Author Archives: kuboseisakusyo

さつまいもブームと吉宗公

皆さま、こんにちは。秋の味覚の美味しい季節になりました。先日もご近所さんから、畑で採れたさつまいもの天ぷら、焼き芋、栗ご飯を頂きました。

オーブンでじっくりと焼いたという焼き芋は、香ばしくて甘くて美味しかったです。焼き芋のよさは、甘くて美味しいことと、香ばしい香り。



スーパーやコンビニの入り口に焼き芋機が置いてありますが、辺りに焼き芋のいい香りが漂って、広告より効果がありますね。香りのマーケティングといったところでしょうか。

調べたところ、焼き芋の香ばしい香りは、加熱による糖とタンパクやアミノ酸の反応で、メイラード反応と言うそうです。

ホットケーキやクッキー、お肉やお魚の茶色い焼き色や香ばしい香りも、メイラード反応によるものだそう。

ご近所さんの話では、採れたさつまいもを天ぷらにすると甘みが足りず、焼き芋にしたところ甘くなったとのこと。食べて見ると確かにその通りでした。

同じさつまいもでも、焼き芋にするとなぜ甘くなるのか、調べて見ました。

甘味成分 麦芽糖(ばくがとう)

日本いも類研究会の「おいもQ&A」によると、焼き芋が甘くなるのは、

さつまいもを加熱するとでん粉(糖質)が糊化する 

糊化したでん粉の温度が70度前後になると消化酵素(β-アミラーゼ)がでん粉に作用

甘味成分 麦芽糖(ばくがとう)ができる

という仕組みのようです。70度前後で麦芽糖(ばくがとう)ができ、甘くて美味しい焼き芋になることがわかりました。

消化酵素(β―アミラーゼ)は75~85度以上で作用しないそうです。

だから、高温で短時間加熱の天ぷらは甘みがでず、ゆっくりと時間をかける焼き芋は甘みが強くなるわけですね。

さつまいもブーム

おかずからお菓子までいろいろな食べ方があり、老若男女に親しまれているさつまいも。ここ数年、さつまいものイベント、焼き芋専門店、さつまいもスイーツが話題になる等、さつまいもブームが続いています。

背景には、さつまいもの品種改良が進み、糖度が高まって食感もねっとりする等、いろんな種類のさつまいもが増えてきたことにあるようです。

安納芋が流行るまで、さつまいもと言えば、鳴門金時紅あずまでした。家庭では焼き芋より、手っ取り早く蒸かし芋を作っていたかと思います。

いつ頃からか、安納芋ブームがあって丸い形の安納芋がスーパーに並ぶようになり、今は紅はるかシルクスイート等、いろんな種類のさつまいもが並んでいます。

  

鳴門金時長紡錘形。果皮は紅色、果肉はクリーム色。ホクホク。上品な甘み。
ベニアズマ長紡錘形。果皮は濃赤紫色、果肉は黄色。ホクホク。上品な甘み。
安納芋丸い形。果皮は褐紅色、果肉は赤っぽいオレンジ色。加熱すると濃い黄色に。
ねっとり。強い甘み。
紅はるか長紡錘形。果皮は赤紫色、果肉は薄い黄色。ねっとり。強い甘み。
シルクスイート
紡錘形。果皮は濃い赤紫色、果肉はクリーム色。ねっとり滑らか。強い甘み。

 

さつまいものお菓子いろいろ

昔から秋になると、サツマイモや栗を使った期間限定のお菓子が出回りますね。

さつまいもの品種改良が進み、さつまいもの種類が増えたことから、近頃は「〇〇芋を使った××」等、サツマイモの種類を目玉にした商品が販売されています。

私がスーパーで見た商品は明治のきのこの山ですが、調べたところ、大手菓子メーカーのブランド菓子の商品ラインナップには、「安納芋」を使っている商品が結構ありました。

安納芋の強い甘みと水分量の多いねっとりした食感は、お菓子との組合わせがいいのかもしれませんね。

さつまいもの普及と吉宗公

さて、食料自給率が低い日本で、ほぼ国内でまかなえるのが米、さつまいも、みかんです。調べたところ令和4年のさつまいもの自給率は96%。

今日のさつまいもの普及は、江戸時代、紀伊(現在の和歌山)出身の八代将軍徳川吉宗公の働きがあったからです。

さつまいもは、1605年に中国から琉球(現在の沖縄)に伝わり、薩摩藩(現在の鹿児島)を経て九州、18世紀に全国へ広がったとされています。正式名は「甘藷(かんしょ)」。

1732年(享保17年)の「享保の大飢饉」をきっかけに、吉宗さんは、さつまいもの研究者で蘭学者の青木昆陽(かんしょ先生)が推奨する甘藷の栽培に取り組みました。

薩摩藩など、さつまいもを栽培していた地域ではほとんど餓死者がでなかったことから、吉宗さんは、痩せた土地でも栽培できるさつまいもに着目したそうです。

1735年には小石川御薬園および養生所構内、下総国馬加村(現千葉市花見川区幕張)、上総国不動堂村(現千葉県九十九里町)で、サツマイモの試験栽培に成功。

千葉、埼玉、茨城県を中心とする関東一円に普及。飢饉の際に役立つ救荒作物としてサツマイモの栽培は全国に広がったそうです。

江戸中期には、サツマイモの様々な料理方法が載った料理本『甘藷百珍』が登場。料理本の中には123品ものサツマイモ料理が紹介される等、庶民にサツマイモが拡がっていることがわかります。

江戸の焼き芋

焼き芋はかまどに「焙烙(ほうろく)」という素焼きの土鍋を置いて作られたり、後に鋳物の平鍋で作られたそうです。

焼き芋は木戸番の副業だったそうです。当時の江戸は、町の入口と出口に木戸が設けられ、木戸番が朝晩の木戸の開閉、火の番をしていたことから、副業として焼き芋を売っていたそうです。

木戸番は御用聞きの手伝いもしたそうです。木戸番小屋はテレビの時代劇でよく見ますが、焼き芋を売っている所は見たことがなかったです。

また、自身番屋は町民が町の警備をするために、江戸の各町に設けられた番所のこと。奉行所の監督下に置かれているそうです。

木戸・木戸番小屋・自身番が載っている絵がありました。

喜田川季荘 編『守貞謾稿』巻3,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2592392 (参照 2024-10-30)

江戸の甘味料

ところで、江戸の初期は砂糖が貴重だったそうです。餡も甘い餡ではなく塩餡だったとか。甘いものをどうしていたのかと思い調べたところ、黒砂糖が手に入るようになるまで、庶民の甘味料は水あめだったそうです。

テレビの時代劇を見ていると、よく飴売りが出てきますね。

水あめは、穀物や芋類に含まれるでん粉を、大麦麦芽(麦もやし)に含まれる酵素で糖化してつくる甘味料の麦芽糖。先程ご紹介した焼き芋の甘みです。ちなみに砂糖の主成分はショ糖。

粟おこしや落雁等のお菓子にも水飴が使われているようです。

江戸時代後期になって黒砂糖が使われるようになり、甘いお汁粉や饅頭が食べられるようになったそうです。

江戸時代、お米に代わる救荒作物として広まったさつまいもですが、主食、副菜、甘い物のひとつとして、庶民に愛されたことでしょう。

さつまいもご飯、芋がゆ

令和の米騒動は新米が出回り一旦は落ち着きましたが、価格が下がらないようですね。
こんな時は、さつまいもご飯はいかがでしょうか。

炊き込みご飯は私たちにとってリッチな感覚ですが、もとは少ないお米でもご飯が食べられるようにと、いろんな具を混ぜてかさ増ししたのがはじまりと言われています。

我が家は普段は茶粥ですが、たまにお米とさつまいもで白かいさん(芋がゆ)を炊きます。

さつまいもは皮をところどころ残して剥き、大きくごろっとした大きさに切ります。米から炊き、少し経ってから芋を入れます。味付けは塩だけですが、さつまいもの甘みが味わえます。

さつまいもの普及に務めた吉宗公がモデルの時代劇、『暴れん坊将軍』でも見ながら、秋の味覚、さつまいもを使った炊き込みご飯や芋がゆを頂くことにしましょう。

 

(参考資料)
・日本いも類研究会
https://www.jrt.gr.jp/q_a/spqa_yakiimo/
・サツマイモの近代現代史 財団法人イモ類振興会
https://imoshin.or.jp/wp-content/uploads/sp-modern-history-all.pdf
・農畜産業振興機構
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000274.html
・江戸食文化紀行 水あめ
https://www.kabuki-za.co.jp/syoku/2/no158.html
・日本いも類研究会 
なると金時 ベニアズマ
https://www.jrt.gr.jp/
・カネコ種苗 
シルクスイート 
https://kanekoseeds-p.jp/products/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%88-2/
・農研機構 べにはるか
https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0102/001374.html
・農林水産省 令和5年度食料自給率について 
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html
・江戸期における番屋の仕組み
https://ameblo.jp/yoshida1049/entry-11487110573.html
(画像)
・喜田川季荘 編『守貞謾稿』巻3,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2592392 (参照 2024-10-30)

東京湾に入る船の目印 鋸山(のこぎりやま)

皆さま、こんにちは。ようやく秋らしくなってきました。この夏は日本全国、まるで灼熱地獄のような暑さ、地震、南海トラフ地震臨時情報、台風、米騒動などいろいろありました。

我が家はストックのお米がありましたが、都会では何週間もスーパーにお米がない状況が続き、お米を求めてスーパーを何軒も回った人も多かったようです。

1年で最もお米の在庫が少ない時期に、地震があり、南海トラフ地震臨時情報が出され、台風があったことで、備えのために多くの方がお米を買ったことも影響したと思います。

新米が出回り、都会のスーパーにはいつ行ってもお米が並び、ようやく令和の米騒動も落ち着きを取り戻したようです。

まだ高値は続いており、5キロ3,500円~5,000円。例年より千円~三千円くらい高いようです。

さて、灼熱地獄と言えば先月スタッフが、千葉県の内房(房総半島の東京湾側)にある鋸山ロープウェイに乗って、有名な「地獄のぞき」に行ってきました。

スタッフから聞いた話と、私なりに調べたことを書いてみたいと思います。

鋸山と浦賀水道

東京湾は、貨物船やタンカーなど1日500隻もの船舶が通る、世界有数の「海上交通過密海域」として知られています。鋸山は昔から東京湾に入る船の目印となった所として有名です。

標高は約329mと高くないですが、鋸の歯のようにギザギザと切り立った崖が目印になり、名前の由来にもなったそうです。

その東京湾の入り口が浦賀水道。三浦半島(神奈川県)と房総半島(千葉県)の間の狭い海域です。

調べたところ、最少幅は約6.5㎞。6.5kmのうち、大型船舶が通航できる航路幅は1.4km。潮流も速いことから航海の難所と言われています。

船の難所 浦賀水道航路を横切る強者 東京湾フェリー

1日500隻の船が通る難所、浦賀水道航路を横切って運航しているのが、東京湾フェリー。三浦半島の久里浜と鋸山のふもと金谷の間を約40分で航行しています。

フェリーに乗ると、航行しているタンカー・コンテナ船等を間近に見ることができるそうです。東京湾に入る全ての船が通る浦賀水道では、時には大型客船や軍艦(空母や潜水艦)も見ることもできるそうです。

スタッフが展望台から撮った写真にフェリーが入っていました。以前神奈川から車で千葉に行く時に、東京湾フェリーのルートを検討したことがあります。結局その時はアクアラインを通りましたが、こんな写真を見ると乗ってみたいですね。

写真を見ても船が次から次へと東京湾に向かっています。信号機もない難所の海で、どうやってうまく横切っているのかと思います。

ところで、浦賀水道の浦賀と言えばペリーの黒船来航。嘉永6年(1853年)、ペリーが4隻の艦船でやってきて、江戸湾入り口の浦賀沖に停泊して、幕府に開国を迫りました。

なぜ浦賀沖に停泊したのかと思って調べたところ、浦賀までしか海図がなかったからだそうです。

ペリー側は停泊中に測量艇をだして、江戸湾内を細かく測量したとされています。

日本近代化の土台を作った房州石

さて、鋸山のギザギザの崖は自然にできたものだと思っていましたが、これは石材(房州石)の採石跡とのことです。

調べたところ、房州石は江戸時代後期(安政年間)に採掘が始まり、堅くて加工しやすく、耐火性に優れていることから、建築用石材やかまどや七輪などにも利用されたそうです。

石切りは男性が行い、車力(しゃりき)と呼ばれる女性が石を麓まで運んだそうです。石材は木製の台車で切り出した石を運ぶ方法(車力道)と、斜面を滑らせるように石材を運ぶ方法(桶道)があったとのことです。

そして明治時代には、東京や横浜での需要が増え、横浜港開発の際には、護岸用石材として、東京湾岸の土木建築工事に使用され、日本の近代化を土台から支えました。

現在は採掘されていませんが、皇居、靖国神社塀下、早稲田大学の石塀、横須賀軍港、港の見える丘公園の石垣など、著名な場所に使用されています。

刷毛でさっと掃いたような細かい筋模様が特徴とのことです。

鋸山ロープウェー

さて、いよいよ鋸山ロープウェーに登ります。鋸山ロープウェーは、山麓駅から海抜329mの鋸山山頂駅を結ぶ、全長680mのロープウェーです。

台風一過の青空で35度以上の酷暑。外に立っているだけで全身が焦げるような日射しに、風はあっても熱風で息苦しい程の暑さ。まさに灼熱地獄だったそうです。

山麓駅の自動販売機で切符を購入。往復1,200円(大人)。昔懐かしい厚みのある切符を見てスタッフは感激したそうです。

昔は切符と言えばこんな厚紙でした。今でも使っているところがあったとは。私も感激です。

調べたところ、厚みのある切符は「硬券」と言うそうです。鉄道会社の乗車券のスタンダードとして明治の鉄道創業期より使用され、材質はボール紙、厚みは0.7ミリ程だそうです。薄い切符は「軟券」。

改札で駅員さんに切符を切って貰って入場。駅で駅員さんに切符を切って貰うのは何十年ぶりで、スタッフはまた感激したそうです。

駅の改札で切符を切って貰ったことのない方もいらっしゃるでしょう。

以前は駅の改札を通る時に、駅員さんに切符を切って貰っていました。新幹線の中でも車掌さんが回って、切符を切って貰っていたのです。

調べたところ、千葉県では小湊鉄道さんも硬券を扱っています。養老渓谷駅など一部の有人駅で硬券を買うことができるようです。有人駅の牛久駅、里見駅で、頼むと鋏を入れてもらうことができるようです。

鉄道ファンに限らず、スタッフや私のように、硬券に懐かしさを感じる方もいらっしゃると思います。

ロープウェーで山頂へ

さて、スタッフはゴンドラに乗車。小さなゴンドラは満員。
4分の空中散歩で山頂駅に到着。階段を上って改札を出て、また階段を2階分上がると展望台です。

展望台からは東京湾が一望。正面に浦賀水道、頂上は雲に隠れて稜線だけ見えた富士山、房総の山並み、浦賀水道の向こうに横浜ランドマークタワーや東京都心が見えて、感動したそうです。

本当に素晴らしい眺めですね。私も行ってみたいです。

地獄のぞき 日本寺へ

地獄のぞきへは、山頂駅から徒歩20分程度と聞いていたそうですが、足元はデコボコした岩の坂段。一段一段注意して降りたそうですが、段差もランダムで、歩くというよりは山登り。

10分程で日本寺の入り口に到着。スタッフは疲れてぐったり。拝観料(750円)を払って日本寺の門をくぐりました。

日本寺(乾坤山日本寺 けんこんざんにほんじ)は、関東最古の勅願所。勅願所とは、天皇の命令で国家鎮護・皇室繁栄などを祈願して建てられた寺で、奈良の東大寺・薬師寺も勅願所だそうです。

10万坪余りの広大な境内には、日本最大の磨崖仏(まがいぶつ:岩壁に彫刻された仏像)の薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)、房州石を切り出したあとの崖に6年の歳月をかけて彫られた百尺観音像、江戸時代後期に27人が21年という歳月をかけて彫った東海千五百羅漢像など、数多くの見どころがあります。

中でも有名な見どころが「地獄のぞき」です。

日本寺の門をくぐると今度は石段の上り坂。段差はそれほどでもないですが、階段の奥行きが長い登り坂が続いたそうです。

山の中、陽射しはなかったものの、暑さと疲労の登り坂でスタッフはバテて、何度も休みながら歩き、ようやく地獄のぞきの入り口にたどり着きました。

地獄のぞきは、空中に岩場がせり出したような小さな展望台。スタッフは両手で柵をつかんで最も足場の悪い岩を登り、地獄をのぞいてきました。

足のすくむような所ですが、スタッフは不思議と怖くなかったそうです。

スタッフは全身汗びっしょりになり、木陰で涼みました。そしてまた長い石段を下り、日本寺を出ました。

スポーツドリンクで水分補給。ロープウェイ山頂駅に向かって、また岩の坂道を登りました。かなりキツかったそうです。ロープウェー山頂駅に戻ってきた時は、スタッフは暑さと疲労でぐったり。

ロープウェイに乗って山を降り、山麓駅にたどり着くと、スタッフは熱中症のような症状に。すぐにコンビニで塩タブレットとスポーツドリンクを買って塩分補給したそうです。

台風一過の青空で灼熱地獄のような暑さの中、スタッフは今回地獄のぞき以外の場所を見て回れませんでしたが、また過ごしやすい季節に行ってみたい、とのことでした。

ところで前日は台風でした

前日の千葉県は台風通過中。傘をさせない程の暴風雨だったそうです。車のドアを少し開けただけで、車内には横なぐりの雨が。

そこで、スタッフは車内でドノソラを着て外に出ました。

フード部分は手で押さえ、キャリーカートと他荷物を抱えて急ぎ移動しました。建物の入り口でドノソラを脱いで雨を振り払い、ほっと一息ついたそうです。

いわゆる短時間集中豪雨のようなゲリラ豪雨+強風の台風でしたが、ドノソラがあってよかった~と、しみじみ話してくれました。

怖いと感じる程の雨風の時には外へ出ないことですが、やむを得ない時は十分注意して下さいね。

昨年、千葉県の大山千枚田で撮ったドノソラの動画ですが、ご参考まで。弊社の全天候型レインウェアドノソラレインパーカがお役にたてると幸いです。

(参考資料)
・まっぷるトラベルガイド https://www.mapple.net/articles/bk/3642/
・鋸山復興プロジェクト https://nokogiriyama.jp/viewpoint/boshu-rock/
・Exciteニュース おもしろ コネタ 自動改札が主流の今でも、駅員さんに切符を切ってもらえる場所は?
https://www.excite.co.jp/news/article/E1473657430323/
・関東交通印刷株式会社 硬券とは?https://ticket-print.co.jp/about/
・千葉観光ナビ https://maruchiba.jp/spot/detail_10364.html
・平塚市博物館 https://www.hirahaku.jp/web_yomimono/geomado/sekiz19.html
・日本食文化の醬油を知る 黒船来航と開国
http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/reference-18.html
・富津市役所 登山道(2) 車力道(しゃりきみち)
https://www.city.futtsu.lg.jp/m/page/0000000317.html
・江戸湾測量 横須賀市
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2120/culture_info/french/documents/perry_yks.pdf
・鋸山 日本寺 https://www.nihonji.jp/
・鋸山ロープウェー https://www.mt-nokogiri.co.jp/pc/p010000.php

災害用SP 肩ベルト調整方法について(動画作成しました)

お客様各位

平素より弊社製品をご利用頂き、誠にありがとうございます。
この度、弊社の災害用SPを具合よく使用頂けるよう、肩ベルトの調整方法についてお知らせいたします。

災害用SPの肩ベルトは、一度バックルに取付けると固定される仕様です。
ズボンがずり下がったような感じになり、ウェアが体にフィットしない場合は、ちょうどよい股上丈になるよう、肩ベルトの長さを調整して下さい。

災害用SP 肩ベルト調整方法

1.肩ベルトをバックルの隙間から取外します。

2.ちょうどよい股上丈になるよう、肩ベルトの長さを調整し、再度バックルに取付けます。

3.もう一方の肩ベルトも、左右同じ長さになるよう調整し、再度バックルに取付けます。

ウェアを着用して、体にフィットしているか(ちょうどよい股上丈になっているか)、確認して下さい。ウェアを着用したままでの調整も可能です。

今日も東奔西走 紀美野町東西30キロ

皆さま、こんにちは。厳しい残暑が続いていますね。最近の暑さは酷暑と言った方がいいかもしれません。都会に比べると涼しいと思っていた紀美野町も、日中は都会と変わらない気温になっています。

和歌山では、8月に入ってから24日までに、35度以上の猛暑日が16日。暑さ指数が危険(31以上)の日が19日もありました。

炎天下にいると手足が焦げるようで、風はあっても熱風で息苦しく、危険を感じるような暑さです。

当然食慾も落ちますが、食慾がないからと言って塩飴や塩タブレット、スポーツドリンクや麦茶を飲むだけ、ではバテてしまいます。

こんな時にぴったりだと思うのが魚の干物。最近は健康への配慮から、塩分の多い干物を避ける傾向もあるようですが、こんな時こそ干物はいかがでしょうか。

私はサバの干物が好きですが、干物のお茶漬けは、エネルギーと水分と塩分が摂れ、喉ごしがいいです。

ご飯の上に焼いた干物のほぐし身をのせ、ネギ・青じそ・生姜・ミョウガ・梅干し・大根おろし・海苔・ごま・あられ・わさび等、お好みの薬味をのせます。塩気が足りない時は塩を少し足します。臭み消しや風味付けにお醤油を少し垂らしてもいいと思います。

我が家はほうじ茶ですが、緑茶・麦茶・ウーロン茶など、お好みのお茶でも白湯でもいいと思います。最近は冷やし茶漬け等も人気のようですが、私はやっぱり熱いお茶をたっぷりかけてさらさらと頂くのが好きです。

紀美野町消防本部さんを訪問しました!

前置きが長くなりました。先日、下佐々地域の貴志川沿いにある紀美野町消防本部さんを訪問しました。

猛暑による救急活動の現状や、救急救命士さんのお仕事、そして台風や大雨等による災害救助活動とその訓練等について、IさんとMさんにお話を伺いました。

熱中症と草刈り

6月~8月の3ヶ月、紀美野町内の熱中症による救急搬送数は11人(昨年12人)でした。取材当日も、10時までに熱中症関連の出動が2回あったそうで、1日5、6回の出動になることもあるそうです。

室内と屋外と比べると、紀美野町では屋外で熱中症になる方が圧倒的に多いことがわかりました。草刈り作業中の方が多いそうです。あと少しで終る、やってしまおう、と頑張って熱中症になるパターンが多いように思うとおっしゃっていました。

確かに夏は放っておくとあっという間に草ぼうぼうになりますね。今日は頑張ってここまでやっておこう、という気持ちはわかりますが、定期的に水分補給することが大事だとおっしゃっていました。

 

仕事場は紀美野町東西30キロ

救急活動は、指令センターから指令を受けた救急救命士さんたちが、緊急を要する人のもとへ駆けつけて応急処置(点滴、アドレナリン注射、気管挿管等)を行ない、救急車等で急病人やけが人を病院に搬送する仕事です。

救急救命士さんは、6ヶ月間の研修を経て国家試験に合格した方、指導救命士さんは、救急救命士・救急隊長として通算5年以上の実務経験のある方です。現在紀美野町消防本部では3名の指導救命士さん、他救急救命士さんが任務にあたっています。

紀美野町は、東は高野のふもと長谷宮(はせみや)から西は小畑(しょうばた)まで、東西30kmあります。大事なことは、いち早く現場にかけつけること。要請のあった方の状態を見て、どの病院を選択して搬送するかが重要だとおっしゃっていました。

点滴1本15分で終るそうですが、遠くへ出動の場合は6本積んで行く等、出先の状況に応じた対応が必要だとおっしゃっていました。

救命講習で応急手当学べます

紀美野町消防本部さんでは、救命講習を実施しています。救命講習とは、心肺蘇生やAEDの使い方、けがの手当など、応急手当を学べる講習で、救命入門コース(90分)、普通救命講習1(180分)他、レベルに応じた講習があります。

学校や企業や個人からの依頼で出張して講習も行なっており、その中で熱中症対策についても話をしているそうです。我が社も受講したいと思いました。

出典:紀美野町ホームページ/消防本部/各種講習案内(https://www.town.kimino.wakayama.jp/sagasu/shobohonbu/325.html)

地獄の訓練?!暑熱順化

また、紀美野町消防本部さんでは、消防隊員さん自身が過酷な環境で熱中症にならないよう、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」訓練を実施しています。

まず、消防服・合羽・防火服の順に重ね着します。総重量は15キロ位になるそうです。15キロの装備で20分、二人組で70~80kgの荷物を運ぶ訓練だそうです。

隊員の方にとってもかなりキツい訓練だとおっしゃっていました。話を伺っただけで苦しくなるような、過酷な訓練を日頃からなさっていることを知りました。本当にお疲れ様です。

画像提供:紀美野町消防本部さん

災害救助活動について

次に、災害救助活動について伺いました。紀美野町には高野山西麓を水源とする紀の川水系最大の支流「貴志川」と、貴志川の支流「真国川」の2つの川が流れ、これからの台風シーズンは注意が必要です。

貴志川上流

紀美野町消防本部さんでは、大雨が降った時は、河川のパトロールに出たり、防災無線で呼びかけを行なっています。

昨年6月、大雨により貴志川が氾濫し、1箇所だけでなく多発的に水害が発生しました。紀美野町消防本部さん・地元消防団の皆さん・役場の職員さんが皆で力を合わせて、災害救助・捜索・復旧活動を行なったそうです。

増水で住宅の周囲が完全に水没した状況で、住宅に孤立した住民を消防本部さんが救助。孤立した住宅へは、救命ボートを使用し、陸地からロープを展張して、そのロープを手掛かりに救助活動を行なったとのことです。

また、最近では大雨による増水で、貴志川の中州に取り残された方の救助活動を行なったとおっしゃっていました。

貴志川が氾濫した経験を踏まえ、町内に土嚢ステーションが作られたそうです。土壌ステーションは、紀美野町役場、紀美野町役場美里支所、各消防団詰所にあります。

近隣の消防署さんとの連携

ところで、川は地域をまたいでいますが、災害発生時、近隣の消防署さんとの連携について伺いました。

現在、和歌山市、海南市、那賀、紀美野町、和歌山広域消防の4消防本部が一緒になった和歌山広域消防指令センターがあり、119番通報の受付、消防車や救急車の出動指令及び無線の統制などの消防指令業務を共同で行っているとのことです。

共同で行うことで、業務の効率化や各消防本部との連携、情報共有が可能となり、市町境で発生した災害などでも素早い対応ができるようになったそうです。紀美野町消防本部さんからも2名の隊員が指令センターで勤務にあたっているそうです。

日々の訓練

地獄の訓練?!暑熱順化訓練の他、紀美野町消防本部さんでは日々様々な訓練を行なっています。その様子を写真でご紹介します。

画像提供:紀美野町消防本部さん 山中で伐採作業中、熱中症により動けなくなった人を救出する想定訓練 

 

画像提供:紀美野町消防本部さん 山林火災の想定訓練 消防車が進入できない池までの搬送訓練

この他、和歌山市、海南市、那賀、紀美野町、和歌山広域消防の4消防本部で年一回、様々な合同訓練を行なっているとのことです。

また町内では、地元消防団(15団)と、年一回放水の合同訓練を行なっているそうです。

災害用SPが現場で使用されました

さて、昨年6月の大雨による貴志川増水時、紀美野町消防本部さんが弊社の災害用SPを使用して救助活動を行ったと伺いました。災害用SPは弊社が開発した風水害の救助・復旧活動用ウェアです。

災害用SPを着用しての訓練の様子

編み上げ靴等の作業靴を履いて活動しながらも、足が濡れず・汚れず、不快なく活動できるウェア一体型防水ソックス・胸付ズボン仕様のウェアです。

救助活動を行なった隊員の皆さんに、現場で実際に使用した感想を伺いました。

お客様の声(紀美野町消防本部の皆さん)
災害現場で「災害用SP」を使用した感想

・住宅に孤立した住人の救助活動時に使用。ソックスへの浸水はなく快適。

・視認性がよかった。消防の再帰反射ネームを入れて夜間作業によかった。

・足が濡れなくてよかった。

・ウエアに全然水が染みこまず、防水性が良かった。

・ある程度厚みがあり、破れもしないで安心して作業できた。

・胸当てがあり、ある程度水位があっても作業できた。

・従来の合羽よりもベタベタしないで気持ちがよかった。

・ゴアテックスの合羽を着ているが、比べても遜色ないと思った。

・洗濯しても汚れもすぐに落ちた。

・股が下がって大きく足を開く時に違和感があった。

実際の災害現場で災害用SPがお役にたてて何よりです。貴重なご意見、心より感謝いたします。

肩ベルトの調整方法

なお、一番下のご意見から、弊社の説明が不十分だったことがわかりました。ご迷惑をおかけいたしました。ズボンがずり下がったような感じになってウェアが体にフィットしない、ということだと思います。

災害用SPの肩ベルトは、一度バックルに取付けると固定される仕様です。
ズボンがずり下がったような感じになり、ウェアが体にフィットしない場合は、ちょうどよい股上丈になるよう、肩ベルトの長さを調整して下さい。

1.肩ベルトをバックルの隙間から取外します。

2.ちょうどよい股上丈になるよう、肩ベルトの長さを調整し、再度バックルに取付けます。

3.もう一方の肩ベルトも、左右同じ長さになるよう調整し、再度バックルに取付けます。

ウェアを着用して、体にフィットしているか(ちょうどよい股上丈になっているか)、確認して下さい。ウェアを着用したままでの調整も可能です。

今回お話を伺って

紀美野町消防本部の隊員さんは交代制の24時間勤務。朝の8:30に勤務が終わります。24時間勤務明けの休日、どのように過ごしているのが伺って驚きました。

紀美野町は東西30キロ、総面積の75%が森林。救急車が通れる道幅があるか、車を停める場所はあるか等、いざという時に備え、日頃から町内のいろんな場所を見て回っているそうです。

お疲れにも関わらず、自己研鑽に励んでいらっしゃる姿には頭が下がります。

日々の厳しい訓練と努力によって救急活動・救助等消防活動が行なわれ、私たち町民の暮らしが守られていることがよくわかりました。

また、今回災害用SPを使用した貴重なご意見から、ウェアを具合よく使って頂くためには弊社の説明が不十分だったことがわかりました。

今後、災害用SPを使用して河川等で訓練実施の際は、第一線の現場で活動する皆さんのお役にたてるような、よりよい商品づくりのためにも、ぜひ見学させて頂けますと幸いです。

それからこの機会に、我が社も出張救命講習をお願いしました。社員全員で参加したいと思います。

紀美野町消防本部のIさん、Mさん、皆さん。このたびはお忙しい中、お時間を頂きありがとうございました!

体に気をつけて頑張って下さいね。応援しています。

 

参考
・熱中症予防情報サイト(環境省)
https://www.wbgt.env.go.jp/record_data.php?region=07&prefecture=65&point=65042
・過去の気象データ(気象庁)https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
・和歌山県海草郡紀美野町役場 https://www.town.kimino.wakayama.jp/
・和歌山市公式ホームページ https://www.city.wakayama.wakayama.jp/index.html

夏季休業のお知らせ

お客様各位

平素より弊社製品をご利用頂き、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、弊社では下記の期間を夏季休業とさせていただきます

休業期間中はご不便をお掛けいたしますが、
何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

【休業期間】
2024年8月10日(土)~8月15日(木)

※8月16日(金)より通常営業。

総移動距離約1,667キロ 九州・山口出張

皆さま、こんにちは。ここ和歌山はうだるような暑さが続いています。全国の週間天気予報の気温を見るとほとんどが35~38度。先日は関東各地で40度越え。思わず、ここは日本なの?!と、思いました。

世界の主要都市の気温を調べてみると、何とインドのニューデリーやタイのバンコクよりも高く、エジプトのカイロと同じレベルでした。乾燥地帯と違って日本は湿度が高い分、夜もずっと暑いところがたまりませんね。

さて暑い中、先週九州・中国方面へ出張しました。一泊二日で宮崎県延岡市・山口県下関市・佐賀県小城市のお客様を訪問しました。今回のブログはその様子をレポートいたします。

車で大阪、空路で宮崎へ

5時に和歌山県紀美野町を出発しました。目的地の大阪空港(伊丹)までは約108km。約2時間のドライブで、7時頃到着の予定です。高速に乗る前に、セブン-イレブンさんに寄って、朝ご飯のおにぎり1個(塩むすび)とお茶(おーいお茶)を買いました。

塩むすびは私のお気に入りです。セブンの塩むすびは塩がしっかりきいていると思います。

海南東インターから阪和自動車道に乗って少し走ると、お腹が空いてきました。紀の川SAの駐車場に停め、朝ご飯(塩むすび)を食べて、再び阪和自動車道に乗りました。

上之郷ICから関西空港自動車道を通って、左に関空を見ながら阪神高速4号線(湾岸線)に入りました。

天保山から阪神高速16号大阪線に入り、阿波座JCTから阪神高速1号環状線に入りました。土佐堀を過ぎ、中之島JCTから阪神高速11号池田線(空港線)に入ってしばらく走り、大阪空港で下りました。7時前に無事大阪空港(伊丹)に到着です。

2階建て立体駐車場の1Fに停め、停めた場所を忘れないように番号を確認しました。空港ビルに入るとカウンターへ行き、間違って予約した便の払い戻しの手続きをして、チェックインしました。行き先は宮崎です。

フライト直前に飛行機変更 40分遅れてテイクオフ

ANAの搭乗口に行くと、直前に飛ぶ飛行機が変更されており、出発が40分程遅れることに。ボンバルディアというプロペラ機で飛ぶ予定だったのか、ボーイング737になりました。

40分遅れての出発でしたが、無事テイクオフ。通常は70分のフライトのようです。お天気もよく、窓から下の景色がよく見えました。

通路が1つだけの小さな飛行機は、割と空いていました。機内サービスのりんごジュースを飲みながら、読みかけのミステリー小説を読んだり、窓の外を見たり、仕事のことを考えながら、あっという間のフライトでした。

途中、機長さんのいい声で「右側に高松市内、左手に室戸岬が綺麗に見えております」とのアナウンスがあり、さっそく写真を撮りました。

ANA737から見える室戸岬

宮崎到着

無事宮崎空港に着陸しました。気温は和歌山と同じくらいでした。到着口から外へ出てエレベーターを上がると、JR宮崎空港駅。駅のホームからは椰子の木が見え、南国ムードが漂っていました。

さて、次の行き先は宮崎県延岡市。長年お付き合いのあるお客様のところに伺います。宮崎空港駅始発の4両編成JR特急にちりん8号大分行きに乗り込み、10:40頃出発しました。延岡までの乗車時間は約1時間半。

JR特急にちりん

特急にちりんに乗ると、何かあったら停車駅で運転士に声をかけて下さい、とのアナウンスがありました。特急列車のワンマンカー??不思議に思いました。というのも、ワンマンカーに乗ったのは初めて。

ワンマンカーとは運転士さんだけで運行する列車やバスのこと。どなたにも馴染があるのはバスでしょうか。

運転士さん・運転手さんは定刻どおりに安全運行するだけでも大変でしょうに、乗客からものを尋ねられたり、お金のやりとり、ドアの開閉、アナウンス他、やることがたくさんあって、負担が大きいと思います。

お仕事をこなされている運転士さん・運転手さんを、心から尊敬します。

延岡市に到着

11時58分、延岡駅に到着しました。お昼に名物のチキン南蛮を食べようと、駅前食堂を覗いたところ、ちょうどお昼時で混雑していました。

諦めて、近くのセブン-イレブンさんでおにぎり(塩むすび)とグリーンスムージーを買って駅構内の待合室に座って食べました。がっつりの予定が、実に健康的なお昼に(苦笑)

冷凍庫からグリーンスムージーを一つ取り、会計して専用機にセットして1分程で出来上がりです。専用のストローをカップに入れて、蓋をしました。1/3日分の緑黄色野菜が摂れるそうです。

ケール、パイナップル他野菜が入っており、味は甘くない、野菜臭くない健康野菜ジュース系で、なかなか美味しいです。

ちなみに後日、東京近郊の友人にグリーンスムージーがなかなか美味しいと話しました。友人が近所のセブン-イレブンに行ったところ、2軒とも置いてなかったそうです。

都会にも置いてない商品があるんですね。

さて、タクシーでお客様のところに向かいました。昭和57年頃から長年お付き合いさせて頂いている山本ゴム販売さんです。出張前にお送りした和歌山の桃(川中島)を、とても喜んで下さいました。1時間半程度、お邪魔しました。

山本ゴム販売の皆様、お忙しい中お時間を頂き、ありがとうございました。久しぶりに皆さんにお会いできて嬉しかったです。今後とも宜しくお願い致します。

宮崎県延岡発 大分経由 福岡県小倉へ

タクシーで延岡駅まで移動し、3時台の特急にちりんに乗って大分に向けて出発しました。

約2時間で大分に到着。宮崎から大分を通って福岡へ入ります。すぐ向かいのホームに停まっている特急ソニックに乗り換え、福岡県北九州市の小倉に向けて出発しました。

車内では仕事をしたり、時々ミステリー小説を読みながら、うとうとしたりして過ごし、19時に今日の最終目的地である小倉駅に到着しました。延岡を出てから3時間20分。さすがに腰が痛かったです。

今夜の宿は駅直結のホテル、JR九州ステーションホテル小倉です。チェックインして部屋に入り、2、3電話を済ませ、今日の仕事は終了。

ほっとするとお腹が空いてきました。晩ご飯はどうしようかと思いながら窓を開けると、ちょうど目の前に「焼きうどん専門店」の大きな看板が。早速行って見ることにしました。

晩ご飯 小倉名物焼きうどん

ホテルから看板を目指して歩いて2、3分。「焼きうどんきつね」さんにやってきました。間口の狭いお店の中は細長いつくりで、壁側のカウンター席に座りました。

メニューを見て、女性に人気NO1の「青じそ焼きうどん」(864円)を注文しました。待っている間、店内の掲示を見て知ったのですが、小倉の焼きうどんは、ご当地グルメの一つでした。

戦後、焼きそばを作るための中華麺が手に入りにくかったため、焼きそばの代用品としてうどんの乾麺(干しうどん)を使ったことから誕生したそうです。

焼きうどんを見て驚いたのは、麺が普通の焼きうどんと違って、まるでフェットチーネ。幅が5mm、厚味が1㎜ぐらいの幅広のうどんで、噛み応えがしっかりしていました。

青じそ焼きうどん(864円) 小倉駅前 焼きうどんきつねさん

乾麺を固めに茹でることで焼き目がしっかりと付いて、香ばしくもっちりとした食感が楽しめる、と書いてありましたが、その通りでした。

味は、ややこってり系のソース味の焼きうどんでしたが、私が食べたのはたっぷり青じそ入り。さっぱりと頂けました。目の前に置いてある紅生姜を入れ、甘めの追いソースをかけ頂きました。美味しかったです。

メニューに名物のぬかだきさばがあり、食べたかったのですが、お腹に余裕がありませんでした。

ぬかみそ炊きは、イワシやサバを醤油、みりん、砂糖などを加えた煮汁で煮た後、ぬか床で炊く九州地方の郷土料理です。

出典:農林水産省Webサイト うちの郷土料理 福岡県 ぬかみそ炊き

お腹も満たされ、ホテルに戻って休みました。

翌朝、6:30~レストランでビュッフェ形式の朝食を頂きました。食前に牛乳を飲んだ後、シェフにプレーンオムレツを作って貰いました。

私のために作ってくれたオムレツ。ケチャップを少しだけつけて頂きました。とても美味しかったです。それにしてもいつも思うのは、どうしてあんなに上手に作れるんでしょうか。

いろんなお料理があったようですが、混雑していたのでゆっくり見て回れませんでした。結局、明太子、漬物、ご飯、サラダ、味噌汁、お茶をとってきて席に座りました。お茶漬けをしてささっと食べて出ました。

ホテル-トヨタレンタカー 1往復半

8時前にチェックアウトを済ませると、お客様へのお土産の結朔ジュース(「けっさく」と読みます。はっさくと夏みかん)をホテルに預け、キャリーカートを手に、歩いてホテル近くのトヨタレンタカーさんに行きました。

実は、事前にJR九州ステーションホテル小倉さんに送ったお客様へのお土産の結朔(けっさく)ジュース(1ケース12本×4ケース)を台車でトヨタレンタカーさんまで運びたかったところ、ホテルの台車が借りられず・・・。

ホテルからトヨタレンタカーさんまでは徒歩5分。レンタカーの手続きを済ませると、一旦ホテルに戻り、お土産の結朔ジュース4箱を両手に持って、トヨタレンタカーさんまで歩いて運びました。途中2度、重くて荷物を下ろしました。距離にして約1km。結構疲れました。

ちなみに、結朔(けっさく)ジュース「JOIN」は、はっさくと夏みかんの甘酸っぱいジュースです。今の季節にはぴったり。すぐに結朔(けっさく)ジュースが飲みたかったです。

結朔ジュース4箱とキャリーカートをトヨタのヤリスに積んで、今日最初の訪問先、下関へ出発です。

結朔(けっさく)ジュースJOIN(JAグループ和歌山)

関門トンネルを通って下関へ

小倉からは下道を通って関門トンネルへ向かいました。関門トンネルは有料道路。通行料(普通車160円)を払ってトンネルに入り、山口県へ渡りました。途中大雨が降ってきたので、コンビニに寄って傘を買い、9時半に下関にあるお客様のところに到着です。

長くお付き合い頂いているお客様で、船のワイヤー、救命いかだ等を取り扱っているシモセンさん。打合せ後、取扱品倉庫を見学させて頂きました。シモセンさんに声をかければ何でも揃うと言われるほど、小さい物から大きな物まで品揃えが豊富でした。

シモセンの皆様、お忙しい中お時間を頂き、ありがとうございました。久しぶりに皆さんにお会いできて嬉しかったです。今後とも宜しくお願い致します。

北九州・福岡を通って佐賀県小城市へ

次に向かうのは佐賀県小城市。下関から約2時間のドライブです。傘を買ったコンビニに寄って、昼ご飯のおにぎり1つ(ばくだんおむすび 鮭・昆布・明太子入り)とお茶(爽健美茶)を買いました。

下関ICに乗り、壇ノ浦パーキングエリアに入って写真を撮りました。あいにくのお天気でしたが、大きな橋を間近に見ると、迫力がありました。

壇ノ浦パーキングエリアから望む関門橋

さて、再び佐賀に向けて走りました。北九州、福岡を通って佐賀に入りました。目的地の小城市に向かう途中、弥生時代の遺跡で有名な吉野ヶ里を通りました。

トイレ休憩に金立(きんりゅう)SAに寄って、駐車場で昼ご飯におにぎりを食べました。その後、小城スマート出口から下道に入って15分。お客様のところへ訪問しました。

福岡空港へ

お客様のところを後にし、小城スマート入り口から高速道路に乗り、福岡空港へ向かいました。

空港そばのトヨタレンタカーに車を返却し、ほっとして空港に向かって歩いていると、後部座席にキャリーケースを忘れたことに気づきました。5分も経っていなかったと思います。慌ててお店に戻ると、借りた車はもう移動していました。

お店の方が、急ぎ戻すよう手続きしてくれました。どうなるんだろうと思いながら待合室にいると、キャリーケースが戻ってきました。ほっとしました。

キャリケースを持って空港に入りました。19:10発の便を予約していましたが、17:50発の大阪空港行きに空席があることがわかり、一本早い便に変更しました。

手荷物検査を済ませてゲートに入り、搭乗口の近くにあるお店、DEP DINERで辛子高菜ラーメンを食べました。辛子高菜がとても美味しかったです。

辛子高菜ラーメン(950円) (福岡空港 「DEP DINER」)

大阪空港へ 和歌山紀美野町へ

ボーイング787。割と空いていました。隣が空席で、ゆっくりできました。外を見ていると、珍しい形の虹に会えました。陽の当たっている虹の部分だけ、雨が降っているような感じでした。虹は最初1つだけでしたが、写真をとってるうちに2つ見えました。

機内サービスはコンソメスープを頂きました。70分の快適なフライトで大阪空港(伊丹)に着陸。

時計を見ると19時。予定より早く帰れると思いながら、駐車場に向かいました。帰りの高速は順調で、21時15分頃、紀美野町の会社に到着。

一泊二日で、宮崎県延岡市・山口県下関市・佐賀県小城市のお客様を訪問するというスケジュールでした。行きは飛行機が遅れ、帰りはキャリーケースを忘れたりと、いろいろありましたが、予定どおりこなすことができました。

今回の総移動距離は、

和歌山-大阪 (社用車) 120分 108km
大阪-宮崎 (ANA787) 70分 470km
延岡-大分 (JR特急にちりん)118分 123km
大分-小倉 (JR特急ソニック)79分 133km
小倉-下関 (トヨタレンタカー) 31分 28km
下関-佐賀県小城 (トヨタレンタカー) 120分 156km
小城-福岡空港 (トヨタレンタカー) 83分 68km 
福岡-大阪  (ANA787) 70分 470km
大阪-和歌山 (社用車) 120分 108km
徒歩分 3km

1,667kmでした。
お疲れ様でした!

 

入梅(にゅうばい)

皆さま、こんにちは。今年は平年より2週間以上も遅い梅雨入りでした。近畿地方は東海・関東と同じ6月21日の梅雨入り。暦の上では、昼の長さが最も長くなる「夏至」の日でした。過去3番目に遅い梅雨入りだそうです。

梅雨入りは「入梅(にゅうばい)」とも言います。「入梅(にゅうばい)」は暦上の表現で、6月11日頃をあらわします。「梅雨入り」は気象上の表現だそうです。

確かに「気象庁は“入梅(にゅうばい)”を発表しました」とは言いませんね。

入梅(にゅうばい)いわし

入梅(にゅうばい)と言えば「入梅いわし」が有名です。「入梅いわし」は、6月~7月の梅雨入りの時期にとれるマイワシのこと。この時期のイワシは産卵前で、1年で最も脂が乗って美味しいと言われています。お刺身が一番美味しいそうです。

日本でとれるいわしは、ニシン科のマイワシとウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシの3種類。普通「いわし」と言えばマイワシのことを言うようです。

ウルメイワシは丸干しや干物に、カタクチイワシはメザシや煮干し・アンチョビやオイルサーディンに利用されています。

少し前、出先のスーパーで、びっくりする程大きな丸々と太った大きないわしを見かけました。たぶんあれが入梅いわしだったのではないかと思います。

その後、大きないわしを探して地元のスーパーを何件か見てまわったのですが、入梅いわしどころか、イワシがいませんでした。東京近郊にいるスタッフに話したところ、和歌山と同じで、この時期にあるはずのイワシがお店にないとのこと。

関東の茨城県鹿島灘から千葉県銚子沖は、南からの黒潮と北からの親潮がぶつかり、利根川からの淡水も加わって年間を通じてプランクトンが豊富に発生する好漁場。このエリアだけで、マイワシ漁獲量全国シェアの約半数を占める、日本有数のいわしの産地として知られています。

銚子の観光協会に問合せし、ネット通販で銚子の入梅いわしを買えないか尋ねたところ、このところ入梅いわしの水揚げがない、飲食店もこの時期入梅イワシ目当てで来るお客さんに出せず、小さいイワシを使ったメニューに変更している、と言っていました。

調べたところ、2024年6月21日付で「千葉・銚子市の「入梅イワシ」ピンチ 水揚げは2021年の1割以下の1600トン 関東甲信の史上2番目に遅い梅雨入りが影響か」、との記事がでていました(FNNプライムオンライン)。

記事によると、入梅いわし不漁の原因は、
・梅雨入りの大幅な遅れによって水温が上がって、冷たい水温を好むマイワシが入ってこれない。
・梅雨入りが遅れたため(雨が降らず)、陸地の栄養が川などを通じて海に流れ込みプランクトンが少なくなっている。

それで入梅いわしは不漁、小ぶりないわししか獲れない状況のようです。

庶民の味方 いわし

小ぶりないわしも大きないわしも、いわしは庶民の味方。日本で一番獲れるお魚です。

令和4年の海面漁業魚種別漁獲量は295万992t。そのうち22%がマイワシです。漁獲量の多い上位5種は以下のとおり。

第1位 まいわし 64万1,797t
第2位 ほたてがい 34万40t
第3位 さば類 31万9,744t
第4位 かつお 19万659t
第5位 すけとうだら 16万428t

さばは「さば類」とまとめられていましたが、いわしは種類別にカウントされていました。マイワシだけで22%。カタクチイワシは12万3241t。ウルメイワシは6万4257t。あわせると、全体の28.1%が「いわし」です。

クセのないいわしは、塩焼き、梅煮、生姜煮、蒲焼、フライ、天ぷら、つみれ、刺身等、どんなお料理にしても美味しいですね。皆さんは、どれがお好きですか?ちなみに、私は梅煮が好きです。

入梅いわしを探していたところ、スタッフが「真いわし酢〆」という商品をゲットしてきました。銚子港水揚げの脂乗りのよいイワシを使っていると書いてあり、たぶん入梅いわしだと思います。

酢じめにすると、身が締まって少し縮むと思いますが、それでもかなり大きかったようです。1枚でお寿司2個分とれたようです。本当に大きいですね。見た目はお刺身のようですが、お酢がしっかり効いていたそうです。

お刺身だけは新鮮なイワシがないと食べられません。脂ののった入梅いわしのお刺身、ぜひ食べてみたいです。

いわしの缶詰

マルハニチロさんが2020年に行なった調査によると、いわしは「缶詰で食べたい魚」の第3位(13.9%)でした。ちなみに1位はサバ(39.6%)、2位はサンマ(21%)でした。
※マルハニチロ インターネット調査「魚食に関する調査2020年」全国の20~59歳の男女有効回答サンプル数1000名

その頃はサバブームでしたね。不漁が続いて価格が高騰したサンマに代わって缶詰生産されるようになった頃かと思います。昨年あたりからサバが不漁で、サバ缶の原料が不足し、価格が高騰しているとの記事も目にしました。

ピンチのサバに代わって、いわしが期待されているようです。

スーパーに行ってみたところ、蒲焼・水煮・味噌煮・醤油味・レモンスープ味・トマト煮・油漬・オイルサーディンなどがありました。

味漬けもしっかりして、日常のおかずや保存食として、そのまま食べることができるのが缶詰のいいところですが、水煮もよく使われているようです。

サバ缶ブームの影響もあるのか、ネット上にはいわしの水煮缶のレシピがたくさんありました。パスタ、炊き込みご飯、カレー、ポテトサラダ、ハンバーグ、具だくさんスープ、つみれ汁など。

いろんなレシピを見たところ、ツナ缶と同じような使い方をしながら、ツナよりボリュームのあるおかずになっているようです。

料理好きのスタッフが、いわしの水煮缶を使ってスパゲッティを作ったところ、なかなか美味しかったそうです。

一口に水煮缶と言っても、塩味等のついているものとついてないものがあり、味見してから料理した方がいいと言っていました。

魚の缶詰と言えば、私は「さんまの蒲焼」が定番でしたが、今は本当にいろんな味付けがありますね。炊飯器にいわしの水煮缶と具材を入れて簡単にできる、炊き込みご飯でも作ってみたいと思います。

梅雨の言葉

さて、梅雨入り・入梅いわし以外に、梅雨時に使う言葉を探してみました。昔からそのようなシチュエーションがあったから、言葉が生まれたということですね。

梅雨籠り(つゆごもり) 梅雨の時期、雨のために外出できず、家の中に籠ること。

梅雨寒(つゆざむ) 梅雨どきに気温が低くなり、肌寒さを覚えること。

梅雨曇り(つゆぐもり) 晩春から夏にかけて現れる暗い曇り空のこと。

梅雨流し(つゆながし) 梅雨が長引き、明けないこと。

雨間(あまま・あめま・あまあい) 続く雨の晴れ間のこと。

梅雨の雨

「○○梅雨」という雨の呼び名がいくつあるか調べて見ました。複数の情報を参考に、私なりにまとめました。知っているのは菜種梅雨ぐらいでした。

菜種梅雨(なたねづゆ) 菜の花が咲く時期に降り続く雨の呼び名。

青梅雨(あおつゆ) 木々の青葉をより鮮やかに、色を濃くして降る雨。

迎え梅雨(むかえづゆ) 梅雨を迎えるように降る雨。走り梅雨と同意語。

走り梅雨(はしりつゆ) 梅雨入り前に現れる梅雨に似た雨。

暴れ梅雨(あばれづゆ) 昼夜を問わず、雷を伴って降り続く集中豪雨。梅雨の後期に多い。

荒梅雨(あらつゆ・あれつゆ) 梅雨の後期にみられる災害をもたらすほどの大雨。

送り梅雨(おくりづゆ) 梅雨明けの頃に雷を伴って降る強い雨。これが上がると梅雨も終わり、夏がやってくるといわれている。

返り梅雨(かえりづゆ) 梅雨が明けてから、また2、3日降り続く雨。

戻り梅雨(もどりづゆ) 梅雨明けした後に、しばらくして再び梅雨前線の南下により 梅雨模様になる事。

空梅雨(からつゆ) 雨が少ない梅雨。

旱梅雨(ひでりつゆ) 雨が少ない梅雨。空梅雨と同意語。

男梅雨(おとこづゆ) 激しく降って、サッとやむことを繰り返す雨。

女梅雨(おんなづゆ) シトシト長く降り続く型の梅雨。

参考
・tenki.jp (日本気象協会)  https://tenki.jp/
・NHK文化放送研究所
・hibiyakadan.com
・J-stage 海面漁業生産統計調査 令和4年漁業・養殖業生産統計2022年 大海区都道府県振興局別統計 魚種別漁獲量
・Yahooニュース(FNNプライムオンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a58223ee12fa0e1118a44af7427b311c4bf3e941?page=1
・銚子観光協会 https://www.choshikanko.com/
・Discover Japan 《美味しい魚図鑑》 Vol.9 イワシ https://discoverjapan-web.com/article/82814
・『雨を、読む。』著/佐々木まなび 芸術新聞社
・exciteニュース
https://www.excite.co.jp/news/article/Japaaan_58717/
・レインスタイル
https://www.rainwear.jp/user_data/raindrops.php

和歌山の鮎(あゆ)

皆さま、こんにちは。段々と気温が上がって蒸し暑くなってきました。先日も初夏のような陽気に見舞われ、そうめんが食べたくなりました。

そうめんと言えば、最近はもっぱら市販のめんつゆの我が家ですが、昔は叔父が作った「干し鮎(あゆ)」で出汁を取っていました。

叔父が釣ってきたのか、釣ってきた人に頂いたのかわかりませんが、たくさんの鮎を串に刺して焼いた後、筒状に束ねた藁に串ごと刺し、干していました。

紀美野町には、高野山西麓を水源とする紀の川水系最大の支流「貴志川」と、貴志川の支流「真国川」が流れています。2つの川では昔から鮎やあまごが獲れます。

5月末現在あまご釣りは解禁され、鮎釣りは6月解禁となっており、秋頃まで楽しむことができます。県内外の川へ鮎釣りに行く“釣りキチ”の従兄弟に、「鮎釣り」について聞いてみました。

鮎(あゆ)はエサで釣れない

鮎 画像提供:久保博規氏

一般的に釣りはミミズ等のエサやルアーで釣りますが、鮎はエサで釣れない特殊な魚。というのも、鮎のエサは川底の石につくコケ。そこで、鮎釣りには本物の鮎をおとりに使う、「友釣り」という方法がとられているとのことです。

鮎は自分のなわばり(エサ場)に浸入してきた他の鮎を攻撃するそうです。この習性を利用したのが「友釣り」です。

まず、釣りたい川を管轄する漁協で遊漁券を購入します。従兄弟の場合、よく行く川は年間の遊漁券(年券)を、それ以外の川では1日券(日券)を購入しているそうです。年券を持っていると、各漁協の定めた期間内に何度でも鮎釣りを楽しむことができます。

次におとりの鮎を釣りたい川を管轄する漁協、釣具店、オトリ屋さん等で購入します。おとりの鮎を売っているからオトリ屋さんなんですね。

鮎(あゆ)の友釣り

おとりの鮎の鼻の穴に金属の環「鼻環(はなかん)」を通します。鼻カンに「鼻カン周り」という針のついた仕掛けを繋げ、おとりの鮎を泳がせます。

そして、おとりの鮎に攻撃してくる鮎を、9メートルほどの長さの釣りざおをあやつりながら針にかけて釣ります。釣った鮎は次のおとりとして使うのだそうです。

鮎釣り(日高川) 画像提供:久保博規氏

鮎(あゆ)釣りグッズ

鮎釣りに必要な道具をまとめました。

おとり缶鮎を購入して運ぶ時や釣った鮎を活かして運ぶ時に使用する
引き船釣った鮎を入れておくもの
鮎タイツウエットとドライがありシーズンによって使い分ける
鮎タビフェルト底で川の中の苔の付いた石でも滑りにくい
帽子熱中症予防や安全対策
偏光グラス水面の乱反射をおさえて川の中が見やすい
ベスト釣り道具一式を入れておく
鮎ベルト引き舟のロープを付けたり、タモをさしたりする
鮎タモ釣った鮎を受ける時に使用する(カヤの木の枝を使い枠を円形に曲げて接続し柄には鹿角。
漆を塗り重ねて作った従兄弟の手製)

鮎釣り道具 画像提供:久保博規氏

よく釣り人の近くに浮かんでいる小さなボートみたいなものは「引き船」と言って、釣った鮎を入れておくものだったんですね。ちなみに1匹目が釣れたら、最初おとりにした鮎は引き船に入れるそうです。

鮎(あゆ)釣り こんな時は?

鮎釣りについて段々わかってくると、新たに疑問がでてきました。そこで和歌山県内水面漁業協同組合連合会さんに電話して聞いてみました。

Q:遊漁券の必要ない魚(例:ヌマムツ・カワムツ・オイカワ等)は自由に獲ってもいいの?
-基本遊漁券を購入しなくてよい魚は自由に釣ってよいことになっていますが、事前に釣りたい川を管轄する漁協さんに確認して下さい。

Q:鮎の遊漁券(日券)を買って釣りをしたところ、アマゴが釣れた。どうすればいいの?
-川へリリースして下さい。

Q:鮎ルアー(疑似餌)釣りはできるの?
-鮎釣りは基本「友釣り」ですが、川によっては一部区間限定で可能な場所もあります。釣りたい川の管轄漁協に確認して下さい。
例:※アユルアー:貴志川(紀の川市貴志川町国主の諸井堰から真国川との合流点上流端まで)(禁漁区を除く)、真国川全域(禁漁区を除く)

小魚等エサを食べるような魚はルアーでよく釣れますが、エサがコケの鮎のルアー釣りはなかなか難しいです。ちなみにあまごはルアーでよく釣れます。

Q:鮎のお刺身は食べれるの?
-天然の鮎のような淡水魚には寄生虫がいることがあり、基本生食はしません。釣った鮎を焼いて食べる場合も、生焼けでないかしっかり確認しましょう。

なるほど、とてもよくわかりました。福地さん、この度は突然の問合せにもかかわらず、いろいろとわかりやすく教えて下さり、ありがとうございました!

和歌山県内水面漁業協同組合連合会では、和歌山県内の河川の釣果情報やふれあい投稿で情報共有ができる等、ホームページで様々な取り組みを行なっています。

今年は既に申込でいっぱいだそうですが、初心者向けの無料の講習もあります。希望すればガイドさんもいます。鮎釣り道具も無料レンタルしているとのことです。

鮎釣りやあまご釣りに興味のある方は問合せしてみて下さいね。

鮎の国わかやま「入れ掛かり」総合案内所(和歌山県内水面漁業協同組合連合会)

干し鮎(あゆ)

さて、和歌山県ふるさとアーカイブによると、県内の日高川町(船津)、田辺市(龍神小家)、すさみ町(佐本)エリアでは、干した鮎でお雑煮の出汁をとっていたそうです。

調べたところ、昔から鮎を干し、だしをとって夏にそうめんにして食べ、お正月には干し鮎から出汁をとった雑煮を食べる文化は県外にもありました。

川の幸に恵まれた土地柄、内陸部等では川魚は貴重なたんぱく源として重宝され、あゆが獲れる時期に干し鮎などを作って保存していたと思われます。

呼び方も、干し鮎・焼き鮎・焼き干し鮎・あぶり鮎・一夜干し等いろんな呼び方がありました。

紀美野町周辺では干し鮎の取り扱いが見当たらず・・・。スタッフが隣の有田川町、熊野地方への玄関口にある道の駅「しらまの里」に問合せたところ、干し鮎を販売していることがわかりました。

早速、あぶり鮎(500円/1袋2匹入り)を2袋購入。袋の表示を見ると、天然のあゆで日高川産でした。

ちなみに日高川は清流として知られていますが、長さが115キロメートルもある、日本一長い二級河川だそうです。

料理好きのスタッフが、あぶり鮎を使って自宅でそうめんの出汁をとってみました。出汁の取り方はいりこと同じ要領。

さて、そうめん出汁の感想です。川魚特有の臭みがあるものの、味はコクがあって美味しかったそうです。

スタッフの家族は臭いが気になって、生姜をたっぷり入れ、何とか食べられたとのことです。出汁がなかなかでないため、若干火にかけすぎたのかもしれないと言っていました。

出汁をとった後の鮎の身は小骨を取り、醬油・砂糖・生姜で味付けしてご飯に混ぜて食べたそうです。

養殖鮎(あゆ)の生産量 全国第3位

紀の川から熊野川まで豊かな清流に恵まれた和歌山。放流された鮎・天然の鮎やあまごがとれるだけでなく、鮎の養殖もさかんです。

紀の川・有田川・日高川・富田川地区で、ブランド鮎など、それぞれこだわりの鮎が育てられています。養殖の鮎の生産量はかつては全国第一位を保っていましたが、現在は第3位となっています。

全国 3683t
第1位 愛知県  1057t
第2位 岐阜県   861t
第3位 和歌山県  591t
第4位 栃木県   299t
第5位 滋賀県   259t

出典:政府統計の総合窓口 令和4年漁業・養殖業生産統計 内水面養殖業収獲量(全国・都道府県別)魚種別収獲量 あゆ

郷土料理 鮎(あゆ)寿司とじゃこ寿司

鮎寿し(1,250円) 力寿しさん(紀の川市粉河)

紀の川市の粉河寺近くにある寿司店「力寿し」さんの名物「鮎寿し」を買ってきました。力寿しさんでは、紀の川市流域で養殖された鮎を、一昼夜かけてふっくらと炊きあげているそうです。

鮎寿し(1,250円) 力寿しさん(紀の川市粉河)

甘辛くしっかりした味付けですが、上品です。小骨を処理しているのでしょうか。柔らかくて美味しかったです。

鮎寿司に続いて、紀の川市桃山町にある「じゅげむさん」の「じゃこ寿司」を買ってきました。紀の川では鮎の他、小魚のじゃこ(川魚「オイカワ」)も豊富に獲れたことから、昔から親しまれている郷土料理です。

じゃこ寿司 (750円) じゅげむさん(紀の川市桃山町)

母方の出身の貴志川町辺りでは、お祭りの時には鍋に竹の皮を敷いて、貴志川で獲れたじゃこを甘辛く煮て、にぎり寿司や押し寿司にして食べたそうです。

その影響で、私も子供の頃からじゃこ寿司を食べています。じゃこ寿司は、じゃこを素焼きにして干し、甘辛く煮付けたじゃこをお寿司にしたものです。

小魚なので骨は感じますが、力強い味で、あんなに小さな魚を開きにしているのにはいつも感心します。

今回は鮎釣り・干し鮎・養殖鮎・鮎寿司とじゃこ寿司と、和歌山の鮎について追いかけてみました。

川の恵みと、川の恵みを大切にしながら伝統の食文化を守っている人々に、心から感謝です。

(参考)
・鮎の国わかやま「入れ掛かり」総合案内所(和歌山県内水面漁業協同組合連合会)
https://naisuimen.com/
・和歌山県ふるさとアーカイブ
https://wave.pref.wakayama.lg.jp/bunka-archive/syokubunka/index.html
・政府統計の総合窓口 令和4年漁業・養殖業生産統計 調査2022年内水面養殖業収獲量(全国・都道府県別)魚種別収獲量 あゆ
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500216&tstat=000001015174&cycle=7&year=20220&month=0&tclass1=000001015175&tclass2=000001214760&tclass3val=0
有田川町 (道の駅)しらまの里
https://www.town.aridagawa.lg.jp/top/index.html
・紀の川観光協会 力寿し
https://www.kanko-kinokawa.jp/marchais/3036/

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平素より弊社製品をご利用頂き、誠にありがとうございます。
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以上

和歌山発祥 鰹(かつお)と醬油(しょうゆ)

皆さま、こんにちは。初鰹の美味しい季節ですね。先日、スーパーで和歌山のケンケン鰹を見つけました。さっぱりしてもちもちでとても美味しかったです。

和歌山では昔からカツオ漁が盛んです。特に県南部の串本町やすさみ町では、3月から5月にかけて、黒潮に乗って北上するカツオを疑似餌や潜航版を使っての一本釣り「ケンケン漁」が盛んです。

ケンケン漁によって獲られたカツオは、ケンケン鰹と言われているようです。

中でも、すさみ町の『すさみケンケン鰹』、串本の『しょらさん鰹』は、和歌山の2大カツオブランドとして有名です。どちらも一本一本釣り上げられ、その場で活け〆め・氷温保存されるため、新鮮さが特長です。

カツオ漁・鰹(かつお)節発祥の地 和歌山

実は和歌山県はカツオ漁・鰹(かつお)節の発祥の地。その技術を江戸時代に紀州漁民が各地に伝えたことで、全国にカツオ漁と鰹節産業が広がったそうです。

以前スタッフが千葉県館山市の「渚の博物館」を見学した際、「江戸時代(延宝2年、1674年)、紀州から房総地方に鰹節製造の燻乾法(くんかんほう)が伝えられた」と、展示されていました。

千葉県館山市の「渚の博物館」は、重要有形民俗文化財の「房総半島の漁撈用具」(漁業のさまざまな場面で使用されてきた用具類のこと)の貴重な展示があり、房総の漁業や文化を学べる博物館です。

そう言えば千葉と和歌山はよく似ていますね。それぞれ太平洋に面した大きな半島、房総半島・紀伊半島に位置し、カツオが獲れます。「勝浦」「白浜」「江見」等同じ地名もあります。

和歌山には「なめ味噌(金山寺味噌)」、千葉には獲れたてアジを味噌と一緒に細かく刻み叩いた「なめろう」という料理があります。

そして和歌山には南紀白浜アドベンチャーワールド、千葉には鴨川シーワールドがあります。縁を感じますね。

江戸で人気の初鰹の調達

さて、江戸時代に紀州から全国に伝わったカツオ漁ですが、江戸では初鰹が人気だったことはよく知られています。当時、相模湾で獲れた鰹は、押送船(おしおくりぶね)と呼ばれる人力の小型高速船で江戸に運ばれました。

広重『名所江戸百景 日本橋雪晴』,安政3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1303205 (参照 2024-04-28)

押送船(おしおくりぶね)は約10mの船体に3つの帆と漕ぎ手8人が全力で櫓を動かすため、速く動けたとのことです。上の絵にも3艘の押送船(おしおくりぶね)が描かれています。

新鮮な初鰹を手に入れるため、海上の押送船(おしおくりぶね)まで船で押しかけて、カツオを取りに行くこともあったそうです。

魚屋の持ってくるのを待てば品が劣るとして、品川沖から船を出しておく。(現在の神奈川県)三浦三崎から鰹を積んでくる押送船を見かけて、金一両を投げ込めば、船頭は合点して、鰹魚一尾をさし出す。それを受け取って、櫓(ろ)を飛して帰る。これを名付けて真の初鰹食いという。
冨岡一成 著『江戸前魚食大全』
一般社団法人 大日本水産会 魚食普及推進センター 初ガツオは江戸時代から大人気の料理! 浮世絵から学ぶ楽しみ方


当時、カツオは辛子醬油、辛子みそ、大根おろしで食べられていたようです。人気の初鰹に対して、脂ののった戻り鰹は傷みやすく、流通と保存の問題から敬遠されたそうです。

「戻り鰹」は鰹節にも加工しにくく、塩漬けにして干したものを「塩かつお」として食されたそうです。江戸の節約おかず番付として知られる『日々徳用倹約料理角力取組』にも「塩かつお」が掲載されていました。今は西伊豆の郷土料理として親しまれています。

塩気が強いためお茶漬にすると美味しいそうです。

醬油と地域性

ところで、皆さんはお刺身にはどんなお醤油を使っていますか。
新鮮なお刺身を美味しく食べるには、お醬油の役割は大きいと思います。
一口にお醤油といっても、いろんなお醤油がありますね。

和歌山と同じくカツオで有名な鹿児島の枕崎では、甘口のお醤油が好まれているそうです。

以前九州の鹿児島・宮崎に出張してお刺身を食べた時、お醤油がもったりして濃く、とても甘かったのを覚えています。

また、愛媛に出張してお刺身を食べた時も、九州ほどではなかったですが、甘いお醬油が使われていました。調べたところ北陸地方も甘いお醤油が主流だそうです。

また、北海道では昆布醬油と言われる醬油加工品が主流だそうです。

醬油の種類と製法

醬油は日本農林規格(JAS)によって、こいくち・うすくち・たまり・さいしこみ・しろしょうゆの5つに分類されていました。しょうゆ情報センターによると、日本のしょうゆ生産量の8割以上が濃口(こいくち)醬油とのことです。

我が家でも料理からお刺身まで何にでも濃口醬油を使っています。全国で生産・消費されている一般的なお醤油ですが、地域によって違いがありますね。

淡口(うすくち)醬油の生産量は13%。これほど少ないとは意外でした。淡口(うすくち)醬油は関西では馴染のあるお醤油で、おうどんの出汁を作る時に利用されています。

そう言えば淡口醬油は「薄口」とは書かず「淡口」と書きます。しょうゆ情報センターのサイトにその理由が載っていました。

A うす口しょうゆは「薄口」それとも「淡口」?

Q しょうゆの場合は「淡口」と書くのが一般的です。「薄口」と記述すると「濃口」しょうゆよりも「味が薄い、塩分が薄い」しょうゆという誤解を与えかねないため、しょうゆ業界では古くから「淡口」を使用しています。うすくちしょうゆの本来の特徴の一つである「色が淡い(あわい)」ということから「淡」という文字を使います。
しょうゆ情報センター

たまり醬油は一般的には「さしみ醬油」とも言います。ただ、さしみ醤油の定義はないそうで、商品名に「さしみ醤油」と書かれていても、JASの分類では「こいくち醬油」だったりします。

醬油を買う前には、裏のラベルを確認しましょう。

醬油の製法

調べたところ、しょうゆは「本醸造」・「混合醸造」・「混合」の3つの製法が規定されていました。これらは商品ラベルの名称部分に「こいくちしょうゆ(本醸造)」のように記載されています。

本醸造江戸時代から続くシンプルな造り関東のこいくち醬油
混合醸造諸味(もろみ)にアミノ酸液を加えて醸造して馴染ませる九州や北陸地方の甘い醬油
混合搾った醬油にアミノ酸を加えてブレント九州や北陸地方の甘い醬油

関東のこいくち醤油は「本醸造」。九州や北陸地方の甘い醤油は「混合」・「混合醸造」が多いようです。

ちなみにアミノ酸液は大豆などの穀物を分解させたうま味成分を凝縮した液体だそうです。アミノ酸に甘みはついていないことから、甘草・ステビア・サッカリンなどの甘味料を加えるそうです。

日本醬油発祥の地 和歌山県湯浅

現在日本を代表する醬油メーカーは関東に集まっています。実は醬油発祥の地は和歌山の湯浅です。

紀美野町から車で約30分の所にある、天保12年(1841年)創業、湯浅で唯一の手づくり醬油の醸造蔵、株式会社角長さんの醬油資料館・職人蔵へ見学に行ってきました。

湯浅は、石積みの堀、堀に沿って建ち並ぶ醤油蔵、白壁の土蔵、繊細な格子(こうし)の町家など、昔ながらの町並みが残り風情があります。

醬油のもとは金山寺味噌

今から約800年前(1228年)の鎌倉時代、由良の禅寺「興国寺」の僧覚心さんが、宋(現中国)に行き、径山寺(きんざんじ)から径山寺味噌(金山寺味噌)の製法を習ってきたことが、醬油づくりのきっかけでした。

金山寺味噌が醬油とどう繋がるのか。

金山寺味噌は、米・大麦・大豆の穀物に麹菌をつけて、瓜・ナス・生姜・しそ等の夏野菜を漬け込んで作る、食べるおかず味噌です。我が家では毎朝茶粥と頂きます。

館内のビデオによると、当時、金山寺味噌を造ったところ、樽底に汁(野菜の水分等)が沈殿し、その汁が調味料としてよい味とわかったそうです。その汁が醬油の原型となり、その汁を取るためにわざわざ金山寺味噌を作るようになったそうです。

その汁を調味料として改良したのが醬油。湯浅で醬油が醸造されるようになったのは、湯浅の水がよかったそうです。

室町・安土桃山時代になると、湯浅の醬油は船に乗せ、出荷されるようになりました。
江戸時代には、上方から大量のしょうゆが江戸に送られていた記録が残っています。

湯浅醬油も江戸で販売することになり、銚子で醸造を開始。醬油作りの技術が関東、そして日本各地に拡がっていきました。

そして江戸時代中期(1700年代)以降、江戸の人々の嗜好に合わせて、関東風の濃口しょうゆが生産されるようになりました。

江戸の最盛期、湯浅に醬油屋さんは92件あったそうですが、現在は数軒になっているそうです。角長さんでは湯浅醤油の伝統「湯浅たまり」の製造手法を守って、醬油づくりを続けているとのことです。

湯浅醬油 (株)角長さん 左から 「匠」・「濁り醤」・「手づくり醤油」

湯浅醬油が江戸・日本の食文化を支えた

さて、醬油と言えば「まぐろの漬け」は江戸時代に誕生したそうです。まぐろは傷みやすくて扱いが難しく、下魚とされ、人気がなかったそうです。

まぐろが下魚とは意外ですが。

それを変えたのが醬油。江戸時代に醬油の醸造が本格化し、傷みを防ぐまぐろの「醬油漬け」が考えられたそうです。

魚の臭いや傷みを防ぎ、保存性を高め、貴重な味付け調味料として、江戸庶民の食と江戸・ニッポンの食文化を支えました。

湯浅から日本各地へ拡がった醬油は、海を越え「ソイソース」として世界各地の食卓で親しまれています。醬油づくりに関わってきた人々に感謝です。

(参考)
・すさみケンケン鰹(プレミア和歌山) https://premier-wakayama.jp/items/316/
・しょらさん鰹(プレミア和歌山)  https://premier-wakayama.jp/items/176/
・串本ポータルサイト https://www.kushimoto.jp/gourme/index.html
・魚食普及推進センターhttps://osakana.suisankai.or.jp/s-other/9899
・北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/874278/
・しょうゆ情報センター https://www.soysauce.or.jp/knowledge
・日本文化の醬油を知る http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/reference-17d.html
・(株)枕崎市かつお公社  https://katuo-shop.jp/products/detail/95
・キッコーマン https://www.kikkoman.co.jp/enjoys/soysaucemuseum/history.html
・湯浅町役場 https://www.town.yuasa.wakayama.jp/soshiki/4/3319.html
・湯浅醬油(株)角長 http://www.kadocho.co.jp/index.htm
・醬油職人 https://www.s-shoyu.com/knowledge/0312
・(株)導水https://www.dohsui.co.jp/column/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA/