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雨衣ひとすじ久保製作所

ブログ

年とり魚

皆さま、こんにちは。ほとんど風邪をひかない私がインフルエンザにかかったのが元旦でしたが、早いもので年末です。

今年も大変お世話になり、ありがとうございます。

さて、鹿児島の漁連さんから毎年年越し用のブリ・かんぱちのキャンペーンがあり、例年は両方購入していました。

それが昨年に続き、今年も商品ラインナップにブリが見当たらず、電話で問合せしたところ、今年も年末用のブリの提供はないとのことでした。

鹿児島はブリとかんぱちの養殖生産量日本一。ブランドのブリ・かんぱちも多数あり、『鰤王(ぶりおう)』、『海の桜勘(うみのおうかん)』は有名です。

寒ブリの産地で有名な富山の氷見や北海道で不漁、とのニュースもありました。年末需要が高まるところ、供給が追いつかず、品薄になっているのかと思い、今年はかんぱちを購入しました。

内寸法が長さ50㎝、幅25㎝の箱に、大きなフィレが2枚入っていました。

かんぱちは出世魚

かんぱちはブリほど脂はのっておらず、クセがなくあっさり味、身がプリッとして食感がいいと思います。

養殖の魚の中では、かんぱちは高級な方ですが、天然もののかんぱちは漁獲高が養殖の10分の1程度と数が少なく、寿司屋や料亭などで扱われる高級魚です。

以前、ブリは成長ごとに名前が変わる出生魚で、西日本と東日本で名前が違うことをブログに書きましたが、かんぱちも同様に成長ごとに名前が変わる出生魚でした。

かんぱちが出世魚とは知らなかったです。調べたところ、80㎝以上の大きさの魚が「かんぱち」です。

出世魚の名前以外にも、地域によっていろんな呼び名があります。

かんぱち
腹赤(南九州)・ネリコ・ネリ(鹿児島・高知)・シオ(和歌山)・ヘイチョウ(三重)・アカバネ(香川)・ハタケ(石川)
35㎝以下60㎝以下80㎝以下80㎝以上
ショッコ

シオゴ(汐子)
シオ(和歌山)

アカハナ

かんぱち

 

ブリ
 

(西)30㎝以上40㎝未満
(東)35㎝以下

(西)40㎝以上60㎝未満
(東)60㎝以下
(西)80㎝未満
(東)80㎝以下
(西)(東)80㎝以上
西日本

ヤズ(九州)
フクラギ(富山・石川)

ハマチメジロブリ
腹白(南九州)
東日本ワカシ・ワカナイナダワラサブリ

ブリ御三家

ブリとかんぱちは見た目が似ていると言われますが、ヒラマサも似ているそうです。ヒラマサは、ブリやかんぱちほどスーパーに置いてないように思います。

ブリ・ヒラマサ・かんぱちは見た目が似ていることから、「ブリ御三家」と言われています。

どれもスズキ目アジ科の大型回遊魚です。ブリ・かんぱちは成長ごとに名前が変わる出生魚ですが、ヒラマサは違うようです。

地域によっては、ヒラ、ヒラス、ヒラソウジといった呼び名があるようです。

特に、ブリとヒラマサはよく似ていると言われ、釣り人の間でも見分けが難しい魚のようです。それぞれどんな特徴があるのか、調べてみました。

 特長
ブリ

・丸みを帯びている
・ボディの色が上が青、黄色のライン、下が白
・胸びれと黄色のラインに隙間がある

冬 12月~2月
かんぱち

・ボディ全体が黄色味がかっている。ボディの色が上が黒っぽい銀色、黄色のライン、白
・正面から見ると頭に漢字の「八」に似た黒いラインがあることから名前が間八

年間を通してとれる
6月~10月
ヒラマサ

・ブリに比べると平べったい
・ボディの色が上が青、黄色のライン、下が白
・胸びれと黄色のラインに隙間がない

夏 5月下旬~9月上旬

 

年取り魚

養殖ものは一般消費者が求めやすい値段でしたが、このところ高くなっています。かんぱちも例年より3割高かったです。

近頃、テレビやネットニュースでも、ブリの価格が昨年の2倍、ブリ以外の魚も同様に鮭やイクラの価格が過去最高など、値段が高いというニュースばかりです。

確かに福井の漁協さんの年越しキャンペーンの商品ラインナップにも、北海道のイクラがなかったです。問合せしたところ商品はありましたが、例年より3割高かったです。

調べたところ、ブリは養殖にかかるコスト高、鮭は北海道の秋鮭不漁の影響で鮭・イクラ品不足等が原因とのことです。秋鮭の不漁は海水温の上昇が原因と見られています。

年越しの準備で出費がかさみ、ご家庭ではやりくりが大変だと思います。

大晦日やお正月、年越しの食卓に上る魚は「年とり魚」と言われ、新年に歳神様を迎えるためのお供えでした。東日本では「鮭」、西日本では「ブリ」が定番です。

日本列島の中央、東西の文化がある長野県では、「年取り魚」は地域によって鮭だったりブリだったりするそうです。

富山で獲れたブリが飛騨経由で松本エリアや南信州エリアに伝わったとされています。鮭とブリ以外の「年取り魚」を調べてみました。

 

ハタハタ(秋田県)

ハタハタがないと正月が迎えられないと言われるほど、秋田県民に親しまれている魚です。

秋田の伝統料理に「ハタハタ寿司」があります。これは柿の葉寿司と同じ発酵寿司で、大晦日や正月の料理、冬の保存食として親しまれてきました。

ご飯に麹を混ぜて発酵させたものと、酢漬けしたハタハタを交互に重ね、にんじん・ふのりをまぶし、笹の葉で包んで発酵させた押し寿司です。

北海道出身の友人によると、北海道でも年越しにハタハタ寿司を食べる文化があるそうです。

ナメタガレイ(宮城県)

仙台地方、三陸沿岸では、年越しや正月料理に子持ちのナメタガレイの煮付けがあります。

ナメタガレイは、関東から東北、北海道にかけての名前で、正式和名はババガレイ。カレイは砂泥の海底にいる魚。仙台湾は遠浅で平坦な大陸棚で、カレイの好漁場とのことです。

ゼラチン質が多いカレイは煮付けがあうようです。甘辛い味付けの煮付けはご飯にあうようです。

鱈(タラ)(青森県)

青森に冬の訪れを伝える魚「タラ」。タラを使った正月料理に「じゃっぱ汁」があります。「じゃっぱ」とは津軽の方言で魚のアラです。

普段は食べずに捨てるアラ(魚の頭、骨、皮、内臓など)と、大根、にんじん等の野菜と一緒に込んだ料理です。

味は味噌味と一部では塩あじの所もあるようです。

昔は大きなタラを丸ごと一匹買って各家庭で使ったそうですが、今はスーパーにじゃっぱ汁用のタラがおいてあるそうです。

からかい(山形県)

「からかい」は、カスベというエイの一種を干した物です。

海が遠い内陸部では、昔は新鮮な海の魚を手に入れることが難しく、魚と言えば「塩引き鮭」・「棒ダラ」・「からかい」等の干し魚だったそうです。

からかいを水につけて戻し、湯でこぼして柔らかくなるまで煮てから、酒、みりん、醬油、砂糖で味付けします。お正月や祭りなどの行事で用いられる郷土料理です。

ゼラチン質が多く含まれ、煮汁が冷めると「煮こごり」ができ、ご飯との相性がよいそうです。

鯛(関西)

大阪や兵庫では「にらみ鯛」という尾頭付きの鯛の塩焼きを飾る習慣があります。
和歌山県紀美野町の我が家では昔から鯖かカツオですが、紀美野町近辺ではサバか鯛です。

鯖は焼き鯖で、鯛は「にらみ鯛」とは言わないですが化粧塩して焼いた鯛です。年末が近づくと箱入りでスーパーに売っています。

出先のスーパーで天然の鯛が1箱3500円、近所のスーパーで1箱2900円でした。

正月の三が日は見るだけ(睨むだけ)で、数日おいて箸をつけます。災厄を睨んで追い払うという意味があるそうです。

紀美野町近辺は、昔から京都の伏見稲荷さんを祀ってる家が多かったです。神棚に鯛をお供えしていました。

我が家も私が中学の頃までは、毎年家族で京都の伏見稲荷さんへお参りに行っていました。

伏見稲荷大社は1300年以上の歴史があり、全国に3万以上ある稲荷神社の総本宮。年末年始のニュースに必ず登場する、赤い千本鳥居のある所です。最近では海外からの観光客で賑わっているようです。

伏見稲荷さんは商売の神様。毎年正月三が日には家族で、伏見稲荷の末広さん(末広大神 すえひろおおかみ)という神様をお参りしていました。

ふもとから稲荷山頂にある末広さんまでは歩いて一時間。途中お休み処がありました。標高233mの稲荷山の末広さんからの眺めはよかったです。新幹線が走っているのが見えました。

往復2時間。祖父母と一緒でしたが、普通に歩けました。

今年もお世話になりました

極寒の海で命がけで漁をする漁師さん、寒風にさらされながら魚を干したり加工する職人さん。
昔の人は、厳しい環境で手に入れた食料を買い、冬の間、大事に頂いて暮らしてきたのだと思います。

そのことに感謝しながら、社員一同力を合わせて日々合羽を作ります。

本年もお世話になり、ありがとうございました。

(参考資料)
・日本の旬・魚のお話(マルハニチロ)
https://www.maruha-shinko.co.jp/uodas/syun/78-kanpachi.html
・くらひろ(東京電力)
https://kurahiro.tepco.co.jp/food/20520/index.html
・ブリ御三家(ととクル)
https://totocle.com/buri-hiramasa-kanpachi/
・ハタハタ寿司・じゃっぱ汁・からかい(うちの郷土料理 農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html
・ナメタガレイ(白松が最中 白松がヨーカン)
https://monaka.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/vol04.pdf
・養殖ブリ・養殖かんぱち(鹿児島県)
https://www.pref.kagoshima.jp/af07/documents/123952_20251218192023-1.pdf
・『鰤王(ぶりおう)』鹿児島 東町漁業協同組合
https://www.azuma.or.jp/burioh/
・『海の桜勘(うみのおうかん)』鹿児島県 垂水市漁業協同組合
https://www.city.tarumizu.lg.jp/suisan/koi/miryoku/miwaku/sakana/uminooukan.html

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