
西日本出身で東京に住む友人によると、北海道や東北出身者のお宅の普段の朝食にはホッケやニシンが登場すると言っていました。秋田出身者のお宅ではハタハタの干物を食べたりするとか。和歌山ではホッケもニシンもハタハタも普段目にしないお魚です。

ハタハタと言えば、以前ハタハタを扱うお取引先があり知ったのですが、ハタハタは魚へんに神(かみ)と書くんですよね→(ハタハタ)。
名前の由来を調べたところ、雷の古語を「ハタタ神(かみ)」といい、漢字の「鰰」の由来となっているそうです。

和歌山ではやはりアジの開きカマスの開きイワシのみりん干しサンマの開きメザシ等が一般的でしょうか。少し豪勢になると、鯛の開き灰干しサンマ、等でしょうか。

ちなみに、日本のサンマ漁の発祥の地は、江戸時代の紀州熊野と言われていますが、ここ和歌山には雑賀崎(さいかざき)灰干しサンマという特産干物があります。
一般的なお魚の開きはお魚を乾燥させて作りますが、灰干しサンマはお魚を灰と一緒に水分を通すフィルムに包み、灰にお魚の水分を吸収させて乾燥させる方法です。臭みがなくしっとりとして旨味が凝縮されていてとても美味しいです。皆さんもぜひ一度食べてみて下さいね。

私たち日本人は普段から寒風を利用して出来たものを食べている!

さて、干物の他にも、この厳寒期の風を利用した私たち日本人にとても身近な食べ物がありますよね。そうです、庶民の味方!切り干し大根です。

というのも、先日高知市内で切り干し大根づくりの最盛期を迎えているとのニュースを見ました。冬の日差しと寒風がおいしい切り干し大根を作るそうです。
竹すという置き場に白い切り干し大根を干していき、3日で重さが10分の1に、そしてパリパリのレースのようになった切り干し大根を収穫するそうです。
甘さが凝縮して美味しさが増すのでしょうね。切り干し大根の煮たのが食べたくなってしまいました。

サンマの寒風干しは手に入りませんが、今晩はコタツに入って炊きたてご飯に“寒風の恵み”である美味しい干物切り干し大根の煮物でも頂きましょうか。

寒風に、海に、大地に、降り注ぐ太陽に、山海の恵みに、育てる人たちに、漁をしてくれる人たちに、作ってくれる人たち、に感謝!です。

寒い日が続きますが、皆さん、お気をつけてお過ごし下さい。

※切り干し大根画像:無料写真素材「花ざかりの森」https://forest17.com/ 
※参考:雑学ネタ帳/魚へん漢字の由来 https://zatsuneta.com/archives/002085.html