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和歌山発祥 鰹(かつお)と醬油(しょうゆ)

皆さま、こんにちは。初鰹の美味しい季節ですね。先日、スーパーで和歌山のケンケン鰹を見つけました。さっぱりしてもちもちでとても美味しかったです。

和歌山では昔からカツオ漁が盛んです。特に県南部の串本町やすさみ町では、3月から5月にかけて、黒潮に乗って北上するカツオを疑似餌や潜航版を使っての一本釣り「ケンケン漁」が盛んです。

ケンケン漁によって獲られたカツオは、ケンケン鰹と言われているようです。

中でも、すさみ町の『すさみケンケン鰹』、串本の『しょらさん鰹』は、和歌山の2大カツオブランドとして有名です。どちらも一本一本釣り上げられ、その場で活け〆め・氷温保存されるため、新鮮さが特長です。

カツオ漁・鰹(かつお)節発祥の地 和歌山

実は和歌山県はカツオ漁・鰹(かつお)節の発祥の地。その技術を江戸時代に紀州漁民が各地に伝えたことで、全国にカツオ漁と鰹節産業が広がったそうです。

以前スタッフが千葉県館山市の「渚の博物館」を見学した際、「江戸時代(延宝2年、1674年)、紀州から房総地方に鰹節製造の燻乾法(くんかんほう)が伝えられた」と、展示されていました。

千葉県館山市の「渚の博物館」は、重要有形民俗文化財の「房総半島の漁撈用具」(漁業のさまざまな場面で使用されてきた用具類のこと)の貴重な展示があり、房総の漁業や文化を学べる博物館です。

そう言えば千葉と和歌山はよく似ていますね。それぞれ太平洋に面した大きな半島、房総半島・紀伊半島に位置し、カツオが獲れます。「勝浦」「白浜」「江見」等同じ地名もあります。

和歌山には「なめ味噌(金山寺味噌)」、千葉には獲れたてアジを味噌と一緒に細かく刻み叩いた「なめろう」という料理があります。

そして和歌山には南紀白浜アドベンチャーワールド、千葉には鴨川シーワールドがあります。縁を感じますね。

江戸で人気の初鰹の調達

さて、江戸時代に紀州から全国に伝わったカツオ漁ですが、江戸では初鰹が人気だったことはよく知られています。当時、相模湾で獲れた鰹は、押送船(おしおくりぶね)と呼ばれる人力の小型高速船で江戸に運ばれました。

広重『名所江戸百景 日本橋雪晴』,安政3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1303205 (参照 2024-04-28)

押送船(おしおくりぶね)は約10mの船体に3つの帆と漕ぎ手8人が全力で櫓を動かすため、速く動けたとのことです。上の絵にも3艘の押送船(おしおくりぶね)が描かれています。

新鮮な初鰹を手に入れるため、海上の押送船(おしおくりぶね)まで船で押しかけて、カツオを取りに行くこともあったそうです。

魚屋の持ってくるのを待てば品が劣るとして、品川沖から船を出しておく。(現在の神奈川県)三浦三崎から鰹を積んでくる押送船を見かけて、金一両を投げ込めば、船頭は合点して、鰹魚一尾をさし出す。それを受け取って、櫓(ろ)を飛して帰る。これを名付けて真の初鰹食いという。
冨岡一成 著『江戸前魚食大全』
一般社団法人 大日本水産会 魚食普及推進センター 初ガツオは江戸時代から大人気の料理! 浮世絵から学ぶ楽しみ方


当時、カツオは辛子醬油、辛子みそ、大根おろしで食べられていたようです。人気の初鰹に対して、脂ののった戻り鰹は傷みやすく、流通と保存の問題から敬遠されたそうです。

「戻り鰹」は鰹節にも加工しにくく、塩漬けにして干したものを「塩かつお」として食されたそうです。江戸の節約おかず番付として知られる『日々徳用倹約料理角力取組』にも「塩かつお」が掲載されていました。今は西伊豆の郷土料理として親しまれています。

塩気が強いためお茶漬にすると美味しいそうです。

醬油と地域性

ところで、皆さんはお刺身にはどんなお醤油を使っていますか。
新鮮なお刺身を美味しく食べるには、お醬油の役割は大きいと思います。
一口にお醤油といっても、いろんなお醤油がありますね。

和歌山と同じくカツオで有名な鹿児島の枕崎では、甘口のお醤油が好まれているそうです。

以前九州の鹿児島・宮崎に出張してお刺身を食べた時、お醤油がもったりして濃く、とても甘かったのを覚えています。

また、愛媛に出張してお刺身を食べた時も、九州ほどではなかったですが、甘いお醬油が使われていました。調べたところ北陸地方も甘いお醤油が主流だそうです。

また、北海道では昆布醬油と言われる醬油加工品が主流だそうです。

醬油の種類と製法

醬油は日本農林規格(JAS)によって、こいくち・うすくち・たまり・さいしこみ・しろしょうゆの5つに分類されていました。しょうゆ情報センターによると、日本のしょうゆ生産量の8割以上が濃口(こいくち)醬油とのことです。

我が家でも料理からお刺身まで何にでも濃口醬油を使っています。全国で生産・消費されている一般的なお醤油ですが、地域によって違いがありますね。

淡口(うすくち)醬油の生産量は13%。これほど少ないとは意外でした。淡口(うすくち)醬油は関西では馴染のあるお醤油で、おうどんの出汁を作る時に利用されています。

そう言えば淡口醬油は「薄口」とは書かず「淡口」と書きます。しょうゆ情報センターのサイトにその理由が載っていました。

A うす口しょうゆは「薄口」それとも「淡口」?

Q しょうゆの場合は「淡口」と書くのが一般的です。「薄口」と記述すると「濃口」しょうゆよりも「味が薄い、塩分が薄い」しょうゆという誤解を与えかねないため、しょうゆ業界では古くから「淡口」を使用しています。うすくちしょうゆの本来の特徴の一つである「色が淡い(あわい)」ということから「淡」という文字を使います。
しょうゆ情報センター

たまり醬油は一般的には「さしみ醬油」とも言います。ただ、さしみ醤油の定義はないそうで、商品名に「さしみ醤油」と書かれていても、JASの分類では「こいくち醬油」だったりします。

醬油を買う前には、裏のラベルを確認しましょう。

醬油の製法

調べたところ、しょうゆは「本醸造」・「混合醸造」・「混合」の3つの製法が規定されていました。これらは商品ラベルの名称部分に「こいくちしょうゆ(本醸造)」のように記載されています。

本醸造江戸時代から続くシンプルな造り関東のこいくち醬油
混合醸造諸味(もろみ)にアミノ酸液を加えて醸造して馴染ませる九州や北陸地方の甘い醬油
混合搾った醬油にアミノ酸を加えてブレント九州や北陸地方の甘い醬油

関東のこいくち醤油は「本醸造」。九州や北陸地方の甘い醤油は「混合」・「混合醸造」が多いようです。

ちなみにアミノ酸液は大豆などの穀物を分解させたうま味成分を凝縮した液体だそうです。アミノ酸に甘みはついていないことから、甘草・ステビア・サッカリンなどの甘味料を加えるそうです。

日本醬油発祥の地 和歌山県湯浅

現在日本を代表する醬油メーカーは関東に集まっています。実は醬油発祥の地は和歌山の湯浅です。

紀美野町から車で約30分の所にある、天保12年(1841年)創業、湯浅で唯一の手づくり醬油の醸造蔵、株式会社角長さんの醬油資料館・職人蔵へ見学に行ってきました。

湯浅は、石積みの堀、堀に沿って建ち並ぶ醤油蔵、白壁の土蔵、繊細な格子(こうし)の町家など、昔ながらの町並みが残り風情があります。

醬油のもとは金山寺味噌

今から約800年前(1228年)の鎌倉時代、由良の禅寺「興国寺」の僧覚心さんが、宋(現中国)に行き、径山寺(きんざんじ)から径山寺味噌(金山寺味噌)の製法を習ってきたことが、醬油づくりのきっかけでした。

金山寺味噌が醬油とどう繋がるのか。

金山寺味噌は、米・大麦・大豆の穀物に麹菌をつけて、瓜・ナス・生姜・しそ等の夏野菜を漬け込んで作る、食べるおかず味噌です。我が家では毎朝茶粥と頂きます。

館内のビデオによると、当時、金山寺味噌を造ったところ、樽底に汁(野菜の水分等)が沈殿し、その汁が調味料としてよい味とわかったそうです。その汁が醬油の原型となり、その汁を取るためにわざわざ金山寺味噌を作るようになったそうです。

その汁を調味料として改良したのが醬油。湯浅で醬油が醸造されるようになったのは、湯浅の水がよかったそうです。

室町・安土桃山時代になると、湯浅の醬油は船に乗せ、出荷されるようになりました。
江戸時代には、上方から大量のしょうゆが江戸に送られていた記録が残っています。

湯浅醬油も江戸で販売することになり、銚子で醸造を開始。醬油作りの技術が関東、そして日本各地に拡がっていきました。

そして江戸時代中期(1700年代)以降、江戸の人々の嗜好に合わせて、関東風の濃口しょうゆが生産されるようになりました。

江戸の最盛期、湯浅に醬油屋さんは92件あったそうですが、現在は数軒になっているそうです。角長さんでは湯浅醤油の伝統「湯浅たまり」の製造手法を守って、醬油づくりを続けているとのことです。

湯浅醬油 (株)角長さん 左から 「匠」・「濁り醤」・「手づくり醤油」

湯浅醬油が江戸・日本の食文化を支えた

さて、醬油と言えば「まぐろの漬け」は江戸時代に誕生したそうです。まぐろは傷みやすくて扱いが難しく、下魚とされ、人気がなかったそうです。

まぐろが下魚とは意外ですが。

それを変えたのが醬油。江戸時代に醬油の醸造が本格化し、傷みを防ぐまぐろの「醬油漬け」が考えられたそうです。

魚の臭いや傷みを防ぎ、保存性を高め、貴重な味付け調味料として、江戸庶民の食と江戸・ニッポンの食文化を支えました。

湯浅から日本各地へ拡がった醬油は、海を越え「ソイソース」として世界各地の食卓で親しまれています。醬油づくりに関わってきた人々に感謝です。

(参考)
・すさみケンケン鰹(プレミア和歌山) https://premier-wakayama.jp/items/316/
・しょらさん鰹(プレミア和歌山)  https://premier-wakayama.jp/items/176/
・串本ポータルサイト https://www.kushimoto.jp/gourme/index.html
・魚食普及推進センターhttps://osakana.suisankai.or.jp/s-other/9899
・北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/874278/
・しょうゆ情報センター https://www.soysauce.or.jp/knowledge
・日本文化の醬油を知る http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/reference-17d.html
・(株)枕崎市かつお公社  https://katuo-shop.jp/products/detail/95
・キッコーマン https://www.kikkoman.co.jp/enjoys/soysaucemuseum/history.html
・湯浅町役場 https://www.town.yuasa.wakayama.jp/soshiki/4/3319.html
・湯浅醬油(株)角長 http://www.kadocho.co.jp/index.htm
・醬油職人 https://www.s-shoyu.com/knowledge/0312
・(株)導水https://www.dohsui.co.jp/column/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA/

いいコンビ

皆さま、こんにちは。まだ肌寒い日もありますが、そろそろお花見シーズンですね。もう少し暖かくなったらお弁当を持ってお出かけしたいです。

お弁当と言えばおにぎり。おにぎりはここ数年専門店が次々に登場し、外食・中食のおにぎりがブームになっています。

ぐるなび総研の「今年の一皿」(日本の世相を反映し象徴する一皿)にも、昨年は「ご馳走おにぎり」が選ばれていました。家庭のおにぎりはもちろん、コンビニのおにぎりもなかなか美味しいですが、専門店のおにぎりも食べてみたいです。

おにぎりには「味付け海苔」?「焼き海苔」?

先日東京近郊にいる友人とおにぎりの話をしていてお互いに驚いたことがありました。私が驚いたのは、東京近郊では家庭でもお店でもおにぎりには「焼き海苔」が使われ、友人は「味付け海苔」を使ったおにぎりを見たことがない、ということです。

友人が驚いたのは、和歌山では家庭のおにぎりには「味付け海苔」ですが、コンビニのおにぎりは、種類によって「味付け海苔」のおにぎりと「焼き海苔」のおにぎりがどちらも置いてあることです。

味付け海苔の方は、表に「味付海苔」と表示されています。私はコンビニなら全国どこでも「味付け海苔」のおにぎりが置いてあると思っていたのですが、違ったのですね。

では味付け海苔自体売ってないの?と思いきや、スーパーには味付け海苔はちゃんと売られていて、西日本出身者は困らないそうです。

友人は実は西日本出身。味付け海苔を食べて育ち、その後上京。味付け海苔を食べたのは上京したての頃までで、その後現在まで30年以上ずっと焼き海苔だそうです。

味付け海苔を嫌いになったわけでもないけれども、焼き海苔文化の土壌に暮らしていると自然にそうなったと言っていました。

ところで、関東のコンビニには味付け海苔のおにぎりはどこにも売っていないのでしょうか。調べてみました。

東京近郊のコンビニにもあった!「味付け海苔」のおにぎり

セブンイレブンのWebサイトを調べたところ、何と東京近郊等関東でもごく一部で、一般的な手巻きおにぎりのラインナップに「味付け海苔」を使った商品が販売されていました。

関東 (セブンイレブンさん)
・明太子マヨネーズ(栃木県、群馬県、埼玉県)
・海老マヨネーズ(茨城県)
・具たっぷり炭火牛焼肉 (埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)

さっそく友人に東京近郊にも味付け海苔のおにぎりが1つあったことを知らせ、近所のセブンイレブンへ買い物を依頼。2件目のセブンイレブンにあったそうです。写真を送って貰いました。

和歌山の私も早速コンビニへ買い回りに行き、和歌山と東京近郊の『コンビニの“味付け海苔おにぎり“調べ』をまとめました。

東京近郊の「味付け海苔」おにぎりは、セブンイレブンに1種類
和歌山の「味付け海苔」おにぎりは、3大コンビニに計5種類ありました。

近畿の味付け海苔ラインナップについて、各コンビニのWebサイトを確認してみました。

近畿(セブンイレブンさん) ※2024年3月現在
・おかか 
・辛子明太子
・海老マヨネーズ 

(ファミリーマートさん) ※2024年3月現在
・おかか(東海・関西)

セブンイレブンさんは「海老マヨネーズ」がなかったです。ファミリーマートさんはおかかのみ。
ローソンさんのWebサイトには、お店にあった2種類(牛焼肉マヨネーズ・高菜明太)が載っていませんでした。

私がコンビニのおにぎりに「味付け海苔」と「焼き海苔」の2種類があると知ったのは随分前になりますが、それまでずっとコンビニのおにぎりは全部「味付け海苔」、だと思っていました。

味のない「焼き海苔」よりも、「味付け海苔」の方がおにぎりに合うと思っていたからです。

今回のコンビニ調べで、以前より「味付け海苔」おにりぎの種類が減っていると思いました。以前はツナマヨネーズ等もっと種類があったと思いますが。

また「味付け海苔」おにぎりが戻るといいですね。

コンビニ手巻きおにぎりの元祖

ところで、パリパリの海苔を巻く「手巻おにぎり」はいつ頃からあったのでしょうか。調べたところ、その始まりは約50年前。元祖はセブンイレブンさんでした。

OneNews記事『“コンビニおにぎり”はセブン-イレブンが元祖だった!誕生から約50年、コンビニおにぎりの快進撃を紐解く』によると、1974年に1号店からおにぎりを販売。家庭で作るものでしたから最初は苦戦したそうですが、その後家庭のおにぎりとの差別化に取組み。

海苔をおにぎりに直巻きしてしっとりとした海苔の家庭のおにぎりに対して、食べる直前にパリパリの海苔を巻けるようおにぎりと海苔を分けて包装する「パリッコフィルム」を採用。

その後、1986年に現在の包装の原型となる、テープを引いた後に左右のフィルムを抜いてご飯と海苔を合体させる「カットテープ型」のパッケージを包材メーカー様と共に開発されたとのことです。

コンビニおにぎりが家庭のおにぎりを変えた

このコンビニのおにぎりフィルム。今や家庭のおにぎりづくりに利用されています。百円ショップにも可愛いフィルムが売られています。

家庭のおにぎりとの差別化として誕生したパリパリ海苔。世の中がコンビニのパリパリ海苔おにぎりを食べ慣れた結果、パリパリ海苔のニーズが生まれ、家庭のおにぎりに新しいスタイルをもたらしたというのは面白いですね。

人気のおにぎり

一般社団法人おにぎり協会実施の『2023年度コンビニおにぎり人気調査』によると、4社共に1位は手巻きおにぎりの「ツナマヨ」でした。

1位 ツナマヨ
2位 鮭
3位 昆布(セブンイレブンとミニストップ)
3位 他の鮭(ファミリーマートとローソン)

ツナマヨネーズは人気がありますね。ちなみに前述のOneNews記事によると、コンビニでツナマヨネーズを販売したのはセブンイレブンが元祖。セブンイレブンで1983年から販売されているロングセラー商品だそうです。

一般社団法人おにぎり協会実施の『2023年度コンビニおにぎり人気調査』 ※調査結果をもとに当社で表作成。         

 セブンイレブンファミリーマートミニストップローソン
1位手巻きおにぎり
ツナマヨネーズ
手巻き
シーチキンマヨネーズ
手巻ツナマヨ手巻おにぎり
シーチキンマヨネーズ
2位

手巻きおにぎり
炭火焼き熟成紅しゃけ

直巻焼しゃけ手巻紅しゃけ金しゃりおにぎり
焼さけハラミ
3位

手巻きおにぎり
北海道産昆布

ごちむすび鮭はらみ手巻北海道昆布手巻おにぎり
熟成紅鮭


おにぎりに海苔を巻くスタイル 江戸時代に登場

ところで、おにぎりに海苔を巻くスタイルはいつ頃からあったのでしょうか。調べたところ、登場したのは、海苔の養殖が始まった江戸時代でした。

広重『名所江戸百景 南品川鮫洲海岸』. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1303315 (参照 2024-04-01)

山本海苔店さんの『海苔の歴史(江戸時代編』によると、海苔ができる前は、流木や岩に生えている天然海苔を乾燥させて食べていたそうです。

魚の養殖をする生け簀の支柱に海苔が生えているの発見した漁師さんが海中に支柱をたててみたところ海苔が付着。以来海苔の養殖がはじまったそうです。

採れた海苔は、当時さかんだった和紙を再生する技術が海苔に転用され、四角い紙のように加工した板のりが誕生。「浅草海苔」として一般に普及されていきます。

「海苔巻き」が庶民の間で大流行し、屋台寿司も現れるようになったそうです。おにぎりに海苔が巻かれるようになったのはこの頃とされています。

和楽webの記事『おにぎりっていつから食べられていたの?日本のおにぎりの歴史』によると、江戸時代は東海道などの街道が整備され、おにぎりは旅人の携行食とされたそうです。「焼飯(やきいい)」と呼ばれ、おにぎりに味噌などを塗って焼くことが多かったそうです。

日持ちさせるためには焼きおにぎりにするしかなかったのでしょう。熱いお湯やお茶をかける、お茶漬けのような食べ方もあったそうです。美味しそうですね。

江戸料理本を見事に再現した「Plenus米食文化研究所」さんのWebサイトがありました。お重のお弁当や焼きおにぎりが載っていました。当時もこんな感じだったのでしょうか。

 

海苔の数え方

ところで、皆さんは海苔の数え方をご存知でしょうか。以前出張先でお土産に焼き海苔を選んでいた時のこと、パッケージをみると「2帖」と書かれていただけで何枚入っているのかわからず、お店の人に尋ねたことがありました。

海苔の単位は「帖(じょう)」。海苔はサイズが決められていました。サイズは縦21cm×横19cm。昔から使っていた木枠や簀(す)のサイズの名残りだそうです。複数の海苔店のサイトを参考に、一般的なものをまとめました。

よく使われるのは、

・手巻き寿司用の2切りサイズ
・おにぎり用の3切りサイズ
・味付け海苔の10切り・12切りサイズ

でしょうか。次回お店で海苔を選ぶ時はどんなサイズがあるのか、いろいろ見てこようと思います。

ちなみに我が家には今、頂き物の焼き海苔が1帖あります。焼き海苔1枚を4切りにしてちぎってご飯の上にのせてお醤油をかけ、味付け海苔のようにして食べています。

和歌山のおにぎり屋さん

地元和歌山の情報サイトによると、和歌山にもおにぎり専門店が増えているようです。

地元和歌山の南高梅を使った定番のおにぎりもいいですが、その他いろいろな地元食材を使ったおにぎりもあって、なかなか面白いと思いました。

例えば、金山寺味噌・灰干しサバ・しらす・加太ひじき・湯浅生わかめ・勝浦びんちょうまぐろ等を使ったおにぎりがありました。どれも美味しそうでした。

おにぎり いろいろ

最近はいろんなおにぎりを味わうことができます。皆さんはどのおにぎりがお好みでしょうか。

・家庭のしっとり海苔(味付け海苔・焼き海苔)おにぎり
・家庭のパリパリ海苔(味付け海苔・焼き海苔)おにぎり
・コンビニのしっとり海苔(味付け海苔・焼き海苔)おにぎり 
・コンビニのパリパリ海苔(味付け海苔・焼き海苔)おにぎり
・専門店のしっとり海苔(味付け海苔・焼き海苔)おにぎり
・専門店のパリパリ海苔(味付け海苔・焼き海苔)おにぎり

しっとり海苔でもパリパリ海苔でも、
味付け海苔でも焼き海苔でも、
家庭のおにぎりでもお店のおにぎりでも、
おにぎりと海苔はいいコンビ!

海苔を巻いただけの普通の具なしおにぎりでも、家族にとってお母さんの作ってくれたおにぎりが一番だと思います。お店が目指しているのは、家庭の味、お母さんのおにぎりなのかもしれませんね。

早速おにぎりが食べたくなってきました。

 

(参考)
・ぐるなび総研 今年の一皿
https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear/2023/
・専門店が続々登場!定番の「おにぎり」がブームになった理由(cookpad news) Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/1abce80ae2118bc1405eadfc8e45b12777e673fa?page=1
・“コンビニおにぎり”はセブン-イレブンが元祖だった!誕生から約50年、コンビニおにぎりの快進撃を紐解(OneNews)
https://one-news.jp/article/1179363
・セブンイレブン https://www.sej.co.jp/
・ファミリーマート https://www.family.co.jp/
・ローソン https://www.lawson.co.jp/
・2023年度コンビニおにぎり人気調査(一般社団法人おにぎり協会)
 https://www.onigiri.or.jp/archives/5752
・海苔のうんちく・海苔の歴史(山本海苔店)
https://www.yamamotonori-shop.jp/f/unchiku
https://www.yamamoto-noriten.co.jp/knowledge/history.php
・【海苔のはなし】vol.2 海苔の歴史(江戸時代編)(おにぎりJapan)
https://www.onigiri-japan.com/archives/1635
・おにぎりに海苔が巻かれるようになったのはいつから?(おにぎりJapan)

https://www.onigiri-japan.com/archives/6023
・海苔巻おにぎりの誕生も江戸時代(和楽)

https://intojapanwaraku.com/rock/gourmet-rock/33717/#toc-15
・江戸料理本を再現(Plenus 米食文化研究所)
https://kome-academy.com/bento_library/recipe.html
・おにぎり専門店11選!春のおでかけのお供に【和歌山市】 
https://rokaru.jp/matome/102218/
・ブーム拡大で専門店も増加中!春のおでかけにおにぎりを持って(リビング和歌山)
https://www.living-web.net/%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%81%A7%E5%B0%82%E9%96%80%E5%BA%97%E3%82%82%E5%A2%97%E5%8A%A0%E4%B8%AD%EF%BC%81%E6%98%A5%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%A7%E3%81%8B%E3%81%91%E3%81%AB%E3%81%8A/
・和歌山の魅力を発信するサイト 和歌山ブログ
https://wakayama-blog.com/yuasa-beisho/#toc4
(使用画像・動画)
・【DAISO】コンビニ風おにぎりシート(YouTube/bonobos25)
https://youtu.be/hpolKV8etyQ?si=y9kcnhh8XbGGBItA
・歌川広重『名所江戸百景 南品川鮫洲海岸』(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1303315

 

甘酒のある暮らし

皆さま、こんにちは。寒さのなかにも春の訪れを感じます。温州みかんの季節が終わり、今は不知火(しらぬい)や清見等オレンジが出回っています。柑橘も美味しいですが、この時期はキウイもお店に並びます。

東京の友人によるとスーパーで和歌山県産のキウイを見たことはないそうですが、実は果物王国和歌山ではキウイも作っています。農林水産省のデータを調べたところ、和歌山はキウイフルーツ収穫量全国第3位。

農林水産省 「令和4年産キウイフルーツの結果樹面積、収穫量及び出荷量」調査データをもとにグラフ・表 作成

上位3県で約50%になります。いずれもみかんの産地として有名ですね。それについて、和歌山県の食品流通課さんのホームページに記載がありました。

1970年代に温州みかん等の柑橘類の生産量が増えすぎて価格が暴落。その時に転換作物としてキウイが栽培されるようになったそうです。

キウイは秋から冬にかけて収穫され、低温貯蔵庫(2度から4度)で貯蔵し、追熟させてから1月~4月に出荷され、お店に並びます。主力品種はヘイワードだそうです。

和歌山のキウイは大きくて甘くて美味しいです。りんごに酸味のある柑橘系と甘いキウイ。それにヨーグルトをかけて一緒に食べるのが私は好きです。緑色の果物が入ると彩りも綺麗です。

 

 

甘酒ブーム

ところで、私は一年中ヨーグルトを食べています。一番好きな発酵食品です。まわりに聞いたところ、他の季節に比べると冬は冷たいヨーグルトは控えがちになるとか。

冬に欲しくなる発酵食品と言えば甘酒。甘酒はブームが続いているようです。今は米麹を使ったノンアルコールの甘酒、冷やして飲む甘酒が主流になっており、いろんな風味の甘酒が販売されていました。

調べたところ、免疫力アップにいいと発酵食品が注目され、2011年から塩麹ブームに。その後朝の情報番組で、 “飲む点滴”というキャッチフレーズで甘酒の栄養効果が、その後も他の情報番組で“飲む美容液”と紹介されたことがきっかけで、米麹を使った甘酒が主流になったようです。

子供頃から暮らしの中に「酒粕」がありました

 

お恥ずかしながら私、甘酒はどれも酒粕(さけかす)で作られていると思っていました。というのも、子供の頃から日本酒の初絞りが終る頃、近くの酒蔵さんから酒粕を頂いて、甘酒を作って家族皆で飲んで育ちました。

おやつには粕板を火鉢で焼いて、柔らかくなったところにお砂糖をまぶして食べていました。時々無性に食べたくなります。美味しくて体がポカポカになり、時々酔っ払っていました(笑)

お酒の匂いが強くて苦手という方もいらっしゃいますが、普段お酒を飲まない私でも、酒粕の風味と香りは好きです。

確かに匂いは強いですが、飲んだり食べてみると以外と美味しかったという話も聞きます。納豆と似ているかもしれませんね。

ちなみに缶の甘酒で有名な森永製菓さんは、1969年の発売当初から酒粕・米麹の2種類を使った甘酒を販売していたことがわかりました。

調べたところ「冷やし甘酒」を提案したのも森永さんでした。2011年の東日本大震災の発生直後、全国的に省エネが求められた際、夏の健康維持に「冷やし甘酒」を提案したところ、夏場の消費が伸びるようになったそうです。

久しぶりに森永さんの甘酒を冷やして飲んでみました。すっきりと飲みやすかったです。缶が見当たらなかったので紙パックを買いましたが、缶の方が馴染がありますね。

米麹だけの甘酒も飲んでみましたが、私は酒粕の方が好きです。

酒粕由来の甘酒、米麹由来の甘酒。味やアルコールを含む・含まない以外どのような違いがあるのか、調べて見ました。

甘酒2種類(米麹・酒粕)について

大手酒造会社菊正宗さんのブログに酒粕由来の甘酒・米麹由来の甘酒の違いについて掲載されていました。そちらと他情報を参考にしながらまとめてみました。

 米麹甘酒酒粕甘酒
原料米・米麹酒粕・砂糖
作り方

蒸した米に米麹を加えて発酵させたもの

日本酒を造る際の残った搾りかす。
酒粕を水で溶かして、砂糖添加により甘さを調整
主成分

ブドウ糖、アミノ酸、オリゴ糖、ビタミンなど

ビタミンB2、B6、ナイアシン、葉酸などのビタミン

特長

・ノンアルコール
・栄養素が豊富に含まれることから“飲む点滴”と呼ばれている
・米と麹由来の自然な甘さがある(砂糖を入れなくてもそのまま飲める)

・アルコールが含まれる
・お酒の種類によって味や風味も変わる
・「板粕」「ばら粕」「錬り粕」「踏込粕」等様々なタイプがある

効果

・免疫賦活効果
・整腸作用が期待される
・美肌効果
※“飲む美容液”と称される“エルゴチオネイン”が含まれる

・摂取した脂肪やコレステロールを体外へ排出
・小腸での糖の消化吸収を抑えて血糖値の急上昇を抑制
・整腸作用が期待できる
・美肌効果
※保湿効果、肌細胞のコラーゲン密度を高める“α-EG”が含まれる

甘酒の価値が知られると、健康維持・美容効果・手軽な栄養補給を求めて、消費者が自宅で市販の甘酒を使ってアレンジ料理を作ったり、米麹や酒粕を使って甘酒やスムージー・スイーツ・料理を作るようになってきているようです。

甘酒や麹を使った健康レシピ本もたくさんでています。一冊買ってみようと思い調べたのですが、たくさんあって迷って選べませんでした。

私の子供の頃、昭和の暮らしの中に酒粕があったように、普段から醬油や味噌のように甘酒を取り入れるようになってきていることを知りました。

甘酒の歩み

ところで甘酒はいつ頃から飲まれていたのでしょうか。大手味噌製造会社のマルコメさんのホームページに甘酒の歴史について掲載されていました。その他情報も調べ、まとめてみました。

・甘酒のルーツは醴酒(れいしゅ)。 
※奈良時代の日本最古の歴史書に記載あり。

・古代から中世まで朝廷のあった関西では醴酒(米と麹と酒を用いた酒)は夏の飲み物。
※平安時代の法律書に記載あり。

・安土・桃山時代に「甘酒」という文字が登場。 
※1597年戦国時代末期(安土・桃山時代)の国語辞典に記載あり。

・江戸時代前期、甘酒は麹を水に浸しその絞り汁を米などの原材料と合わせて発酵させた物。夏の季語として扱われ、夏の飲み物だった。
※1643年(寛永20年)の料理書に記載あり。

・江戸時代は暑さで病気になる人も多く、特に夏に死亡率が高かった。幕府は健康保持、栄養補給に甘酒を奨励し、価格も四文を超えないようにお触れをだしていた。

・江戸時代の武士の間では「悪酔い防止」のため、酒席の前に甘酒を飲むことが武士の作法とされた。 

・江戸時代中期、甘酒は米・麹・水・酒で作られた。 
※1689年元禄2年の料理書に記載あり。

・その後の江戸時代中期、甘酒は米・麹・水で作られた。麹の粒を残したまま飲むか、しぼって飲むか、飲み方が記載されていた。 
※1712年正徳2年の辞典に記載あり。

・江戸時代後期、1767年頃までは甘酒は冬にも売られるようになった。 
※その頃の松尾芭蕉の誹諧「寒菊や 醴造る 窓の前」にも読まれている。寒菊は冬の季語。

・江戸時代後期、1814年頃、京都・大阪では夏の夜のみ甘酒売りが一碗六文(120~180円)で販売。江戸は一碗八文(160~240円)。上野や浅草などの店では一年中販売された。 
※三都(京都・大阪・江戸)風俗・事物百科事典「守貞謾稿(もりさだまんこう)」に記載あり。他情報を参考に甘酒の価格を江戸は一椀四文と前述しました。江戸時代の中で時期が違うのか?不明です。

守貞謾稿(もりさだまんこう) 巻6 甘酒売り (国立国会図書館デジタルコレクション)

・江戸時代後期(文政年間 1818-1829年)、厳しい道中の東海道の箱根地区には9箇所「甘酒茶屋」が設けられていた。その他坂の上や山道を登りきったところには「甘酒茶屋」があった。

・明治(1868~1912年)、東京では夏から秋に甘酒売りが「甘い~甘い~」という掛け声で市中を売り歩いた。甘酒は麹を使用。道具の貸出や、販売用の甘酒を売ってくれる甘酒問屋という商いもあった。

・大正時代(1912~1926年)、甘酒売りが甘酒問屋から道具を借り受け、労働者が集まる街のほか、学生の街、芸者屋や料理店の待合茶屋等を売り歩いた。

甘酒のある暮らし

古くから京都・大阪では甘酒は夏の飲み物で、江戸でも夏の健康維持のために幕府も甘酒を奨励する程、夏の飲み物でした。それが冬にも飲まれるようになり、一年を通じて飲まれるようになったということですね。

東京で甘酒売りが見られたのは大正時代辺りまでのようです。関東大震災や戦争があり、戦後は高度経済成長期に突入。人々の生活様式も変わり、瓶や缶の甘酒が発売されるようになるまでは甘味屋さんに行ったり、酒蔵さんで買ったり、各家庭で作られていたのでしょう。

4年前のコロナにより私たちの暮らしも変わりました。以前より健康に気を使い、自宅で過ごす時間が多くなったこともあって、甘酒ブームが続いているのかもしれませんね。

これからも甘酒に注目したいと思います。酒粕の甘酒を飲んだことがない方は、作って冷やして飲むとお酒特有の匂いも和らぎますよ。お試し下さい。

 

(参考)
・農林水産省 「令和4年産キウイフルーツの結果樹面積、収穫量及び出荷量」調査データ

https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kajyu/kiwi/r4/index.html
・和歌山県 農林水産部 農林水産政策局 食品流通課  わかやま食材テロワール 「キウイフルーツ」
https://www.pref.wakayama.lg.jp/
・和歌山県 那賀振興局 「キウイフルーツ」
・森永製菓株式会社 甘酒
https://www.morinaga.co.jp/amazake/
・マルコメ株式会社 
甘酒の歴史
https://www.marukome.co.jp/amazake/amazake_festival/column/219/
・読売新聞 2017/02/20 
ブーム拡大中 意外と知らない甘酒のヒミツ
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20170220-OYT8T50037/
・菊正宗ネットショップブログ 
2021/09/01 菊正宗「大吟醸deあま酒」が“飲む点滴”“飲む美容液”と称される由縁。
2021/09/08  「大吟醸deあま酒」に配合された“5-ALA”成分は、 新型コロナウイルスに対する強い感染抑止効果に期待大との論文を発表。
https://www.kikumasamune.shop/blog/?m=20210908
・マネー現代 2021.07.13 夏の「甘酒」がすっかり定着したワケ…再ブームを巻き起こした「5つの要因」
https://gendai.media/articles/-/85055
・東洋経済オンライン 2016/10/23 森永製菓の「甘酒」が女性にバカ売れするワケ
https://toyokeizai.net/articles/-/141394
・カヤマ醸造所
https://www.kayamasyuzou.com/amama/history.html
・甘酒からみる発酵食文化(1)江戸時代から愛される栄養ドリンク「甘酒」の歴史
https://haccomachi.jp/column/277/
・甘酒からみる発酵食文化(2)それぞれに個性が!酒粕甘酒と米麹甘酒の違いは?
https://haccomachi.jp/column/439/
(画像)
・守貞漫稿(もりさだまんこう)巻6 甘酒売り(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2592395/1/23

 

 

 

往復約380km。石川県金沢市へ

皆さま、こんにちは。このたびの令和 6 年能登半島地震により、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。

地震発生からまもなく石川県の漁協支所・出張所を統括している石川県漁業協同組合(本所)さんにお見舞いの電話をしました。本所さんも現地には入れず、電話で現地の被害状況を確認中とのことでした。

お見舞いに支援物資をお送りしたいと申し入れ、翌日本所さんにお届けにいくことになりました。今回のブログはその出張の様子をご紹介いたします。

支援物資を調達

石川行きが決まり、近所のドラッグストア等をまわって支援物資を購入しました。

・セイムスさん:カイロ(貼る用、貼らない用)、除菌シート、靴下
・エバーグリーンさん:水、トイレットペーパー、ティッシュ、栄養補助ゼリー
・しまむらさん:下着、毛布

ワンボックスカーの荷台に支援物資を積み込みました。

日本海側に向けて出発

翌朝5時に紀美野町を出発しました。今回も運転を交代しながら私、久保と中村副社長の二人旅です。目的地の金沢までは5時間程度。途中休憩を入れて、10時30頃到着の予定です。

海南東インターから阪和自動車道に乗り、北陸は石川県金沢市へと向かいました。毎年12月に入ると出張に備え、スタッドレスタイヤに交換しています。

紀ノ川を過ぎて、大阪は泉佐野・岸和田を通って、松原から近畿自動車道に入りました。門真から第二京阪道路に入りました。寝屋川、枚方を通って、久御山で京滋バイパスに入りました。

京都の宇治を通って、琵琶湖のほとり瀬田東で名神高速道路に入り、名古屋方面に向けて走りました。途中、滋賀県の多賀SA(上り)に寄って休憩しました。コーヒーを買って車に乗り込みました。

後日、多賀SA(上り)のホームページを見ると「濃厚窯出し多賀チーズタルト」等チーズを使った多賀オリジナルスイーツを販売していました。

平城京の時代、近江国(現在の滋賀県)では日本最初のチーズといわれる高級乳製品「蘇」が作られ、貴重な食物として朝廷に納められていたそうです。それにちなんだオリジナルのチーズスイーツ。次の機会に是非食べてみたいです。

多賀SAを後にし、彦根を通ると米原から北陸自動車道に入りました。ここからは約172kmひたすら北陸自動車道を走りました。

途中、スキーで有名な伊吹山が見えましたが、雪は少ししか積もっていませんでした。

後日、伊吹山スキー場のWebサイトを確認したところ、積雪200㎝(1月末)。ライブカメラを見ると雪もたくさん積もっていました。よかったです。

金沢に到着

ようやく日本海が見えてきました。海に沿ってしばらく走り、金沢西インターで高速を降りました。下道を通って金沢市内の石川県漁業協同組合本所さんへ向かいました。

何度も訪れているところなのになぜか途中道を間違えました。本来15分ぐらいの所が30分以上かかってしまい、11時15分頃到着しました。

相当揺れたけれども大きな被害はなかったと本所さんから聞いていたとおり、金沢市内は大きな被害はないように見えました。

石川県漁業協同組合本所さんに支援物資をお渡し

石川県漁業協同組合本所さんに到着。購買課の方に、お見舞いと支援物資をお渡ししました。

一緒に支援物資を玄関に下ろしていると、ちょうど玄関先にトラックが止まり、カップラーメンや水などの生活支援物資が積まれていました。

普段、金沢市内から輪島や珠洲(すず)までは能登里山街道を通って3~4時間のところ、地震後まもなかったので10時間ぐらいかかっているとのことでした。

能登半島の珠洲(すず)と言えば、私はイカが好きなので、スルメイカがあがったら送って頂くように毎年珠洲(すず)の方にお願いしています。

イカはいろいろ食べましたが、能登で獲れるスルメイカは大きくてとても美味しいです。ワタまで美味しいです。

余談ですが、石川県能登地方には日本三大魚醤のひとつ「いしる」があります。魚醤はご存知のとおりお魚を発酵させて作ったお醬油です。

能登地方にはもうひとつ、イカのワタを使って作られる、とても珍しい郷土の魚醤があると知りました。こちらは「いしり」と呼ばれています。

「いしる」と「いしり」の違い

「いしる」と「いしり」の違いについてまとめてみました。能登地方それぞれの地域で、昔から漁獲量が多かった魚介類を原材料(いわしやサバ or 真イカ)にして作られているとのことです。

なお調べていてわかったことですが、地域や商品によっては「いしり」のことも「いしる」と呼んだり、「いしり」も「いしる」の一つとされているようなところが見られました。お伝えしておきますね。

(もしかすると、両方の原材料(いわしやサバ and 真イカ)を使った商品があるのかも?!と思ったりしました)

出典:能登の魚礁 いしり物語 (「能登の魚醤油いしり物語」制作企業グループ)「能登の魚醬油いしりとは?」より表にまとめました。

いしる・日本海側の外浦に面した地区に伝わる魚醤
・いわしやサバなどが主な原料
・輪島港(輪島市)や蛸島港(珠洲市)、富来福浦港(志賀町)で作られている。
いしり
・主に富山湾に面した内浦地区に伝わる
真イカの内臓を使った魚醤
・小木港、宇出津港などで作られている。

※真イカの内臓をつかって自然発酵させ、熟成させる「いしり」は、全国でも能登町でしか作られていません。

今回、いしる・いしりの製造現場にも被害があったとの記事を見ました。1月中旬の新聞によると、石川県の69の漁協のうち8割強の58港は漁港の岸壁や構内道路の損壊が確認されているとのことでした。

被災地が一日も早く復旧してもとの暮らしに戻れることを、心から願っています。

そしてまた美味しいお魚やスルメイカが獲れるようになり、郷土の魚醤、いしる・いしりが作れるようになることを願っています。

和歌山へ

お昼頃、石川県漁業協同組合さんを後にし、金沢西インターから北陸自動車道に乗りました。途中、尼御前(アマゴゼン)サービスエリアでお昼休憩しました。

神奈川県警の方を見かけてお疲れ様です、と声をかけました。被災地でお仕事されて、交代で神奈川に帰るところでした。尼御前SAには、他県ナンバーの警察や消防の車がたくさん止まっていました。

その中に何とJAわかやまのジャンパーを着た人を見つけました。声をかけたところ、水を美川まで運んできてこれから和歌山に帰るところでした。

皆さん現地でお仕事されてこれから戻る途中、休憩に寄られたんですね。遠くまでお仕事お疲れ様でした。

加賀の棒茶

お土産に加賀の棒茶ときんつばを買って、尼御前SAを後にしました。棒茶とは、お茶の茎を使った焙じ茶です。

余談ですが、棒茶を知ったきっかけは、和歌山県紀の川市桃山町にある山小屋風の喫茶店カフェムロ(cafe MURO)さん。

メニューに「加賀棒茶」という見慣れないお茶が載っていて、説明書きには金沢名産の高級ほうじ茶とあり、飲んでみたらとても美味しくてびっくりしました。以来お気に入りです。

我が家は毎朝ほうじ茶パックを煮出して茶粥を食べていますが、味が違います。棒茶は葉のお茶より苦み・渋みがなくさっぱりしていて飲みやすく、香ばして、まろやかな感じがします。

●献上加賀棒茶 丸八製茶所

●きんつば 加賀紫雲石(かがしうんせき) 音羽堂

●喫茶店カフェムロ(cafe MURO) さん 掲載記事 関西@わんこ

行きに寄った多賀サービスエリアで休憩して、大阪方面に向けて走りました。渋滞もなく、順調に走って和歌山に入り、近くなると段々疲れてきて紀ノ川サービスエリアに寄りました。

紀ノ川サービスエリアで休憩

紀ノ川サービスエリア(下り)は焼きたてのパンを食べられるベーカリーやコーヒー屋さんもあってなかなか充実しています。コーヒーランドというフランスパンにコーヒークリームを挟んだパンが人気です。

さすがに10時間近く車に乗っていると腰にきました。温かいコーヒーを飲んで元気を取り戻して車に乗り込み、紀美野町へ向けて走りました。18時半に会社に到着。

朝5時に出発してから13時間半。

阪和自動車道
近畿自動車道
第二京阪道路
京滋バイパス
名神高速道路
北陸自動車道

と、6つの高速道路を乗り継ぎ、移動距離約380kmの出張でした。

あれから約一ヶ月

地震の影響で未だに断水しているところもあり、氷が作れないとのニュースを見ました。概ね2月~3月末に仮復旧、一部4月以降復旧するとのことでしたが、現地の皆さまのご苦労ははかりしれません。一日も早いライフラインの復旧を心から願っています。

被災地の皆さま、そして復旧に携わる全ての方々を応援しています。どうか体に気をつけて頑張って下さい。

また能登の美味しいお魚やスルメイカを味わえる日を楽しみにしています。

(参考)
・多賀SA(上り) https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=49
・グランスノー奥伊吹 https://www.okuibuki.co.jp/live_camera/
・石川県漁業協同組合 http://www.ikgyoren.jf-net.ne.jp/
・能登の魚礁 いしり物語 (「能登の魚醤油いしり物語」制作企業グループ)  http://www.ishiri.jp/
・尼御前SA(下り)  https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=64
・献上加賀棒茶(丸八製茶場)  https://www.kagaboucha.co.jp/cat2/4
・加賀紫雲石(かがしうんせき) 音羽堂  https://otowadou.jp/
・喫茶店カフェムロ 関西@わんこ (cafe MURO)  https://wanko-kansai.net/archives/2424.html
・紀ノ川サービスエリア(下り)  https://www.w-holdings.co.jp/sapa/2096.html

総移動距離約1,100kmの広島・愛媛出張

皆さま、こんにちは。納品に向け、工場フル回転で頑張っております。毎年年末は副社長と二人でお客様を数カ所訪問します。先日も合間を縫って出張に行ってきました。今回のブログは広島・愛媛の出張の様子をご紹介いたします。

陸路を広島へ

朝の6時頃に車で和歌山県紀美野町を出発。今回の出張も副社長と一緒です。海南駅近くの駐車場に車を置き、特急くろしお号に乗って新大阪へ向かいました。

出張で新大阪駅を利用する時は構内の551で豚まんを買って帰りますが、今日は往路ですのでお預け。代わりに幕の内弁当を2つ買って、広島へ向かう新幹線の中で食べました。

1時間半後、広島へ到着。市内のお客様2カ所を訪問しました。

広島から瀬戸内海を渡り愛媛へ

2件目のお打合せ後、タクシーで広島港へ。いよいよ四国の愛媛へ向かいます。ターミナルの中華屋さんでお昼を食べて、高速船スーパージェットに乗りました。松山観光港まで70分の船旅です。

途中呉港に立ち寄った時、船からヤマトミュージーアムが見えました。次は必ず見に行きたいです。

瀬戸内海は波がなく穏やかなので揺れもほとんどなく快適でした。和歌山の風景と違い、小さな島がたくさんあってとても綺麗でした。東洋のエーゲ海に例えられるのがわかります。今回は高速船に乗りましたが、2時間40分かけてゆっくり船の旅を楽しむクルーズ船もありました。

四国は愛媛の松山へ上陸

松山観光港からタクシーに乗って松山市内のトヨタレンタカーに向かいました。車はハイブリッドカーアクア。普段はワンボックスカーに乗っていますが、ハイブリッドカーは初めてでした。

アクアに乗って今日の宿泊地大洲市(おおずし)へ向かいました。瀬戸内海に雲海がそそぐ「肱川あらし」の幻想的な風景を見られる場所としても知られているとおり、大洲市に入るまでの道のりはもやが多く、夕方は走り難かったです。

途中、内子(うちこ)を通りました。内子町は江戸後期から明治にかけて、ろうそくの原料木蝋(もくろう)で栄えた町だと、県内の方から話を聞いたことがあります。

今は県下に1件手作りの和ろうそく屋さんがあり、その手作りの和ろうそくの炎は大きくて明るく温かみのあるやさしい炎で、蝋が垂れないそうです。機会があれば使ってみたいです。

今日のお宿、大洲プラザホテルに到着。大洲市(おおずし)は伊予の小京都と呼ばれる古きよき町並みの残る城下町。今回観光の時間は取れませんでしたが、訪れてみたい所です。

宇和島・下灘・愛南 一日3箇所訪問

この日は長年お世話になっている八幡浜の販売店、山本商店さんとご一緒に、愛媛南予エリアのお客様を3件訪問します。その後徳島へ向かい、徳島からフェリーで和歌山へ戻るというハードスケジュールです。

・日本一の養殖マダイの生産地宇和島へ
最初の訪問先は宇和島の宇和島事業所さん。事務所に貼ってあったお魚のポスターの写真を撮ってきました。

宇和島と言えば日本一の養殖マダイの生産地として知られていますが、宇和海は小さいお魚から大きなお魚まで、一本釣り・巻き網・養殖と、豊富な魚介類が獲れる漁場だそうです。

調べて見ると、急傾斜地が続く宇和海の沿岸(リアス式海岸)では、森林の栄養分が雨などによって海に流れ込み、それを求めて微生物や小魚が集まるそうです。

また、太平洋から黒潮が流れ込み、小魚を求めて大型魚が集まるそうです。魚介類の生息にとって重要な海岸林などは「魚つき保安林」に指定されているそうです。

今力を入れているのは宇和海の豊島沖で獲れる「戸島一番ブリ」。ブリと言えば脂ののったものが多いですが、潮の流れが速い海で育った戸島一番ブリは身が引き締まって美味しいそうです。

ご担当者に当社製品の使い勝手やご要望などをお伺いして、宇和島事業所さんを後にしました。宇和島事業所さん、ありがとうございました!

・日本有数の真珠の産地 下灘へ

次の訪問先は、下灘(しもなだ)支所さんです。愛媛県は日本有数の真珠の産地として知られていますが、養殖はここ下灘で行なわれています。

担当者のお話では、真珠は2年で8ミリの大きさになるそうです。今年は真珠の出来がとてもよいとのことです。現在は貝殻から真珠玉を外す作業中とのでした。

作業中に汚れがつかないように、新しい合羽をご希望でした。漁師さんたちにはよく当社製品「漁火」をご利用下さっています。下灘支所さん、いつもありがとうございます!


 

 

・カツオの水揚げ四国一 愛南へ

最後の訪問先は、愛南漁協さんです。愛南町は愛媛県最南端にあり、北は宇和島市津島町、南は高知県宿毛市に隣接し、南は太平洋、西は豊後水道を望む自然に恵まれた地域です。

カツオ漁がさかんで、カツオの水揚げは四国一だそうです。プライドフィッシュ「びやびやかつお」が有名です。カツオ船は全て漁にでており港はがらんとしていましたが、エメラルドグリーンの海が綺麗でした。

お魚の加工屋さんには当社製品「エミック」の白をよくご利用頂いています。

カツオ漁師さんと言えば以前は白い合羽の利用が多かったのですが、最近の若いカツオ漁師さんはカラフルな合羽がお好みのようです。愛南漁協さん、ありがとうございました!

打合せ後、愛南漁協深浦本所さんの敷地内にある「市場食堂」へ行きました。「びやびやカツオ」を注文したところ、残念ながらその日は入ってきていませんでした。そこで私は養殖「媛スマ」の炙り定食をいただきました。

天然のものは漁獲がほとんどなく幻の高級魚と呼ばれる稀少なお魚。愛南漁協さんは「媛スマ」の完全養殖に力を入れています。

甘みのあるお醤油をつけて頂きました。鯛よりは身が少し柔らかくて美味しかったです。脂がのっているお魚を炙って頂くとより一層美味しいと思いました。「媛スマ」が「全身トロ」と言われているのがわかりました。

媛スマ

山本商店さんと当社の副社長は、生卵や刻み海苔が乗ったどんぶりに鯛のお刺身を載せて、特製のごまだれをかけて食べる定食とマハタのお刺身を頂いていました。

マハタ

山本商店さんのおかげで、無事に予定のお客様を訪問してご挨拶することができました。山本商店さん、この度もお世話になりありがとうございました!

 

四国横断 徳島へ

愛南漁協さんを後にし、和歌山へ復路の旅です。最寄りのインターから高速に乗り宇和島・大洲・松山・新居浜・川之江ジャンクションを通って、徳島道に入り徳島へ向かいます。

途中、伊予灘サービスエリアで休憩しました。お土産を買っていなかったので、じゃこ天を買いました。じゃこ天は江戸時代から続く愛媛南予地方の郷土料理。近海で獲れる小魚のすり身を油で揚げた練り物です。

愛媛出張の度に本場のじゃこ天を買って帰ります。そのまま食べても美味しいですが、火で少しあぶって食べると美味しいですよ。

喉が渇いたので愛媛のポンジュースを買って飲みました。

愛媛から徳島へのルートは10年ぐらい前は地道を走っていたので時間がかかっていましたが、今は高速道路もどんどん整備されて随分楽になりました。

渋滞にはまりフェリーに乗り遅れる

高速を降りて徳島市内のトヨタレンタカーさんに向かいましたが、渋滞にはまってしまいました。

トヨタレンタカーさんに着いて車を返却し、急いでフェリー乗り場へのタクシーを呼ぼうとしたところ、店員さんが徳島駅まで送ってくれました。

徳島駅からタクシーに乗り込み、フェリー乗り場へ向かいました。運転手さんに18:55発のフェリーの時間に乗りたいことを伝えると、間に合うか微妙だけど急いでみる、と急いでくれたのですが、間に合いませんでした。

予定していたフェリーに乗り遅れてしまい、次のフェリーは21:50。3時間待ちに・・・。おまけにフェリー乗り場に食べ物屋さんが何もなく・・・。歩いて近くのファミリーマートにご飯を買いに行きました。

残念ながらイートインコーナーがなく、お弁当を買ってフェリー乗り場の待合コーナーに戻りました。フェリー乗り場待合コーナーで二人でお弁当を食べました。私は焼きそば弁当、副社長はあぶり焼き牛カルビ弁当。

待合コーナーはテレビもなく、ひっそりとしていました。

海路を和歌山へ

少しずつ待合コーナーに乗客が増えてきて、21:50徳島港を出港しました。その日は風が強くてかなり揺れました。時々どーん、どーんと、波を着る音が船に伝わってきました。

和歌山港到着は24:10でしたが、風が強く着岸にいつもより時間がかかって、下船すると24:25ぐらいでした。そこから予約していたタクシーに乗り込み、海南駅の駐車場に向かいました。

久しぶりのマイカーに乗るとほっとしました。深夜なのでスイスイと走り、1:10頃紀美野町のある会社に帰ってきました。市内で渋滞に巻き込まれフェリーに乗り遅れたのが痛かったですね。

総移動距離約1,100km

一日目 移動距離 約588km
・紀美野町~海南駅 約8km (マイカー)
・海南駅~新大阪 約87km (JR特急くろしお)
・新大阪~広島 約342km (JR山陽新幹線)
・広島市内移動 約20km (広島電鉄、タクシー)
・広島港~松山観光港 約70km (瀬戸内汽船 高速船スーパージェット)
・松山観光港~松山市内 約9km (タクシー)
・松山市内~大洲市内 約56km (レンタカー)

二日目 移動距離 約512km
・大洲市内~八幡浜 約23km (レンタカー)
・八幡浜~宇和島 約38km
・宇和島~下灘 約23km
・下灘~愛南 約23km
・愛南~徳島市内 約320km
・徳島市内~徳島駅 約2km (レンタカー送迎)
・徳島駅~徳島港 約6km (タクシー)
・徳島港~和歌山港 約56km (南海フェリー)
・和歌山港~海南駅 約13km (タクシー)
・海南駅~紀美野町 約8km (マイカー)

1日目の朝6時に出発し、2日目は日付けをまわって1:10頃に到着。総移動距離約1,100kmの広島・愛媛出張でした。

 

今年もお世話になりました

あっという間の一年でしたが、皆さまのおかげで今年も一年無事に終えることができました。

お取引先さま、仕入れ先さま、当社製品をご利用頂いている全ての皆さまに心より御礼申し上げます。

穏やかな年越し・お正月を迎えられることをお祈りいたしております。

 

(参考資料)
・瀬戸内汽船 https://setonaikaikisen.co.jp/
・大和ミュージーアム https://yamato-museum.com/
・瀬戸内海汽船 広島・呉~松山 スーパージェット 空撮 https://www.youtube.com/watch?v=6KP8D5AhkUE&t=13s
・大洲市観光情報ウェブサイト https://jp.visitozu.com
・内子さんぽ 大森和蝋燭屋 https://www.we-love-uchiko.jp/gift/1089/
・四国西予ジオパーク http://seiyo-geo.jp/geopoint/uwakai_future02.php
・愛ひめ 愛フード推進機構 戸島一番ブリ
https://www.aifood.jp/product/detail/37
・愛媛県HP 水産王国えひめ 媛スマ
https://www.pref.ehime.jp/h37100/suisan_okoku_ehime/fish_suma.html
・愛ひめ 愛フード推進機構 マハタ
https://www.aifood.jp/product/detail/97
・JFえひめ真珠公式直販サイト えひめ真珠 https://www.ehime-pearl.jp/
・じゃこ天マップ 宇和島蒲鉾協同組合 https://www.uwajima-kamaboko.com/

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。旧年中に賜りましたご厚情に社員一同厚く御礼申し上げます。

本年も何卒よろしくお願いいたします。

新年から大変心痛む出来事が続いています。「令和6年能登半島地震」の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

私たちは日々に感謝しながら少しでもお力になれる事を考え、皆様が一日でも早く健やかで心休まる日をお迎え出来ますようお祈り申し上げます。

株式会社 久保製作所
代表取締役社長 
久保真由巳

冬期休業のお知らせ

 

平素より弊社製品をご利用頂き、ありがとうございます。誠に勝手ながら、下記の期間を冬期休業とさせていただきます。

休業期間中はご不便をお掛けいたしますが、何卒ご了承下さいますよう、お願い申し上げます。

【休業期間】2023年12月29日(金) ~ 2024年1月4日(木) 
※1月5日(金)より通常営業

 

 

10月・11月の「コレクボ」- あっ!これ久保(うちの)合羽や!-

皆さま、こんにちは。あっという間に12月。忘年会の季節ですね。忘年会で人気のお鍋と言えばカニ鍋でしょうか。

さて、10月・11月に新聞・テレビ等で見かけた弊社製品情報「コレクボ」-あっ!これ久保(うち)の合羽や!-を2件ご紹介させて頂きます。

今年もズワイガニ漁が解禁され1ヶ月経ちますが、今回のコレクボは2件ともカニ漁の漁師さんです。

シーエース 10/28付 日本経済新聞 日経プラス1

10/28付の日経プラス1さんのなんでもランキングテーマは「冬近し 尋ねたい蟹の街・漁港」。カニ目当てで訪れたい街・漁港10選の第8位に、福井県坂井市三国(みくに)が選ばれていました。

大きな越前ガニを持った三国の漁師さんが、シーエース胸付ズボン(カラー:コバルトブルー)を着用下さっているのを発見しました。弊社製品をご利用頂きありがとうございます!

10/28付の日経プラス1さんのなんでもランキングテーマは「冬近し 尋ねたい蟹の街・漁港」8位 三国(福井県坂井市)

ズワイガニのことを福井県では「越前ガニ」、山陰では「松葉ガニ」と呼ぶそうですね。

記事によると三国は北前船貿易で栄えた歴史ある町並みの残る場所で、明治初期にオランダ人が三国港に造った重要文化財「エッセル堤」も魅力的だそうです。

調べたところ、江戸中期に始まった越前ガニの水揚げは明治期に本格化し、品質の高さが評価され、1922年以降は皇室にも献上されてきたとのこと。現在は黄色のタグがつけられているそうです。

三国では夕方漁から帰ってきた後、夜にセリを行なうそうです。夜に県内外に配送されることから、翌日には私たち消費者が新鮮な越前ガニが食べられるということです。カニ漁師さん、それを販売する関係者、輸送関係者、皆さんの頑張りのおかげですね。

シーエース(胸付きズボン)

シーピープル 11/25放送 読売テレビ『満天☆青空レストラン』高知県 エガニ

続いてのコレクボ情報は、季節の美味しい食材を求めて宮川大輔さんが日本各地を旅する人気番組「満天☆青空レストラン」さん(土曜夕方6:30~7:00)から。

11/25放送の番組食材は高知県高知市浦戸湾で獲れる「エガニ」。エガニ漁をする名人、宮川大輔さん、ゲストの方が皆弊社のシーピープル(カラー:ライムイエロー)を着用下さっていました。

何人もが揃って並んで着て下さっているというのはとても嬉しいことです。弊社製品をご利用頂きありがとうございます!

調べたところ、エガニはワタリガニ科のノコギリガザミの一種で、大きいものになると1kgを超えるものもあるそうです。商業ベースとしては高知県浦戸湾の他には静岡県浜名湖、沖縄県八重山諸島だけでしか漁獲されていない稀少なカニだそうです。

主に高知市中央卸売市場に水揚げされる他、漁業者自らが独自のルートとして、高知市内の飲食店への直接販売やネット通販なども行っているとのことです。

エガニの特長は大きなハサミ。私にはエガニの爪だけでこぶしより大きく見えました。調べたところ、エガニの挟む力は1トンを超えるそうですよ。こんなに噛み応えのしっかりした弾力のある爪は食べたことがない、と宮川大輔さんも言っていました。

獲れたて茹でたてが一番美味しいでしょうが、贅沢にもエガニをふんだんに使ったシェフのお料理も、どれも美味しそうでした。

宮川大輔さんが今まで食べたグラタンの中で一番美味しいと言っていたグラタン、本当に美味しそうでした。

シーピープル(胸付きズボン)

御礼

この度は弊社製品をご利用頂き、ありがとうございます。毎日のお仕事のお供としてお役にたてとても嬉しいです。皆さまが安心して活動できる製品をお届けできるよう社員一同頑張ってまいりますので引き続き宜しくお願いいたします。

福井県三国越前ガニ漁の漁師さん、高知県高知市エガニ漁の漁師さん、漁業関係者の皆さん、日経プラス1スタッフの皆さん、読売テレビ 『満天☆青空レストラン』のスタッフの皆さん、体に気をつけてこれからも頑張って下さいね。応援しています!

参考
日本経済新聞 日経プラス1(2023年10月28日) なんでもランキング「冬近し 尋ねたい蟹の街・漁港」
福井県坂井市観光ガイド Web旅ナビ

https://kanko-sakai.com/feature/detail.php?id=6
坂井市役所ホームページ 三国港突堤(エッセル堤)
https://www.city.fukui-sakai.lg.jp/bunka/kanko-bunka/kanko/rekishi/mikunitottei.html
11/25放送 読売テレビ 『満天☆青空レストラン』高知県 エガニ
https://www.ntv.co.jp/aozora/articles/1913azzra2jgks2tzm17.html
Kurashi-no 魚図鑑 ハサミの握力がすごい「ノコギリガザミ」とは?その食べ方や調理法まで解説!
https://kurashi-no.jp/I0024349
高知県ホームページ 刺網漁業(浦戸湾)
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/040401/uradowansasiami.html

身の回りの意外なものに入っているみかんの皮

皆さま、こんにちは。ここ数年秋らしい秋が短いですね。冷房を使わなくなったと思ったら、もう暖房をつけています。春秋物の洋服の出番がないとスタッフも言っていました。

さて、前回に引き続き、今回のブログのテーマもみかんの皮です。みかんの皮は私たちにいい香りを届けてくれるだけではなく、油汚れや水垢等汚れを落としてくれるお掃除の味方だと知りました。

以来、我が家ではみかんの皮が大活躍。お魚を焼いた後の魚焼きグリルに熱湯を注ぎ、みかんの皮をいくつかに千切って入れ、暫くつけ置きした後、皮の表側(オレンジ色)でこすり洗いをすれば、きれいに汚れも臭いも取れるのにはびっくりです。

お風呂の水垢もみかんの皮の白い部分で何度も拭き掃除すると結構取れます。おまけにみかんのいい香りがするので一石二鳥。みかんの皮はカビが生えて長く持ちませんから、みかんを食べた後はお掃除するとちょうどいいです。

さらに調べて見ますと、お掃除の味方だけではなく、私たちの体にもいい影響を与えてくれる身近なものに利用されていることがわかりました。

みかんの皮を乾燥させたものを陳皮(ちんぴ)といい、昔から漢方薬等に使われてきました。ちなみに「陳」は「古い」という意味。漢方の世界では古いものの方が効果があるとされているそうです。実はこの陳皮(ちんぴ)。私たちの身近なものに利用されていました。

ガムや炭酸飲料等の食品や日用品の香料

いい香りからもわかるように、みかんの皮には香りの成分リモネンなどを主成分とする精油を含み、アロマテラピーにも利用されリラックス効果やリフレッシュ効果があります。食品や入浴剤などの香料としても陳皮(ちんぴ)が使用されているようです。リニューアル前のクロレッツ(ガム)にも入っていたかと思います。

胃腸薬や風邪薬の成分

陳皮は胃腸薬や風邪薬の成分に入っていることが多いようです。早速我が家にあった胃腸薬を確認したところ「ちんぴ」が入っていました。

陳皮(ちんぴ)の漢方薬・生薬についての効能を調べてみました。咳や痰を鎮める働きがあることから風邪薬に、消化不良や食欲不振等、胃腸を調整する働きがあることから胃腸薬に入っていることが多いようです。

漢方的には、健胃、去痰、理気の効能があり、消化不良、食欲不振などの胃部不快感を取り除くのに用いられています。(漢方薬のきぐすり.com )

漢方において、陳皮は胃酸の分泌を促進させるとともに、胃から腸への排出を早めたり、腸の蠕動運動を促進させたりする「理気薬」として使用されてきました。そのため多くの漢方処方の胃薬(補中益気湯や六君子湯など)には陳皮が配合されています。(養命酒 ハーブ図鑑 捨てる前に!漢方にも使われる陳皮(みかんの皮)の効能4つと活用法)

それだけではなく、冷え改善の効果もあるそうです。

陳皮は血管を拡張させて血流を良くし、末梢体温を維持する効果のある「へスぺリジン(ポリフェノールの一種)」を含みます。そのため、陳皮を細かく刻んで料理に混ぜたり、お風呂に入れて入浴剤にすると冷えの改善にも役立ちます。
(養命酒 ハーブ図鑑 捨てる前に!漢方にも使われる陳皮(みかんの皮)の効能4つと活用法)

七味唐辛子の原材料

さて、次に私たちに一番馴染のあるものとしては七味とうがらし。その中に陳皮が入っていました。七味唐辛子は「薬研堀(やげんぼり)」とも呼ばれ、唐辛子を主とした薬味や香辛料を調合して作られる日本の調味料。もともとは漢方薬だったそうです。おうどんやおそばに欠かせない七味が、漢方薬とは思いませんでした。

早速我が家の七味唐辛子の原材料を確認してみたところ、赤唐辛子・黒ごま・ちんぴ・山椒・麻の実・けしの実・青のり、の7種。確かにちんぴが入っていました!

・七味とうがらしの誕生

七味唐辛子の発祥は東京浅草にある「やげん堀」というお店。創業1625年(寛永2年)初代からし屋徳右衛門さんが漢方薬からヒントを得て、吟味した7種の素材で創ったのが始まりとのことです。

やげん堀の七色唐辛子は献上品になり、徳川三代将軍家光公に喜ばれて徳川の「徳」の字を賜わったそうです。そのことから、山に徳の字ののれんを掲げておりロゴにもなっているそうです。

・薬研堀(やげんぼり)とは?

東京・浅草の七味とうがらし屋さん「やげん堀」と「薬研堀(やげんぼり)」のつながりを調べてみました。「薬研堀(やげんぼり)」は現在の東京都中央区東日本橋にかつて存在した運河であり、堀周辺の通称地名。

広重『名所江戸百景 両ごく回向院元柳橋』,魚栄,安政4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1312241 (参照 2023-11-30)

広重の浮世絵をご覧下さい。両国の回向院より元柳橋を望む場面が描かれています。手前が隅田川、奥の橋が元柳橋で、これをくぐるのが薬研堀だそうです。

薬研(漢方薬を粉末にする器具)の 形に似た堀があったことから薬研堀町と名付けられたと言われています。

七味とうがらし屋「やげん堀」さんは今は移転されお店は浅草にありますが、創業当時は薬研堀にお店があったそうです。江戸時代、日本橋薬研堀町は医者や薬問屋が多く、別名「医者町」で通っていたそうです。創業の地が店名の由来になっていたのですね。

薬研堀(やげんぼり)とは
・江戸時代にあった運河の名前
・地名
・店の名前(東京・浅草「やげん堀」)
・七味とうがらしの通称

日本三大七味

東京・浅草「やげん堀」さん発祥の七味とうがらしですが、長野の善光寺の七味や京都清水の七味も有名ですよね。調べたところ、これら3つは「日本三大七味」と呼ばれていることがわかりました。

浅草の浅草寺・長野の善光寺・京都の清水寺と、いずれも歴史ある大きなお寺の門前にお店があります。一覧にしてみました。

お店の名前創業材料
東京・浅草 やげん堀 1625年(寛永2年)唐辛子、焼唐辛子、黒胡麻、山椒、陳皮、けしの実、麻の実
京都・清水寺参道 七味家本舗創業1655年(明暦年間)唐辛子、山椒、麻の実、白胡麻、黒胡麻、青のり、青紫蘇
信州・善光寺 根元八幡屋礒五郎1736年(元文元年)唐辛子、山椒、生姜、麻種、胡麻、陳皮、紫蘇

唐辛子・山椒・麻の実(種)・ごま、はどの七味にも入っていますが、東京・浅草やげん堀さんの七味には唐辛子と焼き唐辛子の2種類入っており、紫蘇は入っていません。

京都・清水の七味屋本舗さんの七味には陳皮が入っていませんが、青のりが入っていました。それから信州・善光寺の根元八幡屋礒五郎さんの七味には生姜が入っていました。

そう言えば、きつねうどんとかやくご飯のセットが美味しくて有名な大阪道頓堀今井さんでおうどんを食べた時、七味に山椒がたっぷり入っているのか、パンチの効いた味でした。

それがきつねうどんにとてもよくあったのを覚えています。七味の色も赤くなかったと思います。

唐辛子だけの一味唐辛子に対し、七味はお店によって材料や調合が少しずつ違い、お店独自の味や香りになっているのですね。我が家にあるスーパーで買った一般的な七味と一味ですが、比べても一目瞭然です。

辛みが欲しい時は七味に一味を足すといいかもしれませんね。

おうどんやおそばに欠かせない七味とうがらし。今から約400年も前の江戸時代から七味とうがらしがあったとは驚きです。テレビの時代劇や池波正太郎さんの時代小説等には必ずおそばを食べる場面が出てきます。

見たり読んだりしていると、おそばが食べたくなります。さすがにおそばに七味をふりかけるシーンは見たことはありませんが。

雪の降る寒い中、江戸っ子はきっと七味とうがらしをいっぱいかけて、身を寄せ合って屋台のおそばを食べていたのかもしれませんね。

東京・浅草 やげん堀(七味唐辛子)
信州・善光寺 根元八幡屋礒五郎(七味唐辛子)
京都・清水寺参道 七味家本舗(七味唐辛子)
道頓堀 今井(うどん屋)

お屠蘇にも陳皮(ちんぴ)

最後にご紹介するのはお屠蘇(おそと)。無病息災を願ってお正月にいただくお屠蘇(おとそ)にも陳皮(ちんぴ)が使われていました。日本酒をお屠蘇代わりに飲む方も多いですよね。

本来お屠蘇は屠蘇散(とそさん)と呼ばれる5~10種類の生薬を配合したものを、日本酒やみりんに漬け込んだ薬草酒とのことだそうです。

調べたところ、日本酒「久保田」で有名な新潟の朝日酒造さんにお屠蘇の情報が掲載されていました。

製造メーカーによって異なるそうですが、体に良い作用を持つものが調合されていて、一般的な屠蘇散(とそさん)の材料とお屠蘇の材料は以下のとおりです。

お屠蘇の材料
●日本酒(例:久保田 千寿)
●本みりん
●屠蘇散(とそさん)の中身
・山椒(サンショウ):胃を健やかに整える
・陳皮(チンピ):血行を良くして冷えの改善が期待できる
・桂皮(ケイヒ)または肉桂(ニッケイ):発汗や解熱、整腸作用
・桔梗(キキョウ):去痰作用や鎮静、鎮痛作用
・八角(ハッカク):抗菌作用や健胃作用
・白朮(ビャクジュツ):健胃作用や利尿作用
・防風(ボウフウ):発汗や解熱作用、抗炎症作用
(朝日酒造 お正月に欠かせない「お屠蘇(おとそ)」の意味とは。意外と手軽な作り方も紹介)

いかがでしたでしょうか。皆さんのお役にたてれば幸いです。

これから年末に向けてのお忙しい時期に風邪をひかないよう、風邪予防には和歌山のみかんがおすすめです。食べた後はみかんの皮をお風呂に入れたり、お掃除したり、是非やってみて下さいね。

そして、おうどんやおそばに陳皮(ちんぴ)の入った七味とうがらしをたっぷりかけて、体を温めて下さいね。

(参考資料)
・わかさの秘密 ちんぴ https://himitsu.wakasa.jp/contents/citrus-peel/
・漢方薬のきぐすり.com
https://www.kigusuri.com/kampo/jiten/shouyaku/chimpi/
・養命酒 ハーブ図鑑 捨てる前に!漢方にも使われる陳皮(みかんの皮)の効能4つと活用法

https://www.yomeishu.co.jp/health/3617/
・朝日酒造 お正月に欠かせない「お屠蘇(おとそ)」の意味とは。意外と手軽な作り方も紹介

https://magazine.asahi-shuzo.co.jp/know/136
・東京・浅草 やげん堀 https://yagenbori.jp/
・信州・善光寺 根元八幡屋礒五郎 https://www.yawataya.co.jp/
・京都・清水寺参道 七味家本舗 https://www.shichimiya.co.jp/

サンマとみかんの皮

皆さま、こんにちは。長かった暑さも過ぎて日の入りが早くなり、過ごしやすい季節になりました。秋の味覚を味わえる時期ですね。みかん、りんご、柿、いちじく、さつまいも、栗、そして秋刀魚。書いているだけでお腹が空いてきます。

食欲の秋に水を差しているのが近頃の物の値上り。和歌山に暮らしているとみかんの値上りはそれ程感じませんが、りんごは1個200円以上。これまでの2倍以上です。

東京近郊の友人に聞いてみたところ同様で、10月下旬時点でりんごは1個200円程度。サンマも1匹200円程度だそうです。ちなみに梨が1個480円で驚いた!と言っていました。

確かに1匹100円以内で手に入っていた頃もありましたが、200円なら手に届くお値段ですよね。

10月下旬時点で、福島県に近い三陸沖に4年ぶりにサンマが多く集まる漁場が形成されたとか。気仙沼港では近海で操業する小型船が2年ぶりに水揚げした等、嬉しいニュースも入ってきています。

全国のサンマ漁の漁師の皆さん、どうぞお気をつけて頑張って下さいね!

幸いお客様から初物のサンマを頂きました。新鮮でピーンとしたサンマで、大きさは小ぶりでもなく普通。脂がのっていてとても美味しかったです。

今のように少し肌寒くなる頃の夕暮れ時、家々に灯りがともり、ご近所からサンマを焼くいい匂いがしてくると、私は幸せを感じます。日本人でよかった!と思います。

皆さんが幸せを感じるのはどんな時でしょうか。

サンマと和歌山

実はサンマは和歌山に馴染のあるお魚です。以前ブログでご紹介しましたが、日本のサンマ漁は約300年前の江戸時代中頃、紀伊半島の東に広がる熊野灘が発祥とされています。

現在サンマの獲れる主要な産地としては北海道と三陸が有名ですが、戦前は熊野灘が全国一の生産量をあげていた頃もあったそうです。サンマは三陸沖から寒流に乗って熊野灘に南下していたのです。

熊野灘にくるまでの間、潮にもまれて身が引き締まり、脂も適度に落ちてたサンマは熊野灘側では丸干しや寿司に使われるようになりました。紀伊水道側の雑賀崎地域では干物にして和歌山城の徳川家に献上し、また、塩漬けにして江戸に送っていたことが記録として残っているとのことです。

和歌山県内のサンマ郷土料理

・サンマのなれずし

和歌山の郷土料理「なれずし」は大体サバで作られますが、県南部・熊野地方ではサンマで作られます。なれずしはお酢を使わずに発酵させたもので、サンマ寿司と呼ばれるお寿司とは別のものです。

私はサバの早なれずし(あせずしとも言います)はたまに食べますが、サンマのなれずしはまだ頂いたことがありません。

・サンマ寿司

サンマ寿司は、開いて塩漬けしたサンマを柑橘系のお酢でしめて酢飯に載せた熊野地方の郷土料理です。潮岬を境に、西牟婁郡(にしむろぐん)では腹開き、東牟婁郡(ひがしむろぐん)では背開き、と捌き方が違うそうです。

サンマ寿司は随分前に頂いたことがあります。焼いたサンマ寿司もあるそうです。

出典:農林水産省Webサイト うちの郷土料理 さんまずし(背開き) 和歌山県

 

出典:農林水産省Webサイト うちの郷土料理 さんまずし(腹開き) 和歌山県

・サンマの丸干し

サンマを塩もみし一日置いてから海岸に2~3日干したものです。サンマ寿司と一緒に熊野地方で食べられています。

・灰干しサンマ

こちらも以前ブログでご紹介しましたが、和歌山の特産に雑賀崎に灰干しサンマがあります。

干して乾燥させるのではなく、灰干しサンマはサンマを開いて塩漬けし、水分を通すセロファンで包み、高い吸湿性をもつ火山灰の中に数時間入れて余分な水分を抜き、お魚を乾燥させる特殊な製法で作られています。

材料は現在北海道産が使われているようです。臭みがなくしっとりとして旨味が凝縮されているのが特長です。ちなみに灰干しサンマ寿司もあります。

灰干しサンマ photo by Rinko Nakamura  ©Kuboseisakusyo

サンマを焼くと後片付けが・・・

サンマの話を書いているとサンマが食べたくなってきました。ところで、皆さんはお魚をどのようにして焼いていますか?

ガスコンロのグリル、魚焼き網、魚焼きグリルロースター、フライパン、オーブン等。今はいろんな焼き方がありますね。我が家は魚焼きグリルロースター使っています。

どのように焼いてもお魚を焼くとグリルや網の後片付けがやっかいです。洗剤を使っても手強い汚れの時もありますし、汚れは落ちてもお魚の臭いはなかなか取れません。

photo by Rinko Nakamura  ©Kuboseisakusyo

みかんの皮は優れもの

先日みかんを送った友人が、お魚を焼いた後の汚れや臭いはみかんの皮でグリルや網を掃除すれば取れる、と教えてくれました。みかんのある季節はみかんの皮を使い、春夏はオレンジの皮を使っているそうです。

みかんの皮

汚れた天板に水を張って網を入れ、その中にみかんの皮1個分をいくつかに千切って入れ、一緒につけおきします。

暫くつけ置きした後、皮の表側(オレンジ色)を網や汚れたところに当ててこすり洗いします。軽い汚れの時は汚れも臭いも大体落ちますが、その後洗剤をつけて普通に洗えばいいそうです。

臭いだけ気になる時は、みかんの皮をお湯でよく洗い、まず皮の表側(オレンジ)を臭みのあるところに当てて拭き、次に裏側(白)で拭いて自然に乾かせばいいとのこと。皮のカスや油分のベタつきが気になる時は、お湯に浸して固く絞った布巾で拭くとよいそうです。

確かに台所洗剤やお風呂の洗剤にはよくオレンジの成分が入っていますよね。調べてみると、柑橘類の皮にはクエン酸・リモネン・ペクチン等の成分が含まれ、お掃除によい効果がありました。複数の情報を参考にまとめてみました。

クエン酸柑橘類や酢に含まれる酸性成分で自然由来
水垢などアルカリ性に効果的
リモネン天然の油成分。油になじみやすく、油の溶解に効果があり、
界面活性剤と同じように汚れを落とすはたらきがある
ペクチン皮の白い部分や筋に多く含まれる成分で食物繊維
コーティング効果やツヤ出し効果があり、
掃除した後の状態をきれいに保つ効果がある

みかんの皮の表側(オレンジ色)の油成分リモネンが、油汚れの部分に溶け出して汚れを落とすしくみなんですね。リモネンという成分はエッセンシャルオイルでよく見かけます。成分ひとつとってみても、いろんな効果があるのですね。

次の情報が参考になりました。みかんの皮を茹でてお掃除用のみかんスプレーを作ってみようかと思いました。

いかがでしたでしょうか。皆さんのお役にたてれば幸いです。

季節の美味しいものを頂いて、毎日元気に頑張っていきましょう。そして、サンマを焼いた後のお片付けにはぜひみかんの皮を使ってみてくださいね。

 

(参考資料)
・「本場の本物」紀州雑賀崎(さいかざき)の灰干しさんま(一般社団法人 本場の本物ブランド推進機構)
https://honbamon.com/product/29-kaikazaki-hoshisanma/index.html
・紀伊のサンマ漁 (和歌山県)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071001/d00207202_d/fil/33.pdf
・さんま漁業(全国さんま棒受網漁業協同組合)
http://www.samma.jp/fishery.html
・うちの郷土料理 さんまずし(背開き・腹開き) 和歌山県(農林水産省Webサイト)
情報提供元 : 郷土料理と日本型食生活(和歌山県生活協同組合連合会)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sanma_zushi_wakayama.html
・さんまの丸干し(くまどこ)
http://www.kumadoco.net/dictionary/report.php?no=1
・みかんの皮を使った掃除の裏技6選! 油汚れ、イヤな臭いを取る方法 マイナビ子育て
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/5678
・みかんの皮を捨てる前に!ササッとできる簡単掃除のテクニック5つ
https://mrs.living.jp/k_life/article/4041607