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雨衣ひとすじ久保製作所

ブログ

静岡出張

皆さま、こんにちは。先日、静岡県の清水と焼津のお客様を訪問しました。清水港、焼津港は、かつお・まぐろ遠洋漁業の拠点として有名です。

今回訪問するお客様は、遠洋漁業に出航する船に必要な道具・食料・生活用品など、様々な資材を調達して船に積込む「仕込み屋さん(船舶仕込み業者)」です。

今回も私久保と中村副社長の二人旅です。静岡県清水までは4時間程度。朝5時50分に紀美野町を出発しました。東京の友人によると関東では5時は明るいそうですが、ここ紀美野町は6時前は真っ暗です。

車で20分、海南駅近くの駐車場に車をおいて特急くろしおに乗り込みました。その頃には外も明るくなってきました。

早速、朝ご飯におにぎりを食べました。今回のおにぎりはセブンイレブンさん。私は「辛子明太子」・「鰹節まぶしおむすび おかか」、副社長は「昆布」。

海南駅始発の車内は空いていましたが、和歌山駅からどっと人が乗ってきて満席。1時間半で新大阪に到着。新幹線乗り場に向かいました。

東海道新幹線

普段東京への出張には「のぞみ」に乗りますが、今回は静岡に停まる「ひかり」を利用します。静岡への出張は5年ぶり。久しぶりのひかりです。

新大阪駅で待ち時間が40分。その間、上りのひかりは運行しているのですが、静岡に停まらない列車です。

2026年1月現在、東京-大阪間の場合、のぞみは主要駅に止まり、こだまは各駅に止まり、ひかりはその中間でした。ひかりとこだまの違いは、三河安城・掛川・新富士に停まるか停まらないかです。

ひかりは列車によって停車駅が違うこと、停車駅によっては本数が少ないことに注意が必要です。

冬はホットレモネード

ホームにいても寒いので、下の待合室へ行くと満席。待合室外のベンチに座り、ジューススタンドでホットレモネードを買って飲みました。

レモネードを飲む文化がなかった日本ですが、最近はいろんな所で見るようになりました。

喫茶店メニューにレモンスカッシュはありました。チェーン店のコーヒーショップにおされ、こじんまりとした喫茶店が減りました。

レモンと言えば、中学の頃陸上部に所属し、短距離、3種競技の選手でしたが、大きな水筒にキリンレモンと氷と輪切りのレモンを入れて、部活の練習に持って行っていました。

静岡へ

40分後の8時過ぎに静岡に停車するひかりに乗りました。予定のひかりに乗ると車内はほぼ満席。その日は寒く、京都-名古屋間の雪が心配でした。幸い雪も降らず、順調に走りました。

途中、テレビの時代劇にもたびたび登場する東海道の難所の一つ、大井川を渡りました。

駿河と遠江の国境だった大井川は、幕府の防衛対策などにより、橋は作れず船も通れなかったことから、旅人は川人足がかついで運んだそうです。

今回驚いたのは、長雨になると「川留め」で、旅人は宿場に長逗留したといわれる大井川に、水がなかったことです。歩いて渡れるような川になっていました。

停車駅が多く時間はかかりましたが、静岡に到着。

清水へ

静岡駅新幹線口のトヨタレンタカーで車(ヤリス)を借りて移動です。下道を通って30分。6時前に地元を出発してから5時間半後の11時半、ようやく現地に到着しました。丸新商店さんを訪問しました。

丸新商店さんは遠洋延縄(はえなわ)漁船の漁具資材を扱う仕込みやさんです。主にまぐろ船に資材納品しており、食料品(野菜や肉等の生もの以外)や漁具資材など種類は1000種類程になるそうです。
会長さんから合羽の注文を頂いて以来、14、5年のお付き合いになります。

社長さんの話によると、まぐろ船は長さ50m。乗務員は24名。7、8割が外国人で、主にインドネシアの方が多いとのことです。近海まぐろ漁の19トンクラスの船の乗務員でも、日本人3名以上という決まりがあるそうです。

まぐろ遠洋漁業の漁場は、北大西洋の北極圏。そこで10ヶ月延縄漁をします。季節によってはアフリカ大陸の方まで下がって漁をするそうです。

後日調べたところ、長さ50mのまぐろ船は、400~500トンクラスの船が多いようです。

パナマ運河

北極圏海域の漁場へは、アフリカのケープタウンをまわって大西洋を北上する、と私は思っていました。それが、最近はパナマ運河を通って北大西洋に行く船が多いとのことです。

漁場までは1ヶ月ほどかかりますが、ケープタウンを回るより約10日程早いとのことです。

社長さんの話によると、まぐろ船は大きな船の後ろについて入り、自力で走行するのではなく、レールがあってその上を通るそうです。

パナマ運河は、太平洋と大西洋を繋ぐ全長80km、最少水路幅192mの閘門式運河です。閘門(こうもん)と言う設備を使って水位を調整し、水位の違う水面間を航行させる運河です。

調べたところ、運河中央にある湖の高さ(海抜26m)が海面の高さと違うため、3段階にわたり湖面の高さまで上げられ湖を航行後、また3段階にわたり海面の高さまで下げられる仕組みでした。

パナマ運河の入り口は太平洋側に2門、大西洋側に1門あり、ゲートは長さ305m、幅33.5m 深さ12.6m。このゲートに収容可能な船舶のみが運河を通行できるそうです。

幅33.5mは短い気がしますが、客船などは入れるのか。調べたところ、客船「飛鳥Ⅲ」は全長230.2m、幅29.8m。入れるようです。

パナマ運河の通航料は船の容量(トン)に基づいて計算され、為替レートによって変わりますが、1隻あたり平均4、5万ドル。日本円で600万円程度のようです。

まぐろ漁船の長は漁撈長

10ヶ月操業の間、冷凍庫がいっぱいになると、日本から来た運搬船に魚を運び、運搬船からは足りない資材を運ぶそうです。おそらく漁場から遠くない補給寄港地で受け渡しするのだと思います。

まぐろ漁船の組織は特殊で、普通は船長が長ですが、まぐろ船は漁撈長(ぎょろうちょう)が長。遠洋まぐろ漁の船頭で操業の責任者です。

その次のポジションが船長。船長は船の管理責任者です。船長の下には一等航海士がいます。一等航海士は漁撈長が兼務することが多いそうです。

その他のポジションに、通信長・機関長・甲板長があります。

焼津へ移動

さて、次は焼津へ移動します。東名高速の清水ICから乗って焼津ICで降り、約40分で現地に到着しました。

途中ローソンに寄って、副社長はコロッケ1個、私は小さいシュークリームを食べて腹ごしらえしました。

最初にマスダゴムさんを訪問しました。乗組員個人向けの仕込み屋さんです。弊社のエミックが漁師さんからの評判がよいと注文を頂き、2年程前からのお付き合いになります。

担当者さんの話では、清水はまぐろ船、焼津はかつお船が多いとのことです。

まぐろ船は北大西洋での漁の後に、ケープタウンでドックに入ります。ケープタウンは、遠洋まぐろ漁船の寄港地で補給の拠点です。

まぐろ船は、ドックで船体の整備・修理、乗組員の交代、冷凍コンテナへまぐろの積み替え、食料・燃料など物資の補給などを行ないます。乗務員さんは空路で帰国することもあるそうです。

マイナス60度の冷凍庫に入れるマグロはカチコチ。焼津の水産加工会社は材木会社のようだとおっしゃっていました。

後日調べたところ、北大西洋漁場の補給拠点は、アフリカ大陸の左上、モロッコの沖にあるスペイン領、カナリア諸島のラスパルマスです。

次に訪問したのは、焼津の安岡敏治商店さんです。漁業用資材、電子機器など幅広い分野の資材に対応している仕込み屋さんです。高知県室戸に本社があり、高知、焼津に事務所があります。

昭和55年頃からのお付き合いですから、45、6年になります。社長さんが変わってから二代目社長さんへのご挨拶に伺いました。

北極圏の北大西洋で7ヶ月漁を、インド辺りの赤道近くで3ヶ月漁をするまぐろ漁船の資材調達をしているそうです。

船の入港にあわせて合羽の注文が入りますが、納品する時は、荷造り明細に箱の大きさ(3辺の長さ)、重量、カートンナンバーを記入します。

段ボール箱には、荷造り明細と紐付いたカートンナンバーを記載した伝票を貼ります。

北大西洋では本まぐろ漁、インド洋ではミナミマグロ漁を行なっているそうです。ミナミマグロは別名インドマグロ。焼津はミナミマグロが評判です。

本まぐろ、ミナミマグロ、メバチまぐろ、キハダマグロ、びんちょうまぐろ、まぐろはいろいろありますが、種類によって漁場が違うのですね。

和歌山へ

さて、無事お客様訪問を終え、焼津から静岡駅新幹線口へ向かいました。30分後の15時頃に到着。

18時頃発の新幹線を予定していましたが、みどりの窓口で16時過ぎの新幹線に変更しました。

駅構内の食堂(肉うどん・肉どうふ えん ASTY静岡店)で遅い昼食を食べました。私は肉汁どうふと卵かけご飯、副社長は肉うどんと卵かけご飯でした。

16時過ぎに静岡を出発。心配していた雪も降らず、18時頃新大阪に到着。夕食用にお弁当を買って18時17分発の特急くろしおに乗り、19時半過ぎに到着。

駐車場に移動し、車に乗って20分、20時頃、紀美野町に到着しました。16時に静岡を出て4時間、総移動距離約995kmの旅でした。

現場を知る

今回はまぐろ漁の現場を知っている仕込み屋さんならではの話を聞くことができました。

海上で暮らすとなると水が心配ですが、最近のまぐろ船には、海水を真水にする装置がついているそうです。

仕込み屋さんは船にこそ乗ってないですが、10ヶ月もの間、海の上で漁をする乗組員さんの仕事や暮らしをよくご存知です。

丸新商店さんのブログを拝見したところ、まぐろ船の漁労長さんが撮ったパナマ運河通過中の写真が載っていました。

日頃からの現場とのコミュニケーションが、よりよいサポートに繋がっていると思いました。

合羽を製造している弊社も、仕込み屋さんの話を伺い、現場の漁師さんの仕事や暮らしを知ることができました。

清水、焼津の船舶仕込み業者の皆さま、このたびはありがとうございました。

弊社の合羽を着た漁師さんが、ケープタウンやパナマ運河を通って北大西洋へ、太平洋やインド洋でまぐろ漁をしている様子を思い浮かべながら、日々合羽を作ります。

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